機動戦士ガンダムRS 第15話 それぞれの孤独
キラは、エールストライカーのスラスターを最大にしアークエンジェルに向かっていた。
しかし突然エールストライカーが爆発した。
エールストライカーパックが大気圏突入の際に発生した熱エネルギーに耐え切れず爆発したのだった。
その爆発で高出力スラスターを失ったストライクガンダムは、なすすべなく大気圏に引き込まれてしまった。
※
キラの危険を感じたのかトリィが反応した。
※
アークエンジェルの医務室では、高熱を出したキラ少尉がうなされながら眠っていた。
「キラ」
キラ少尉をフレイ二等兵とミリアリア二等兵が看病していた。
フレイ二等兵は、掛け布団から出た腕を中にいれ布団を掛けなおした。
「熱が下がらない。
どうしよう?」
フレイ二等兵は、慌てふためいていた。
「先生は、どこ行ったんだろう」
ミリアリア二等兵は、医者の所在を気にしていた。
しかしこのアークエンジェルには、キラに匹敵あるいはそれ以上の重傷がいた。
それは、イザーク大尉だった。
イザーク大尉は、顔の右側をモニターの破片で傷ついており先の治療も簡単な消毒と止血しか行われていなかった。
そのため右目が見えなくなっている可能性もあった。
そのため医者は、優先的にイザーク中尉を診ていた。
※
アークエンジェルの艦長室では、フラガ少佐とラミアス艦長が現在地を話していた。
「ここがアラスカ。
そしてここが現在地」
フラガ少佐が指差したのは、地球軍のビクトリア基地からキリマンジャロ山方面に向かった地球軍のキンバライド基地である。
ここは、「沙漠の虎」ことアンドリュー・バルトフェルド大佐が指揮している。
「でもよかったぜ。
運よく勢力圏内に下りられて」
フラガ少佐は、そういった。
「そうですね。
あの時サオトメがストライクを救助していなければどうなっていたか」
ラミアス艦長は、コーヒーを飲んでそういった。
フラガ少佐自身いまだあのときの出来事を信じられなかった。
※
キラは、ストライクガンダムの中でわれに返った。
コックピット内は、ものすごい温度になり警告音が鳴りっぱなしだった。
そして自分とストライクガンダムがどうして今の状況になったのかを思い出しこれからどうすべきかをすばやく考えた。
するとストライクガンダムの姿勢をただしシールドを前にするとそのまま大気圏突入を試みた。
しかしシールドは、熱に耐え切れず解け始めた。
※
それは、ガンダムサイガーでも確認できた。
「あいつは、あのまま大気圏に突入する気か?」
サオトメは、ガンダムサイガーのスラスターを使って換装型ガンダムに近づいた。
しかし通常出力のスラスターでは、機体を動かせないため最大稼動モードで動かした。
※
ストライクガンダムの動きは、アークエンジェルでも確認できた。
「あのまま下りる気か?」
バジルール副艦長は、キラの行為に目を見張った。
「本艦とストライクの突入角に差異。
このままでは、降下地点を大きくずれます。
予想突入ポイントは、ジャブローです」
ロメロ軍曹の報告に皆が驚いた。
「キラ、キラ。
戻れないの?
艦に戻って」
ミリアリア二等兵は、必死にキラに呼びかけた。
「無理だ。
ストライクの推力では、もう不可能だ」
バジルール副艦長は、冷たくそういった。
「ガンダムサイガー、ストライクに接近」
ロメロ軍曹の報告に皆は、ストライクガンダムの最期を感じた。
※
サオトメは、換装型ガンダムの下にガンダムサイガーを持ってきた。
「キラ、聞こえるか?
理由は、いえないがこのガンダムサイガーは大気圏突入の際自由に移動可能なんだ。
その機能を使ってお前を母艦に帰す」
サオトメは、接触回線を開いてそういった。
「どうして?」
キラは、弱弱しくそう聞いてきた。
「ライバルを見殺すなんて俺には、できないからさ」
サオトメは、そう答えてアーガマもどきに向かった。
アーガマもどき近くに到着すると艦上にいた赤いガンダムが手を伸ばした。
換装型ガンダムも手を伸ばし赤いガンダムが換装型ガンダムの手をつかむと自分のほうへ引き寄せた。
それを見送るとサオトメは、η艦隊のほうへ帰った。
※
キラは、高熱のコックピット中で意識が朦朧となっていた。
そのときガンダムサイガーがストライクガンダムを高熱から護るように下についた。
「キラ、聞こえるか?
理由は、いえないがこのガンダムサイガーは大気圏突入の際自由に移動可能なんだ。
その機能を使ってお前を母艦に帰す」
キラは、サオトメが何を言っているのかわからなかった。
今わかっているのは、サオトメが自分を助けようとしている。
ただそれだけだった。
「どうして?」
キラは、弱弱しくそう聞いてきた。
「ライバルを見殺すなんて俺には、できないからさ」
サオトメは、そう答えたがキラはそれを聞く余裕がなかった。
アークエンジェル近くに着くとイージスガンダムがこちらに手を伸ばしていた。
するとキラもストライクガンダムの手を伸ばさせた。
そしてイージスガンダムがストライクガンダムの手をつかむと自分のほうへ引き寄せた。
ストライクガンダムは、無事アークエンジェルに着艦した。
※
それは、アークエンジェルでも着艦できた。
「ストライク、着艦」
ロメロ軍曹の報告にブリッジは、歓喜に包まれた。
※
「ともかく本艦の目的および目的地に変更は、ありません」
ラミアス艦長は、弱弱しく言った。
完全に疲れきっていた。
「大丈夫か?」
フラガ少佐は、いすに座るとラミアス艦長を気遣った。
「ええ」
「副長さんとも?」
その質問にラミアス艦長は、少し動揺した。
正直言えばあまり大丈夫では、ない。
「大丈夫よ」
しかしラミアス艦長は、強がった。
「ならオッケーだ」
そしてフラガ少佐は、コーヒーを飲み干した。
「さてとちょっと坊主の様子見て俺は、寝るよ。
あんたももう寝な。
艦長がそんなにクタクタのボロボロじゃどうにもならないぜ」
そういうとフラガ少佐は、艦長室を後にした。
※
医務室では、キラ少尉の看病をフレイ二等兵が続けていた。
医者は、イザーク大尉の診察を終え医務室に戻っていた。
「だから感染症の熱じゃないし内臓にも特に問題は、ない。
今は、とにかく水分を取らせて出来るだけ体を冷やしておく他ないでしょう」
医者に言わせれば特に問題ないということだった。
「でも」
しかし突然エールストライカーが爆発した。
エールストライカーパックが大気圏突入の際に発生した熱エネルギーに耐え切れず爆発したのだった。
その爆発で高出力スラスターを失ったストライクガンダムは、なすすべなく大気圏に引き込まれてしまった。
※
キラの危険を感じたのかトリィが反応した。
※
アークエンジェルの医務室では、高熱を出したキラ少尉がうなされながら眠っていた。
「キラ」
キラ少尉をフレイ二等兵とミリアリア二等兵が看病していた。
フレイ二等兵は、掛け布団から出た腕を中にいれ布団を掛けなおした。
「熱が下がらない。
どうしよう?」
フレイ二等兵は、慌てふためいていた。
「先生は、どこ行ったんだろう」
ミリアリア二等兵は、医者の所在を気にしていた。
しかしこのアークエンジェルには、キラに匹敵あるいはそれ以上の重傷がいた。
それは、イザーク大尉だった。
イザーク大尉は、顔の右側をモニターの破片で傷ついており先の治療も簡単な消毒と止血しか行われていなかった。
そのため右目が見えなくなっている可能性もあった。
そのため医者は、優先的にイザーク中尉を診ていた。
※
アークエンジェルの艦長室では、フラガ少佐とラミアス艦長が現在地を話していた。
「ここがアラスカ。
そしてここが現在地」
フラガ少佐が指差したのは、地球軍のビクトリア基地からキリマンジャロ山方面に向かった地球軍のキンバライド基地である。
ここは、「沙漠の虎」ことアンドリュー・バルトフェルド大佐が指揮している。
「でもよかったぜ。
運よく勢力圏内に下りられて」
フラガ少佐は、そういった。
「そうですね。
あの時サオトメがストライクを救助していなければどうなっていたか」
ラミアス艦長は、コーヒーを飲んでそういった。
フラガ少佐自身いまだあのときの出来事を信じられなかった。
※
キラは、ストライクガンダムの中でわれに返った。
コックピット内は、ものすごい温度になり警告音が鳴りっぱなしだった。
そして自分とストライクガンダムがどうして今の状況になったのかを思い出しこれからどうすべきかをすばやく考えた。
するとストライクガンダムの姿勢をただしシールドを前にするとそのまま大気圏突入を試みた。
しかしシールドは、熱に耐え切れず解け始めた。
※
それは、ガンダムサイガーでも確認できた。
「あいつは、あのまま大気圏に突入する気か?」
サオトメは、ガンダムサイガーのスラスターを使って換装型ガンダムに近づいた。
しかし通常出力のスラスターでは、機体を動かせないため最大稼動モードで動かした。
※
ストライクガンダムの動きは、アークエンジェルでも確認できた。
「あのまま下りる気か?」
バジルール副艦長は、キラの行為に目を見張った。
「本艦とストライクの突入角に差異。
このままでは、降下地点を大きくずれます。
予想突入ポイントは、ジャブローです」
ロメロ軍曹の報告に皆が驚いた。
「キラ、キラ。
戻れないの?
艦に戻って」
ミリアリア二等兵は、必死にキラに呼びかけた。
「無理だ。
ストライクの推力では、もう不可能だ」
バジルール副艦長は、冷たくそういった。
「ガンダムサイガー、ストライクに接近」
ロメロ軍曹の報告に皆は、ストライクガンダムの最期を感じた。
※
サオトメは、換装型ガンダムの下にガンダムサイガーを持ってきた。
「キラ、聞こえるか?
理由は、いえないがこのガンダムサイガーは大気圏突入の際自由に移動可能なんだ。
その機能を使ってお前を母艦に帰す」
サオトメは、接触回線を開いてそういった。
「どうして?」
キラは、弱弱しくそう聞いてきた。
「ライバルを見殺すなんて俺には、できないからさ」
サオトメは、そう答えてアーガマもどきに向かった。
アーガマもどき近くに到着すると艦上にいた赤いガンダムが手を伸ばした。
換装型ガンダムも手を伸ばし赤いガンダムが換装型ガンダムの手をつかむと自分のほうへ引き寄せた。
それを見送るとサオトメは、η艦隊のほうへ帰った。
※
キラは、高熱のコックピット中で意識が朦朧となっていた。
そのときガンダムサイガーがストライクガンダムを高熱から護るように下についた。
「キラ、聞こえるか?
理由は、いえないがこのガンダムサイガーは大気圏突入の際自由に移動可能なんだ。
その機能を使ってお前を母艦に帰す」
キラは、サオトメが何を言っているのかわからなかった。
今わかっているのは、サオトメが自分を助けようとしている。
ただそれだけだった。
「どうして?」
キラは、弱弱しくそう聞いてきた。
「ライバルを見殺すなんて俺には、できないからさ」
サオトメは、そう答えたがキラはそれを聞く余裕がなかった。
アークエンジェル近くに着くとイージスガンダムがこちらに手を伸ばしていた。
するとキラもストライクガンダムの手を伸ばさせた。
そしてイージスガンダムがストライクガンダムの手をつかむと自分のほうへ引き寄せた。
ストライクガンダムは、無事アークエンジェルに着艦した。
※
それは、アークエンジェルでも着艦できた。
「ストライク、着艦」
ロメロ軍曹の報告にブリッジは、歓喜に包まれた。
※
「ともかく本艦の目的および目的地に変更は、ありません」
ラミアス艦長は、弱弱しく言った。
完全に疲れきっていた。
「大丈夫か?」
フラガ少佐は、いすに座るとラミアス艦長を気遣った。
「ええ」
「副長さんとも?」
その質問にラミアス艦長は、少し動揺した。
正直言えばあまり大丈夫では、ない。
「大丈夫よ」
しかしラミアス艦長は、強がった。
「ならオッケーだ」
そしてフラガ少佐は、コーヒーを飲み干した。
「さてとちょっと坊主の様子見て俺は、寝るよ。
あんたももう寝な。
艦長がそんなにクタクタのボロボロじゃどうにもならないぜ」
そういうとフラガ少佐は、艦長室を後にした。
※
医務室では、キラ少尉の看病をフレイ二等兵が続けていた。
医者は、イザーク大尉の診察を終え医務室に戻っていた。
「だから感染症の熱じゃないし内臓にも特に問題は、ない。
今は、とにかく水分を取らせて出来るだけ体を冷やしておく他ないでしょう」
医者に言わせれば特に問題ないということだった。
「でも」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第15話 それぞれの孤独 作家名:久世秀一