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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 7

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第21章 迫り来る宿命


 竜巻が砂嵐を引き起こしながら巻き起こっている。この砂漠一帯の砂嵐はこの竜巻が原因であったようだ。
 スハーラ砂漠に起こっている竜巻のせいで、何人もの人々が巻き込まれ、砂漠を越えられずにいる。
 しかし、竜巻に巻き込まれたとは言っても皆大事には至っておらず、どういうわけかただ砂漠手前の村、スハーラ村に飛ばされるだけで済んでいた。
 ロビン達も一度は何も考えなしに砂漠へ入っていった。
そして案の定、竜巻に巻き込まれ、スハーラ村へと飛ばされた。
 ロビン達はスハーラ村に飛ばされて、そこでトレビの戦士達に出会った。
 ヨデムは驚いていた。
 戦士達はシバ捜索の為にゴンドワナへ派遣された者達だった。二人ともかなり負傷しており、生きているのが不思議なくらいだった。
 しかし、竜巻に巻き込まれただけならばそもそもこれほどまで酷い怪我をするはずがない。案の定彼らは別の原因で負傷していた。
 彼らがシバの捜索の為スハーラ砂漠へ入った時である。彼らの前に男女八人のグループが竜巻の前で何かをしていた。青緑色の髪の男が竜巻に手をかざすと大量の水が竜巻に降り注いだ。
 すると竜巻の砂が全て流れ、中から魔物が現れたという。先ほどの男が今度は氷の塊をその魔物にぶつけ、退治して先へ進んでいった。
 戦士達は樽に沢山の水を汲み、わざと竜巻に巻き込まれた。その瞬間に樽をひっくり返し、水を撒いた。
するとやはり魔物が現れた。
 彼らはその魔物と戦った。しかし、魔物はとてつもなく強く、あっさりとやられてしまった。
 その後再び竜巻と化した魔物に巻き込まれ、スハーラ村へ飛ばされた。
 戦士のうち一人が最後にそのグループの中にシバらしき人を見かけたとヨデムに伝えると、彼は息を引き取った。
 そしてその後ロビン達は戦士達が命懸けで教えてくれた事を無駄にはすまいと、再びスハーラ砂漠へ入り、今竜巻を目の前にしていた。
「この竜巻に水をかければいいんだな?」
 ジェラルドは言った。
「けど、普通にかけても弾かれそうだ」
 リョウカは言った。彼女の言うとおり、竜巻は物凄い速さで回転しており、よほどの水圧がなければ逆に跳ね返されてしまいそうだった。
「よし、オレがわざと竜巻に巻き込まれよう。そうすれば多少は弱くなるはずだし巻き込まれてすぐには飛ばされないからその隙に水を撒いてくれ」
 ロビンは竜巻の前に立った。
「ロビン、危ないですよ!」
 イワンは引き止めた。
「大丈夫。すぐに水を撒いてくれればオレは助かる」
 ロビンは言うと、腕を顔の前にやって、竜巻の中へと飛び込んだ。
「くっ!」
 竜巻の中は息苦しく、身動きが全くとれない。砂が飛び交っていて口に入ってくる。
 ロビンは少しずつ上へ巻き上げられていく。その瞬間叫んだ。
「今だ!」
 メアリィは詠唱した。
『アクア!』 竜巻の上空から水が雨のように降り注いだ。それが竜巻の砂を流し、次第に弱まっていく。竜巻が収まる頃にはロビンと魔物が砂地に立っていた。
「ぺっぺっ!」
 ロビンは口に入った砂を吐き出した。
「これが竜巻の正体みたいだな」
 口元を袖で拭った。
 魔物はロビン達を睨みつけている。その肌は鱗に覆われ、鋭く尖った爪はあらゆる物を切り裂けるほどであり、広い鰓が張っていた。 竜巻トカゲと大昔の人が名付けたらしい。
「行くぞ!」
 ロビンの合図と共に皆それぞれ武器を持った。
 お互いに攻め込んだ。
 最初にロビンが竜巻トカゲに斬りかかった。青い血が飛び散った。
 次にジェラルドが大剣を振った。竜巻トカゲは耳障りな鳴き声を上げて血を出した。
 今度は竜巻トカゲがエナジーを発動してきた。竜巻を巻き起こす『スピン』の強化技、『トルネードスピン』であった。
 ロビン達は一度引いた。
「あんまり近づかない方がいいな」
 ロビンはそのまま距離を置いた。
「っはあ!」
 リョウカは刀に力を込め、十分に貯めると一気に抜きはなった。
 刃の軌道から衝撃波が飛び、竜巻トカゲを切り裂いた。
 力を込め、刀よりエイヤを飛ばす技、名付けて、
「飛鳥刃…」
 竜巻トカゲは腕を一本切断された。これにより竜巻トカゲの動きはだいぶ鈍くなった。
「すげえぜリョウカ!」 ジェラルドは嬉々として言った。
「油断するな、まだ奴は生きてるぞ!」
『ガイア!』
 ロビンは詠唱し、大地のエネルギーを地面から噴き上げた。竜巻トカゲはその中で砕けていった。
「やったな!」
 ジェラルドは喜んでいたが、ロビンとリョウカはまだ顔をしかめていた。
「いや、まだだ。何か来る。分かるか?ロビン」
「ああ、何か大きな力が近づいている…」
 次第にジェラルドにも、後ろで援護するイワン達にも分かってきた。
 大きな竜巻がロビン達に近づいてきた。先ほどの竜巻トカゲのものとは比べ物にならない程である。
 竜巻はロビン達の前で止まると、恐ろしい形相をした魔物が竜巻の中から現れた。
「どうやら、こいつが親玉らしいぜ…」
 ロビンは言った。
 魔物の姿形は竜巻トカゲとそっくりであった。しかし、大きさや肌の色が違う。緑色の肌をしており、鱗は更に頑強そうであった。
 瞳は蛇のように細く、かなり怒っているのが分かった。
 砂漠の悪魔の名はフラップリザード。竜巻トカゲを生み出す魔物でもある。
 どうやら、先ほど倒した竜巻トカゲはフラップリザードの子供だったようで、子を殺された事の怒りでここに現れたようだった。
「みんな、気を付けろ。こいつかなり強いぞ…」
 ロビン達が身構えると同時にフラップリザードは攻めてきた。
 その巨体で素早く飛び込み、鋭い爪を突き出してきた。
 ロビン達はどうにか左右にそれぞれかわした。フラップリザードの爪がぶつかった岩が真っ二つに切り裂かれた。
「あんな爪に当たったらひとたまりもないぜ…」
 ジェラルドは冷や汗を流した。
 ロビンはフラップリザードに駆け寄って腹部に剣を振るった。竜巻トカゲの時は斬れたというのに傷一つ与えることができなかった。
 フラップリザードは腕でロビンを邪魔な虫を振り払うかのように薙払った。
 ロビンは身を屈めて腕をかわし、地面に手をついた。
『スパイア!』
 土の槍がフラップリザード目掛けて突き出た。魔物は驚きながらも腕で土の槍を打ち砕いた。
 その隙にロビンは後ろに下がった。
「奴に剣は通用しないのか…」
 リョウカは刀に力を込め、抜きはなった。
「飛鳥刃!」
 刀から発せられた衝撃波が刃となってフラップリザードを襲った。しかし魔物は片腕でいとも簡単に受け止めた。受けた腕には傷一つついていない。
「これでも斬れないなんて…!」
 フラップリザードはエナジーを発動してきた。激しい磁気嵐で電流が渦を巻く。『レイデストラクト』という『レイ』の最大エナジーである。
 磁気嵐の広がる範囲は『レイストーム』を軽く超えていた。
「イワン、『レジスト』だ!」 ロビンは避けられないと判断し、大声で叫んだ。
『レジスト!』
 ロビン達をエナジー封じのバリアが包み込んだ。しかし、電流がぶつかるとすぐにバリアにひびが入ってしまった。
『レジスト!』