黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 7
「ギョルギス殿、ご安心を、その扉きっとこのロビン達が開けましょう」
ヨデムはギョルギスに後ろに控えていたロビン達を見せた。
「まだ子供じゃないか、本当にこの者達でこの扉を開けるのか?」
「いや、この者達には特殊な力がありまして」
「特殊な力?」
ギョルギスはロビンを見て訊ねた。
「ロビンと言ったか、お前達が本当にこの扉を開けるのか?」
ロビンは答えた。
「はい、きっと開けるでしょう」
ギョルギスはさして期待をしていないようだったが、とりあえずやらせてみる事にし、扉の前の作業員達を下げた。
「良かろう、自信があるというならばやってみるがよい」
ギョルギスも壁際に寄った。
「大丈夫なのかロビン?シバが関与しているのだ。これで開かなければトレビの信用に関わるぞ」
「大丈夫だって、心配すんな。ロビンを信じろって」
ジェラルドは宥めた。
ロビンは扉の前まで歩み寄り、改めて扉を見据えた。
扉は石のみで出来ており、人の力ではとても動かせないだろう。それに扉からは不思議な力を感じた。エナジーの波動に近いような感じだった。
ロビンは目を閉じて念じた。ロビンの体から光が波紋のように広がり、扉が光に呼応すると重々しい扉はあっさりと開いた。
「開きましたよ」
ロビンは振り返った。
「まさか本当に開くとは…」
ギョルギスは驚きを隠せなかった。
「よくやってくれたロビン。ではギョルギス殿、早くシバを捜しに行きましょう」
ヨデムとギョルギスが扉の向こうへ行こうとすると扉は閉じてしまった。
「何故だ、何故閉じるのだ?」
「理由は簡単、あなた方にエナジーがないからです」
リョウカが説明した。
「恐らく、その扉はエナジストでない者が入れないようになっているのでしょう」
「ここから先はヴィーナス灯台に続いているのです、エナジーがないと危険ですわ」
続いてロビンが言った。
「ヨデムさん、ギョルギスさん、ここから先は僕達に任せてもらえますか?」
「お前達に?」
「おう、そうさ、オレ達に任せとけば大丈夫だって。必ずシバを取り戻してきてやるからさ!」
ジェラルドは任せろ、と胸を叩いた。
「ギョルギス殿、我々が行けない以上、彼らに頼むしかありませんぞ」
ギョルギスはためらったが、自分ではどうにもならないと悟り、遂にはロビン達に任せる事にした。
「分かった、君達に任せるとしよう。必ずやシバを取り戻してくれ」
「任せてください!」
ロビンは答えると、閉じた扉を先ほどと同じく開き、仲間達と共に地下の古代遺跡へ降りていった。
「頼んだぞ、ロビン」
ヨデムは呟くのだった。
場所は変わって、ヴィーナス灯台。
ガルシア達は今、灯台にたどり着いた。
「やっと着いたな」
シンが言った。
「ああ」
ガルシアは自分達が登ってきた階段を見つめた。
――ロビンが来る前に、灯さねば――
場所は再び変わって地下遺跡。
ロビン達は遺跡を進んでいく。
――ガルシア、必ず阻止してやる――
最後の決戦が始まろうとしている。
作品名:黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 7 作家名:綾田宗