<メモ>BLACK AVATAR
命の恩人との再会『ホーリーロード編』
「ここが『フィフスセクターの本部』なの?」
移動エレベーターに乗りながら、天馬は剣城に言った。
「ああ」
短い一言が返ってきた。その表情は少し寂しげだった。
聖帝イシドシュウジ。かつて、松風天馬をボールで助けた命の恩人。
しかし、彼は管理サッカーと称して、自分たちの好きなサッカーを奪おうとしている。
(何で、あの人が……)。
天馬は甚だ疑問だった。
あの時の技はきっとサッカーが好きでは無ければ、打てないものだろうと。
「着くぞ」
エレベーターが終わり、扉が開く。
剣城が先に行ってしまうので「待って」という声とともに、彼を追いかけた。
中は無機質で、扉もすべて機械。
人間が管理しているとは到底思えないようだった。
そこはちょうどスタジアムのように「円系」の建物で、その中心に、聖帝がいるという。
「剣城はさぁ……なんでシードになったの?」
天馬の素朴な質問。
剣城は拳に力を込めて語ろうとしなかった。
「サッカー好きなんでしょ? じゃなきゃ、あんなすごいシュート打てないハズだよ」
デスソード、デスドロップ、そして、化身ランスロット。どれを見ても、サッカーを長くやっていなければできない。
「お前に何がわかる!」
振り向き、そして、激高した。
その形相に天馬は一瞬ひるんだ。
「いや、何でもない。着くぞ」
そういってきびすを返して歩き出した。
剣城と天馬が入った部屋は中央にレッドカーペットがある、それでも、陰湿で、無機質な部屋だった。
剣城が、少し高い座上の男に頭を下げた。
少し遠くからか、顔が見えない。
ホーリーロードの開会宣言のときに、見た『あの顔』が本当に「彼」なのか。それが一番知りたかった。
玉座に座った男は周囲にいる者に「下がれ」と命令した。
暗い声だった。
二人の護衛は聖帝に会釈し、そして、その部屋から去って行った。
「剣城君、ご苦労。そして、よく来てくれたね、松風天馬君」
そういって、玉座にいた聖帝が短い階段を降り、天馬と目があった。
「あっ」
短い奇声だった。
間違いない、「あの人」だ。
10年前、沖縄にいたとき、小屋に挟まった子犬を助けようとしたとき、ボールで助けてくれた。
見間違うはずがない。目が同じだった。
「あなた……なんですね」
「ここが『フィフスセクターの本部』なの?」
移動エレベーターに乗りながら、天馬は剣城に言った。
「ああ」
短い一言が返ってきた。その表情は少し寂しげだった。
聖帝イシドシュウジ。かつて、松風天馬をボールで助けた命の恩人。
しかし、彼は管理サッカーと称して、自分たちの好きなサッカーを奪おうとしている。
(何で、あの人が……)。
天馬は甚だ疑問だった。
あの時の技はきっとサッカーが好きでは無ければ、打てないものだろうと。
「着くぞ」
エレベーターが終わり、扉が開く。
剣城が先に行ってしまうので「待って」という声とともに、彼を追いかけた。
中は無機質で、扉もすべて機械。
人間が管理しているとは到底思えないようだった。
そこはちょうどスタジアムのように「円系」の建物で、その中心に、聖帝がいるという。
「剣城はさぁ……なんでシードになったの?」
天馬の素朴な質問。
剣城は拳に力を込めて語ろうとしなかった。
「サッカー好きなんでしょ? じゃなきゃ、あんなすごいシュート打てないハズだよ」
デスソード、デスドロップ、そして、化身ランスロット。どれを見ても、サッカーを長くやっていなければできない。
「お前に何がわかる!」
振り向き、そして、激高した。
その形相に天馬は一瞬ひるんだ。
「いや、何でもない。着くぞ」
そういってきびすを返して歩き出した。
剣城と天馬が入った部屋は中央にレッドカーペットがある、それでも、陰湿で、無機質な部屋だった。
剣城が、少し高い座上の男に頭を下げた。
少し遠くからか、顔が見えない。
ホーリーロードの開会宣言のときに、見た『あの顔』が本当に「彼」なのか。それが一番知りたかった。
玉座に座った男は周囲にいる者に「下がれ」と命令した。
暗い声だった。
二人の護衛は聖帝に会釈し、そして、その部屋から去って行った。
「剣城君、ご苦労。そして、よく来てくれたね、松風天馬君」
そういって、玉座にいた聖帝が短い階段を降り、天馬と目があった。
「あっ」
短い奇声だった。
間違いない、「あの人」だ。
10年前、沖縄にいたとき、小屋に挟まった子犬を助けようとしたとき、ボールで助けてくれた。
見間違うはずがない。目が同じだった。
「あなた……なんですね」
作品名:<メモ>BLACK AVATAR 作家名:るる