寂しがり屋なうさぎさん
『寂しがり屋なうさぎさん』
*音日は最初親友です。
大山と寮部屋でくつろいでいると不意に扉を数回叩く音がした。
「はいはい、どちら様…って、音無?」
「…」
扉を開けた先には音無が居て、顔を伏せ何やら少し暗い気がした。
「えっと…どっちに用事?大山?それとも俺…って、わっ!?」
「えっ!?」
その瞬間、いきなり音無に抱き付かれた。突然の事に俺は勿論、大山も驚きの声を発した。
「ちょっ…音無?//」
「…」
無言で腕に力を入れた音無に疑問が増えるだけで、仕方なく背中をさすってやった。
「や…やっぱり二人ってそういう関係だったの!?」
「ちょっ大山!やっぱりってなんだよ!?違うからな!?ほら音無、お前も何か言えって」
「日向…っ」
黙秘のままだった音無が言ったのは俺の名前でそれはあまりにも儚く寂しげだった。
「嗚呼もう…場所変えようぜ音無。相談なら乗ってやるから」
「…」
無言で頷いた音無を確認してから俺は振り返り大山に言った。
「悪い大山、俺ちょっと音無の部屋行ってくるな」
「うん、分かった。いってらっしゃい」
「ほら、行くぞ音無」
音無の手を取り、俺は寮部屋を出た。
「本当に仲が良いなーあの二人。」
作品名:寂しがり屋なうさぎさん 作家名:静香