二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 6

INDEX|11ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

 たまりかねたジェラルド達が試合場へ駆け上ってきた。
「ロビン、止めるんだ!お前の勝ちだ!」
 ジェラルドはロビンを抑え込もうと近付いたが、エナジーに跳ね返されてとても近付けない。
 ロビンはジェラルドを睨んだ。
「邪魔をするな…」
 ジェラルドは己が目を疑った。
「ロビン、なのか…?」
 友の姿はジェラルドの知るものではなかった。ただ人を殺すことだけを生きる目的とする、そんな人殺しの目をしていた。
 ジェラルドはそんなロビンの冷徹な目に恐怖を覚えた。見るもの全てに恐怖の感情を持たせる、そんな目である。
「安心しろ…貴様を殺しはしない…」
 言動もロビンのものではない。ロビンは続けた。
「貴様はこの女を殺した後だ…」
 力はついに最大に達し、一際大きな光を放つとロビンは見たことのないエナジーを発動した。
『オデッセイ!』
 ロビンが剣を横に振りかざすと剣に『ラグナロック』を遥かに上回る巨大な剣が姿を現した。
「何人たりとも、オレの邪魔はさせぬ…」
 ロビンはリョウカ目掛けて走り出した。
 あれほど巨大な剣で貫かれたらさすがのリョウカでも助からない。仲間の危機を分かっているのに恐怖でジェラルドは声が出せない。
 ついにロビンは冷徹な笑いを上げながら、リョウカに飛びかかった。
 ジェラルドは恐怖を押し込めて大声を揚げた。
「止めろぉぉ!ロビーン!!」
 ロビンははっとなった。
「オレは…一体?」
 時がゆっくり流れるような気がした。
 全身に風を感じる。自分は空中にいる。ではなぜ空中にいるのか、眼下の地上にはリョウカが光の剣に刺し貫かれている。自分の剣には、見たことのないエナジーでできた巨大な剣が宿っている。
「っ!?」
 ロビンは全てを判断した。このまま行けばこの巨大な剣はリョウカを刺し貫く、いや、骨も残らないほどに粉々に砕いてしまうかもしれない。
 しかし、空中ではどうすることもできなかった。
「うわああああ!!」
 ロビンは悲鳴を上げながら巨大な剣ごと地面に落ちた。
 巨大な剣は地面に落ちると『ラグナロック』を凌ぐ大爆発を起こした。
 爆風はコロッセオ中に巻き起こった。殊に試合場にいた者は皆吹き飛ばされ、観客席からは様々な物が飛んでいった。
 しばらくして爆風は止み、土煙もだんだん晴れてきた。
「う、うう…」
 ジェラルド達は試合場から遠くまで吹き飛ばされていた。
「大丈夫ですか?ジェラルド、イワン」
 メアリィは起き上がり訊ねた。
「ああ、オレは大丈夫だ。イワンは?」
「ボクも平気です」
 ジェラルドは起き上がり、土煙の晴れていく試合場を見た。次第に視界がはっきりしてくると、剣を持って片膝をつくロビンと横たわっているリョウカが見て取れた。
「ロビン、リョウカ!」
 三人は試合場へと駆け寄った。試合場に上がるとジェラルドはリョウカを抱き起こした。
「おい、リョウカ、リョウカ!しっかりしろ…」
 ジェラルドはリョウカの鼻先に手を当てた。息はしている。
 次に手首を握った。とても弱いが、ちゃんと脈もある。
「良かった…生きてる」
 ジェラルドは安心して大きくため息をついた。
「ジェラルド…」
 ロビンがジェラルドを呼んだ。
 ジェラルドははっとして、警戒しながらロビンを見た。先ほどまでの殺気は消え失せ、赤く輝いていた目も普段の青色に戻っていた。
「ロビン、ロビンだよな?」
 ロビンは答えなかった。変わりに質問を投げ掛けてきた。
「リョウカは…?」
「大丈夫だ、生きてるよ。おいメアリィ、リョウカの傷を治してくれ」
「はい」
 ジェラルドはリョウカを横たえた。するとメアリィはすぐに回復を始めた。
「そうか…、良かっ…た…」
 ロビンは地面に倒れ込んだ。
「ロビン!」
 イワンは駆け寄った。ロビンは固く目を閉じたまま動かない。イワンは呼吸の確認をした。
「そんな…」
「ロビン!一体どうしたんだイワン?ロビンは」
「ロビンが…、息をしてないんです!」
「何だって!?」
 今度はジェラルドが脈の確認をした。脈はあるが、非常に弱々しい。
「メアリィ、こっちにも早く回復を!」
「待ってください。まだリョウカは完全に傷が塞がっていませんわ」
「くそ!オレにも回復ができれば…」
 ロビンは体には傷を負っていない。ロビンに異変が起こった時に全て塞がったからだ。しかし、エナジストは何らかの要因で自分の持つ能力以上のエナジーを使うと生命力をも使ってしまい、死に至るのである。
 実際ロビンは先ほどそのようなエナジーを使った。あれほどのエナジーを使うことは並一通りではない。死に至ってしまってもおかしくない。
 このことはジェラルドにも分かっている。
「おい、ロビン!何いつまでも寝てんだよ!起きろよ…、これでお別れなんて…嫌だからな…!」
 ロビンの死の危機を感じ、ジェラルドは涙ぐんだ。目に一杯貯まった涙が溢れ、頬を伝い、流れるとロビンの頬に当たった。すると信じられないが起きた。
「…くぅ」
 それはロビンの咽奥より発せられた音である。
「?」
 ジェラルドの涙は止まった。
「…ぐぉぉ!」
 次の音で合点がいった。そしてジェラルドは泣いていた自分が馬鹿らしくなった。
 ロビンが発した音は鼾であった。
「ジェラルド、ロビンは?」
 メアリィは言った。
「リョウカの回復は終わったのか?」
「ええ、たった今終わりましたわ」
「そうか、じゃあもういいぜ」
「え、いいのですか?」
「ああ、このバカ、本当にただ寝てるだけだからな」
 ジェラルドはロビンを指差した。ロビンは相変わらず大鼾をかいて眠っている。
「あ、ああ、それなら大丈夫そうですわね…」
 メアリィは苦笑した。
「あれほど大きなエナジーを使った後ですわ、よっぽど疲れたのでしょうね」
「全く、人騒がせなやつだぜ…」
「このまま寝かせておいてあげましょう」
 その後改めて審判よりロビンの勝利が宣言された。晴れてロビンは大陸一の戦士となった。
 これまでずっと静まり返っていた観客達が今回のコロッセオの中で一番の歓声に包まれ、いつまでも優勝者のロビンの名前のコールが止まらなかった。
 こうして大波乱の決勝戦が終わり、コロッセオは幕を閉じた。
 コロッセオの上空に青緑の髪をした男がコロッセオを見つめていた。
「シバを上手いこと連れ出せたので暇つぶしに来てみれば…」
 長髪ををゆらゆらと揺らめかせながらアレクスは宙を舞っていた。
「ロビン、ふふふ…しばらく見ないうちにずいぶん強くなったようですね」
 アレクスは念じると空間から姿を消した。
――ヴィーナス灯台で会えるのを、楽しみにしていますよ――
 アレクスの笑い声だけが虚空に残っていた。