二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

<メモ>BLACK AVATAR

INDEX|1ページ/13ページ|

次のページ
 
命の恩人との再会『ホーリーロード編』

「ここが『フィフスセクターの本部』なの?」
 移動エレベーターに乗りながら、天馬は剣城に言った。
「ああ」
 短い一言が返ってきた。その表情は少し寂しげだった。
 聖帝イシドシュウジ。かつて、松風天馬をボールで助けた命の恩人。
 しかし、彼は管理サッカーと称して、自分たちの好きなサッカーを奪おうとしている。
(何で、あの人が……)。
 天馬は甚だ疑問だった。
 あの時の技はきっとサッカーが好きでは無ければ、打てないものだろうと。
「着くぞ」
 エレベーターが終わり、扉が開く。
 剣城が先に行ってしまうので「待って」という声とともに、彼を追いかけた。

 中は無機質で、扉もすべて機械。
 人間が管理しているとは到底思えないようだった。
 そこはちょうどスタジアムのように「円系」の建物で、その中心に、聖帝がいるという。
「剣城はさぁ……なんでシードになったの?」
 天馬の素朴な質問。
 剣城は拳に力を込めて語ろうとしなかった。
「サッカー好きなんでしょ? じゃなきゃ、あんなすごいシュート打てないハズだよ」
 デスソード、デスドロップ、そして、化身ランスロット。どれを見ても、サッカーを長くやっていなければできない。
「お前に何がわかる!」
 振り向き、そして、激高した。
 その形相に天馬は一瞬ひるんだ。
「いや、何でもない。着くぞ」
 そういってきびすを返して歩き出した。

 剣城と天馬が入った部屋は中央にレッドカーペットがある、それでも、陰湿で、無機質な部屋だった。
 剣城が、少し高い座上の男に頭を下げた。
 少し遠くからか、顔が見えない。
 ホーリーロードの開会宣言のときに、見た『あの顔』が本当に「彼」なのか。それが一番知りたかった。
 玉座に座った男は周囲にいる者に「下がれ」と命令した。
 暗い声だった。
 二人の護衛は聖帝に会釈し、そして、その部屋から去って行った。
「剣城君、ご苦労。そして、よく来てくれたね、松風天馬君」
 そういって、玉座にいた聖帝が短い階段を降り、天馬と目があった。
「あっ」
 短い奇声だった。
 間違いない、「あの人」だ。
 10年前、沖縄にいたとき、小屋に挟まった子犬を助けようとしたとき、ボールで助けてくれた。
 見間違うはずがない。目が同じだった。
「あなた……なんですね」

作品名:<メモ>BLACK AVATAR 作家名:るる