こらぼでほすと 再来7
アレハレはぴばの翌日は、日曜日で、夜中まで盛り上がってしまったので、歌姫様以下年少組は、そのまんま居間と客間で雑魚寝なんてことになっている。さすがに、歌姫様も雑魚寝は、まずかろうと、ニールの部屋に寝かせて、当人はハイネのところへ避難した。別に、歌姫様とニールが、一緒に寝ていても、誰も疑わないのだが、常識派のニールとしては、そういうことに慣れてはいけません、と、歌姫に注意はする。で、歌姫様が追い駆けてきて抗議する。
「それで、ママと間男の組み合わせも、いかがなものかと思いますよ? 」
「こっちには、ティエリアもいるんだから、いいんだよ。」
「私くしだけが、はみ出されているみたいで悲しいです。だいたい、ママは勝手です。たまに、私のベッドへ忍んでいらっしゃるのに、こういう時だけダメっておっしゃるのは、納得がいきません。」
「・・・ラクス・・・・それ、語弊が、ある発言なんだが? 」
「事実でございますわ。」
まあ、確かに子猫たちが帰ると、気分的に落ち込むので、誰かと布団を並べて数日、寝てもらうようにしている。で、歌姫のところに滞在していると、相手が限定されて、歌姫のキングサイズのベッドという広さに、まあいいか、なんて、横に転がったりはしている。しているが、それだけだ。それ以上のことに、三年以上しても展開していない清い関係が続いている。ほぼ、おかんと娘というスタンスが崩れていないのだ。歌姫様にとって、ニールは男性という枠には該当しなくなっているからのことだ。
「もういいじゃねぇーか、ママニャン。おまえ、あっちで、オーナーとミニと一緒に寝て来い。」
ハイネも、その事実を知っているから、手を振って追い出す。さすがに、かなり飲んだので、こっちもお陀仏寸前だった。さあ、参りましょう、なんて、歌姫が手を引くと、親猫も渋々、ティエリアをだっこして後に続く。
翌日は、日曜日で、店も休みなので、坊主とその女房以外は朝寝坊の日になっている。さすがに、昨日の騒ぎで疲れた寺の女房は、沈没しているらしく起きてくる気配がない。台所には残りものがラップして置かれているから、朝メシには事欠かない。ちゃんと、白ご飯はタイマーで炊いてあるし、味噌汁もミソを溶けばいいようになっている。至れり尽くせりの手配をされているので、坊主は、味噌汁の仕上げだけして、メシに取り掛かる。真夜中過ぎまで、ゲームだ隠し芸だと盛り上がったから、全員が客間と居間で潰れているので、座るスペースがない。しょうがないから、普段は荷物置き場と化している台所の食卓に座って、味噌汁をすする。それから思い出して、新聞を取りに行って戻ってきたら、アスランが起きていた。
「まだ、寝てていいぞ。」
「いや、目は覚めました。おはようございます。」
礼儀正しくアスランが挨拶すると、洗面所へ出て行った。それから、歌姫様が起きてきた。こちらは、ちゃんと着替えている。
「三蔵さん、少しお願いがございます。」
「なんだ? 」
「三月二日に、ママの貸し出しをお願いいたします。」
「理由は? 」
「ここから離れてもらいませんと準備ができませんので、本宅に泊まっていただこうと思います。」
三月三日は、極東一部地域、有り体に言うと、キラの出身地域では、女の子の節句というものがあって、店はイベントデーで盛り上がる。だから、その日のおかんはぴばは、盛大にお祝いができない。なので、今年は、二日の真夜中に日付け変更線越えでやってみようと、キラと企画した。それなら、仕事を早めに店じまいしてしまえば、店で、そのままお祝いできるし、その後、ゆっくりと本宅で休ませれば問題はない。今回は、アレルヤとティエリアが一緒だから、前日と当日くらいは、ゆっくりと過ごせばいいだろうという配慮だ。
「もちろん、その夜の店には、ティエリアはサプライズで登場させますが、それまでは自由にさせてさしあげればよろしいかと思います。」
三蔵は誕生日なんてものに興味はない。女房のも、悟空にプレゼント代のカンパはしているが、祝いの言の葉を送ったこともないし、何か贈ったこともない。女房のほうも、亭主の誕生日に言葉とケーキを用意するぐらいで、他には大袈裟にはしない。それぐらいで、年相応だとどちらも思っている。だから、当日いなくても、別に困らない。
「そういうことなら構わないぞ。」
「ありがとうございます。」
ぺこりとお辞儀して、歌姫様も暖かい味噌汁をよそい、それからコップに水を用意する。
「ダウンしたか? 」
「はい、少しお熱がありますから、クスリを飲んで休んで頂きます。」
仕事、外出、お祝いの準備と三連荘すると、さすがに、今のニールには無理がある。今日明日ぐらいは大人しいだろう。
「あ、やっぱりですか。俺が支えに行きます。」
「しょうがないよなあ。ねーさんも気合は入りまくってたもんなあ。」
「ラクス、果物も持ってくから、クスリ飲ませるの待っててくれ。」
途中で、シンとレイと行きあったので、そうして、二人も動き出す。抱き込まれていたティエリアが気付いたので、となりの歌姫に報告して来た。今は、ティエリアが様子を見ている。
飲みすぎで沈没したアレルヤとキラは、まだ客間で、すやすやと夢の中だが、それ以外は起きたらしい。悟空も、その会話に混じっている。すったかたあーと台所へ走りこんできて、冷蔵庫から昨晩のフルーツ盛り合わせを取り出して、適当に小さい皿に移している。発熱していると固形物は口にしない。果物ぐらいなら、なんとかなる。胃に何か入れて薬を飲ませないと、余計に具合が悪くなるからのことだ。先に、シンとレイが食べられそうなポテトサラダとアイリッシュシチューは運んでいたから、悟空が、それを用意する。とりあえず、なんでもいいから詰めておくに限る。
「今日明日はダメらしいぞ、サル。」
「まあ、しょうがねぇーよ。まあいいじゃん。アレルヤとティエリアがいるから、すぐに復活するよ、さんぞー。」
マイスター組が来ているから、気落ちさせなくて済むから回復は早い。今日は、昨日の残りものが、盛り沢山にあるから食事の心配もない。だから、悟空も、あまり心配していない。五年分のケーキの成果を感じて、気が抜けたんだから、それはそれでよかったと思っている。
果物を準備したら、洗面所から出てきたアスランと行きあった。そこで、おかんの状態を説明して、キラには早々にお引取り願えるように頼んだ。さすがに、こういう時に天然電波は毒だからだ。アスランも、そういうことなら、と、頷いた。
そんな会話をしていたら、ちったかっちったかとミニティエリアが、廊下を走ってて、おもむろに客間の障子を開いた。
「ありぃりゅやぁーーっっ、おきるにゃああっっ。」
とおっと、アレルヤの腹に飛び乗ったが、さすが、超兵、びくともしない。ちっっと舌打ちして、アレルヤの腹の上で、どったんばったんと跳ね上がったら、ようやく目を覚ました。そして、ついでとばかりに、キラにもジャンプして腰の辺りに着地したら、こちらは、ぐえっと、カエルのひしゃげような声がした。
「ティエリア、そんな乱暴なことはよせっっ。キラ、大丈夫か? 」
「それで、ママと間男の組み合わせも、いかがなものかと思いますよ? 」
「こっちには、ティエリアもいるんだから、いいんだよ。」
「私くしだけが、はみ出されているみたいで悲しいです。だいたい、ママは勝手です。たまに、私のベッドへ忍んでいらっしゃるのに、こういう時だけダメっておっしゃるのは、納得がいきません。」
「・・・ラクス・・・・それ、語弊が、ある発言なんだが? 」
「事実でございますわ。」
まあ、確かに子猫たちが帰ると、気分的に落ち込むので、誰かと布団を並べて数日、寝てもらうようにしている。で、歌姫のところに滞在していると、相手が限定されて、歌姫のキングサイズのベッドという広さに、まあいいか、なんて、横に転がったりはしている。しているが、それだけだ。それ以上のことに、三年以上しても展開していない清い関係が続いている。ほぼ、おかんと娘というスタンスが崩れていないのだ。歌姫様にとって、ニールは男性という枠には該当しなくなっているからのことだ。
「もういいじゃねぇーか、ママニャン。おまえ、あっちで、オーナーとミニと一緒に寝て来い。」
ハイネも、その事実を知っているから、手を振って追い出す。さすがに、かなり飲んだので、こっちもお陀仏寸前だった。さあ、参りましょう、なんて、歌姫が手を引くと、親猫も渋々、ティエリアをだっこして後に続く。
翌日は、日曜日で、店も休みなので、坊主とその女房以外は朝寝坊の日になっている。さすがに、昨日の騒ぎで疲れた寺の女房は、沈没しているらしく起きてくる気配がない。台所には残りものがラップして置かれているから、朝メシには事欠かない。ちゃんと、白ご飯はタイマーで炊いてあるし、味噌汁もミソを溶けばいいようになっている。至れり尽くせりの手配をされているので、坊主は、味噌汁の仕上げだけして、メシに取り掛かる。真夜中過ぎまで、ゲームだ隠し芸だと盛り上がったから、全員が客間と居間で潰れているので、座るスペースがない。しょうがないから、普段は荷物置き場と化している台所の食卓に座って、味噌汁をすする。それから思い出して、新聞を取りに行って戻ってきたら、アスランが起きていた。
「まだ、寝てていいぞ。」
「いや、目は覚めました。おはようございます。」
礼儀正しくアスランが挨拶すると、洗面所へ出て行った。それから、歌姫様が起きてきた。こちらは、ちゃんと着替えている。
「三蔵さん、少しお願いがございます。」
「なんだ? 」
「三月二日に、ママの貸し出しをお願いいたします。」
「理由は? 」
「ここから離れてもらいませんと準備ができませんので、本宅に泊まっていただこうと思います。」
三月三日は、極東一部地域、有り体に言うと、キラの出身地域では、女の子の節句というものがあって、店はイベントデーで盛り上がる。だから、その日のおかんはぴばは、盛大にお祝いができない。なので、今年は、二日の真夜中に日付け変更線越えでやってみようと、キラと企画した。それなら、仕事を早めに店じまいしてしまえば、店で、そのままお祝いできるし、その後、ゆっくりと本宅で休ませれば問題はない。今回は、アレルヤとティエリアが一緒だから、前日と当日くらいは、ゆっくりと過ごせばいいだろうという配慮だ。
「もちろん、その夜の店には、ティエリアはサプライズで登場させますが、それまでは自由にさせてさしあげればよろしいかと思います。」
三蔵は誕生日なんてものに興味はない。女房のも、悟空にプレゼント代のカンパはしているが、祝いの言の葉を送ったこともないし、何か贈ったこともない。女房のほうも、亭主の誕生日に言葉とケーキを用意するぐらいで、他には大袈裟にはしない。それぐらいで、年相応だとどちらも思っている。だから、当日いなくても、別に困らない。
「そういうことなら構わないぞ。」
「ありがとうございます。」
ぺこりとお辞儀して、歌姫様も暖かい味噌汁をよそい、それからコップに水を用意する。
「ダウンしたか? 」
「はい、少しお熱がありますから、クスリを飲んで休んで頂きます。」
仕事、外出、お祝いの準備と三連荘すると、さすがに、今のニールには無理がある。今日明日ぐらいは大人しいだろう。
「あ、やっぱりですか。俺が支えに行きます。」
「しょうがないよなあ。ねーさんも気合は入りまくってたもんなあ。」
「ラクス、果物も持ってくから、クスリ飲ませるの待っててくれ。」
途中で、シンとレイと行きあったので、そうして、二人も動き出す。抱き込まれていたティエリアが気付いたので、となりの歌姫に報告して来た。今は、ティエリアが様子を見ている。
飲みすぎで沈没したアレルヤとキラは、まだ客間で、すやすやと夢の中だが、それ以外は起きたらしい。悟空も、その会話に混じっている。すったかたあーと台所へ走りこんできて、冷蔵庫から昨晩のフルーツ盛り合わせを取り出して、適当に小さい皿に移している。発熱していると固形物は口にしない。果物ぐらいなら、なんとかなる。胃に何か入れて薬を飲ませないと、余計に具合が悪くなるからのことだ。先に、シンとレイが食べられそうなポテトサラダとアイリッシュシチューは運んでいたから、悟空が、それを用意する。とりあえず、なんでもいいから詰めておくに限る。
「今日明日はダメらしいぞ、サル。」
「まあ、しょうがねぇーよ。まあいいじゃん。アレルヤとティエリアがいるから、すぐに復活するよ、さんぞー。」
マイスター組が来ているから、気落ちさせなくて済むから回復は早い。今日は、昨日の残りものが、盛り沢山にあるから食事の心配もない。だから、悟空も、あまり心配していない。五年分のケーキの成果を感じて、気が抜けたんだから、それはそれでよかったと思っている。
果物を準備したら、洗面所から出てきたアスランと行きあった。そこで、おかんの状態を説明して、キラには早々にお引取り願えるように頼んだ。さすがに、こういう時に天然電波は毒だからだ。アスランも、そういうことなら、と、頷いた。
そんな会話をしていたら、ちったかっちったかとミニティエリアが、廊下を走ってて、おもむろに客間の障子を開いた。
「ありぃりゅやぁーーっっ、おきるにゃああっっ。」
とおっと、アレルヤの腹に飛び乗ったが、さすが、超兵、びくともしない。ちっっと舌打ちして、アレルヤの腹の上で、どったんばったんと跳ね上がったら、ようやく目を覚ました。そして、ついでとばかりに、キラにもジャンプして腰の辺りに着地したら、こちらは、ぐえっと、カエルのひしゃげような声がした。
「ティエリア、そんな乱暴なことはよせっっ。キラ、大丈夫か? 」
作品名:こらぼでほすと 再来7 作家名:篠義