【カイハク】機械仕掛けの神
「機械仕掛けの神」
森に立ち入ってはならない
森の奥にある城は、呪われた城主が支配する
彼の眠りを妨げてはならない
立ち入る者には死を
村には大いなる災いを
柱時計の打つ鐘の音に、魔道人形のハクは書斎へ向かう。開けっ放しの扉をノックし、書物に埋もれている主人のレリクに声を掛けた。
「マスター、お食事の支度が出来ました」
「ありがとう。すぐ行くよ」
明るい声に、ハクも笑顔を向ける。
都での権力争いに嫌気が差したレリクが、この村に移住して一年になる。あの頃の暗い顔を思い出すと、ハクはレリクがこの村に移って本当に良かったと感じていた。
台所でお湯を沸かしながら、ハクはふと顔を上げる。視線の先には窓があり、外には暗い森が広がっていた。
決して立ち入ってはならぬ森。呪われた城主が支配するという、邪悪な森だ。
森に立ち入った者は城主の呪いで蝋人形に変えられ、村には大いなる災いが降り懸かると言い伝えられており、村人達は決して近づこうとしなかった。
ハクは恐ろしい言い伝えに身震いし、視線を逸らす。
森に近づかなければ、呪いは降り懸からない。ハクは自分にそう言い聞かせ、火を止めた。
森に立ち入ってはならない
森の奥にある城は、呪われた城主が支配する
彼の眠りを妨げてはならない
立ち入る者には死を
村には大いなる災いを
柱時計の打つ鐘の音に、魔道人形のハクは書斎へ向かう。開けっ放しの扉をノックし、書物に埋もれている主人のレリクに声を掛けた。
「マスター、お食事の支度が出来ました」
「ありがとう。すぐ行くよ」
明るい声に、ハクも笑顔を向ける。
都での権力争いに嫌気が差したレリクが、この村に移住して一年になる。あの頃の暗い顔を思い出すと、ハクはレリクがこの村に移って本当に良かったと感じていた。
台所でお湯を沸かしながら、ハクはふと顔を上げる。視線の先には窓があり、外には暗い森が広がっていた。
決して立ち入ってはならぬ森。呪われた城主が支配するという、邪悪な森だ。
森に立ち入った者は城主の呪いで蝋人形に変えられ、村には大いなる災いが降り懸かると言い伝えられており、村人達は決して近づこうとしなかった。
ハクは恐ろしい言い伝えに身震いし、視線を逸らす。
森に近づかなければ、呪いは降り懸からない。ハクは自分にそう言い聞かせ、火を止めた。
作品名:【カイハク】機械仕掛けの神 作家名:シャオ