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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 7

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 リョウカも発動した。新たなバリアが発生し、ひびは修復された。しかし、エナジーは強力で、気を抜けば簡単に破られそうだった。
 やがてフラップリザードのエナジーは収まり、バリアも解除された。
 フラップリザードはギリギリで磁気嵐を防いでいたのを悟っているのか、余裕の表情を浮かべていたが、ロビン達には余裕などなかった。
 イワンは地に膝をついた。それほどまでに魔物のエナジーを防ぐのは大変だったのだ。
「イワン、大丈夫か!?」
「ええ、あのエナジー、かなり強力だったので立ち眩みが…、でも大丈夫です。まだ戦えます」
 イワンはどうにか立ち上がった。イワンがこの様子では次が来たら恐らく防ぎきれないであろう。
 ロビンは前を見た。フラップリザードは勝利を確信しているのか、ゆっくりと歩み寄って来ている。
 剣は通用しない。とすればエナジーで一気に決めるしかない。しかし、相手もかなり素早い動きができる。普通に当てようとしても当たらない。どうにかフラップリザードの動きを止められないものか。
――動きを、止める?そうか!――
 ふと、ロビンはあることを思い出した。
 そしてメアリィを呼んだ。
「メアリィ、協力してくれ。奴を倒すには君の力が必要だ」
「私が、どうすれば?」
 ロビンは先ほど立てた作戦を教えた。
「そんな事、私にできるでしょうか?」
「大丈夫、オレ達が何とかする。奴の動きを止めるにはこれしかない」
「分かりました。ロビンを信じるわ…」
「飛鳥刃!」
 フラップリザードはものともしない。
 リョウカとジェラルドは武器を構えたまま歯噛みをしつつ、なす術なくをフラップリザードを見つめるしかできなかった。
「リョウカ、ジェラルド!」
 ロビンは二人の間に駆け寄った。
「これからオレの言うとおりにエナジーを使ってくれ」
「何か考えがあるのか?」
 リョウカが訊ねた。
「ああ、頑丈で素早い奴を消し去るにはこれしかない」
「分かった、言うとおりにしよう。それで、私達はどうすればいいんだ?」
 ロビンは伝えた。
「そいつはいい考えだ!よく考えたな」
「よし、じゃあまずジェラルド、頼んだ!」
「任せな!」
 ジェラルドは走ってフラップリザードの前に立ちふさがった。そしてフラップリザードに手をかざし、詠唱した。
『イラプトヴァルカン!』
 太い二本の火柱がフラップリザードの足元より一気に燃え上がった。
 魔物は難なく火柱を飛び退いて避けた。
 その着地の瞬間に次はリョウカが詠唱した。
『フレア!』
 放射状の炎が広がった。しかし、その炎は魔物に直接はぶつからず、手前の地面で爆発を起こした。
 爆風で砂が巻き上げられ、砂煙で魔物の視界を封じた。
「今だメアリィ!」
 ロビンは叫んだ。
 メアリィは聖杖、セイントアンクに力を込め、杖に秘められた力を解放した。
「アンチエナジーレイ!」
 メアリィは砂煙の中からフラップリザード目掛けて杖を横に振るった。魔物は思わぬ方向から攻め入られ、避けられなかった。
 杖から発せられた帯状の光がフラップリザードを縛り付けた。魔物の動きは完全に封じた。
 ロビンの策は成功した。ジェラルドの地面からの大きなエナジーを敢えてかわさせ、着地の瞬間の隙に、リョウカのエナジーの引き起こす爆発で砂煙を立たせ、視界を奪った状態からメアリィの技で魔物を縛り付け動きを封じるというものだった。
 フラップリザードはもう動けない。後はとどめを刺すだけである。
「メアリィ、下がるんだ!」
 メアリィがロビン達の所へ戻ると同時にロビンはエナジーを詠唱した。
『マザーガイア!』
 『ガイア』を凌駕する広範囲かつ強力な大地のエネルギーがフラップリザードを包み込んだ。
 噴き上がるエネルギーの中に、砂、岩諸ともフラップリザードは飲み込まれていく。そして遂には叫び声を残し、体が砕け散っていった。
 大地のエネルギーが止む頃、そこには魔物の骨すらも残っていなかった。魔物の消滅と同時に砂嵐も治まっていた。
「やったぜ!オレ達の勝ちだ!」
 ジェラルドは喜んだ。
「しかし、さすがだな。見事策を成功させるとは、」
 リョウカは素直にロビンを賞賛していた。
「いやいや、みんなのおかげさ」
 ロビンは謙遜するのだった。
「…もう魔物は退治できたのか?」
 少し離れた岩の陰からヨデムが出てきた。
「ああ、もう安心していいぜ」
 ジェラルドが言った。
「そうか、我が戦士を死に至らしめた程の魔物を倒すとは、これで彼らも報われたであろう」
 では先を急ごう、とヨデムが言うとロビン達は砂漠を再び進み始めた。
 魔物の消滅により砂嵐が止んだ後の砂漠はとても進みやすかった。もともと大して暑くもない砂漠であったので暑さにやられることなくすぐに砂漠の出口にさしかかった。
 ジェラルド等が出口だ、やっと抜けましたね、などと言っている中、ヨデムだけが砂漠の方を見ていた。「ヨデムさん、どうしたんですか?」
 ロビンは訊ねた。
「いや、とうとうシバはどこにもいなかったな」
 ヨデムはさらわれたシバを気に掛けていた。
「もしやまだこの砂漠の中を歩いているかと思ったのだが…」
 ヨデムの予想は外れた。ロビンにとっては外れていて良かったと思う。ここでガルシア達に会えば、間違いなく戦いになる。まだ、その戦いへの心の準備は出来ていなかった。
「行こうか、ロビン」 ヨデムとロビンは仲間を追って砂漠を後にした。
    ※※※
 太古の昔、神が立てたという灯台。ゴンドワナに位置する地の灯台ヴィーナス。
 自然を司る地の灯台である事を知らしめるかのように灯台の麓は林になっていた。
 林の中を八人のエナジストが進んでいた。
 林の中では灯台の調査団やその護衛役のトレビの戦士が灯台の周りを調べていた。
 ガルシア達は林の中を進んでいき、ヴィーナス灯台の入り口へさしかかった。
 入り口は人の身長の三倍はあろうかという巨大な扉であり、重く閉ざされていた。
「貴様ら、何者だ!?」 トレビの戦士がガルシア達に気付き、矛先を向けてきた。
「うるさい、どけ」
 サテュロスは脅すように言った。それでも戦士は怯まず槍を突き出してきた。
『マインボム!』
 メナーディがエナジーを発動した。戦士の足元で爆発が起こり、戦士を吹き飛ばした。
「貴様らも邪魔だ」
 メナーディが学者達、調査団を睨むと彼らは怯えた様子を見せた。
 メナーディはエナジーを発動しようとした。
「止めるんじゃメナーディ。学者達に手を出してはいかん!」
 スクレータの制止も虚しくメナーディは詠唱した。
『マインボム!』
 先ほどのように爆発が起こり、学者達を吹き飛ばした。
 彼らは傷を負ったが、命に別状はなかった。
「ひどいことを…」
 スクレータが言うと、メナーディが睨み付けた。
「さあ、ガルシア、この扉を開けるのだ」
 サテュロスに促され、ガルシアは無言で歩き出した。
「兄さん…」
 ジャスミンは心配そうに見つめた。
 ガルシアは扉の前に立ち、誰にともなく訊ねた。
「で、俺はどうすればいい?」
「扉の前でエナジーを使うように念じるのです。私がマーキュリー灯台でやったように」