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機動戦士ガンダムRS 第12話 フレイの選択

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 ラミアス艦長は、キラの警戒心を解こうとした。
 ラミアス艦長とキラは、ストライクガンダムの前に立っていた。
「私自身余裕がなくてあなたとゆっくり話す機会も作れなかったから。
その1度ちゃんとお礼が言いたかったの」
 ラミアス艦長は、キラを見た。
キラは、その言葉に驚いた。
「あなたには、本当に大変な思いをさせて本当ここまでありがとう」
 ラミアス艦長は、キラに頭を下げた。
キラは、どうしていいか戸惑っていた。
「いろいろ無理言ってがんばってもらって感謝してるわ」
 キラは、何か言いたそうにしていたが口に出なかった。
「口には、出さないけど皆あなたに感謝してるのよ」
 ラミアス艦長は、頭を上げて説明した。
「こんな状況だから地球に下りても大変かと思うけどがんばって」
 ラミアス艦長とキラは、互いの健闘を祈り握手をした。

               ※

 メネラオスからハルバートン准将とホフマン大佐が乗った小型艇がアークエンジェルに収容された。
2人が小型艇から降りるとブリッジ要員とイザーク中尉以外のモビルスーツ部隊パイロットが敬礼で出迎えた。
ハルバートン准将は、久しぶりに見る部下たちの姿に感嘆の声を上げた。
「ヘリオポリス崩壊の知らせを聞いたときは、もうだめかと思ったぞ」
 そういいながらハルバートン准将は、ラミアス艦長の前に立った。
ラミアス艦長は、敬礼をやめた。
「それがここで君たちと会えるとは」
 ハルバートン准将は、部下たちとの再会に喜んでいた。
「ありがとうございます。
お久しぶりです、閣下」
 ラミアス艦長は、再び敬礼した。
ハルバートン准将も短い敬礼で返した。
ラミアス艦長も敬礼をやめた。
「先も戦闘中だと聞いて気を揉んだ。
大丈夫か?」
 ハルバートン准将は、皆を見渡した。
「1名パイロットが負傷しましたがそのパイロット以外は、皆大丈夫です」
 バジルール副艦長が、ハルバートン准将に報告した。
「重症かね?」
 ハルバートン准将は、イザーク中尉の傷の程度を心配した。
「顔に怪我をしましたが命ならびに目には、異常がないということです」
 ハルバートン准将は、イザーク中尉の傷の程度を詳しく聞いてほっとした。
「そうか。
面会ができるなら後で面会したいものだ」
 ハルバートン准将は、後でイザーク中尉の見舞いに行こうと決めた。
「第7機動部隊所属ラウ・ル・クルーゼ中佐であります」
「同じくムウ・ラ・フラガ大尉であります」
 2人が1歩前に出て敬礼し自己紹介した。
「おお。
君たちがいてくれて幸いだった」
 ハルバートン准将は、そういって2人と握手した。
「いえ、さして役には立てませんでした」
 フラガ大尉は、謙遜した。
「おお、彼らか」
 ハルバートン准将は、部下たちの後ろにいる少年少女に気づいた。
「はい。
艦を手伝ってくれましたヘリオポリスの学生たちです」
 ハルバートン准将は、部下たちの横を通って少年少女の前に立った。
「君たちのご家族の消息も確認してきたぞ。
皆さんご無事だ」
 ハルバートン准将の言葉にキラたちは、喜んだ。
「とんでもない状況の中よくがんばってくれたな。
私からも礼を言う」
 ハルバートン准将がキラたちに感謝した。
「閣下、お時間があまり」
「わかっている」
 ホフマン大佐がハルバートン准将に忠告した。
「後で君たちとゆっくり話がしたいものだな」
 そういうとモビルスーツデッキを後にした。
その後をラミアス艦長、フラガ大尉、クルーゼ中佐とバジルール副艦長が追った。
キラは、その後姿を見送った。

                ※

 η艦隊は、第376遊撃艦隊が護衛してきたコロンブス級補給艦からなる補給艦隊からユーピテルをアル・ギザに補給する作業が行われていた。
そしてドゴス・ギア、ロンバルディア、アレキサンドリアとアル・ギザには大気圏突入用の追加ブースターの装備作業が行われていた。
同時にサオトメには、次の任務が手渡されていた。
「η艦隊は、本日付けでアル・ギザを加えた4隻で編成する。
η艦隊は、補給が終わり次第第8艦隊を全滅しアフリカに下りオペレーション・スピットブレイク成功に支障をきたすと思われるアンドリュー・バルドフェルドならびに通商破壊を主任務とする水陸両用モビルスーツの戦力を削減しハワイ基地に着かれたし」
 サオトメは、命令書を部下とブライアン艦長に聞かせた。
「あんまりだ。
パイロットは、素人が配備されるわ無茶な作戦は命令されるわ。
すべてお前がクラインを敵に帰したのが間違いだぞ」
 ブライアン艦長は、サオトメに怒鳴った。
「気持ちの問題です。
難しい作戦か実現不可能な作戦なのか。
ここにいる部下たちは、こんな作戦も成功させることもできないほど無能ではありません」
 サオトメは、自信を持って答えた。

                 ※

 アークエンジェルの艦長室ではいすにハルバートン准将が座りその前にラミアス艦長、フラガ大尉、クルーゼ中佐とバジルール副艦長が立っていた。
「しかしまあこの艦とGのためにヘリオポリスを崩壊させアルテミスまで崩壊させるとは」
 ホフマン大佐の言葉にラミアス艦長は、表情を暗くしうつむいた。
「しかし彼女たちのおかげでアークエンジェルとGが破壊されたり奪取されなかったのは、事実だ。
彼女たちの運用実績は、いずれ必ずわが地球軍の利となる」
 ハルバートン准将は、ラミアス艦長をかばった。
「アラスカは、そうは思っていないようです」
 ホフマン大佐がアラスカの心境を話した。
その言葉にフラガ大尉とバジルール副艦長が反応した。
「あんな地球にへばりついたやつらに戦場の何がわかる。
ラミアス大尉は、私の意志をちゃんと理解していたのだ。
問題にしなければならないことは、何もない」
 ハルバートン准将の言葉にラミアス艦長は、少し頭を上げた。
「民間人の子供に大切なGを乗せたことも不問ですか?」
 ホフマン大佐は、ハルバートン准将に質問した。
「キラ・ヤマトは、友人たちを護りたい。
ただその一心でストライクに乗ってくれたのです。
われわれは、彼の力がなければここまで来ることはできなかったでしょう。
ですが成り行きとは、いえつい最近まで戦争とは無関係な世界で生きていたため度重なる連戦で彼の肉体ならびに精神はぼろぼろになっていると思われます。
誠実でやさしい子です。
彼には、信頼で答えるべきと私は思います」
 ラミアス艦長の説明にハルバートン准将は、熱心に聴いていた。
「しかし彼は、Gの秘密を誰よりも知りすぎている。
このまま解放するのもどうかと?」
 ホフマン大佐は、機密が漏れる心配をした。
「請謁ながら私は、ホフマン大佐と同じ意見です」
 バジルール副艦長が1歩前に出て言った。
それには、ラミアス艦長とフラガ大尉も驚いた。
「彼の能力は、目を見張るものがありますしGの秘密を知り尽くした彼をこのまま下ろすのもどうかと」
 バジルール副艦長の言い分をハルバートン准将は、鼻で笑った。
「まあ君たちには、話してもかまわないだろう」
「閣下」
 ハルバートン准将は、何かを言おうとしたがホフマン大佐はそれをとめようとした。