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機動戦士ガンダムRS 第21話 砂塵の果て

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η艦隊の許に援軍として第357遊撃艦隊が合流した。
ドゴス・ギアのブリッジでは、ブライアン艦長が憤慨していた。
「まったくンジャメナ基地は、何を考えている。
ビクトリア攻略のための橋頭堡を作ろうというのに。
1個小艦隊だけでどうしろというのだ」
 ブライアン艦長自身オペレーション・スピットブレイクの準備で戦力を割くことができないことは、わかっていたがこれはひどかった。
「文句を言っても始まりませんよ」
 一方サオトメは、冷静だった。
「既に敵もキンバライト基地の自給能力を大きく奪われているはずだ。
この戦力でもいけるだろう」
 サオトメは、楽観的な発言を行った。
「純白の死神とも言われるお前がよく楽観的発言を行えるな」
 ブライアン艦長は、サオトメの発言にあきれていた。
「別に客観的に言った覚えは、ありませんよ。
ただ諜報部からの報告を総合的に見て判断したものですよ」
 サオトメの説明にブライアン艦長は、どういうことかわからなかった。
「地球軍は、こちらのオペレーション・スピットブレイクを既に察知しています」
 サオトメの説明にブライアン艦長は、驚きのあまり息を止めた。
「ただしその攻撃目標をパナマだと推測しておりパナマには、大部隊が集結しています。
そのためキンバライト基地も上層部に見捨てられるだろうというのが私の戦力的な見方です」
 サオトメの説明には、一定の説得力がありブライアン艦長は素直に納得した。

                      ※

 キンバライト基地には、モビルスーツを搭載したVTOL輸送機が次々到着した。
しかしサオトメの予感が的中したように搭載機は、2級戦モビルスーツのザウートばかりだった。
「なんでザウートなんて寄こすかね、ビクトリアの連中は。
バクゥは、品切れか?」
 キンバライト基地の司令室では、バルトフェルド大佐が補給されたモビルスーツの質に文句を言っていた。
「これ以上は、回せないと言うことで。
ここも見捨てられたのでしょうか?」
 ダコスタ少佐が不安そうに言った。
「戦力ラインが日に日に下がっていくな」
 バルトフェルド大佐が地図を見ながらそういった。
「しかし戦力ラインが延びきったところ一気に攻撃すれば挽回の余地があります」
 ダコスタ少佐が力説した。
「それは、そうだ。
だが消耗戦でやつらの戦力を割くことも重要だ」
 バルトフェルド大佐は、ここで死神を討たなければ大変なことになると考えていた。

                       ※

 第357遊撃艦隊の中隊長であるモーデル・ナウンマン准尉とマゼランの艦長のランス・サインツ大尉が挨拶のため艦から降りた。
「η艦隊マン・マシーン隊隊長のアツシ・サオトメ少佐だ」
「η艦隊旗艦ドゴス・ギア艦長のブライアン・キース大佐だ」
 2人は、自己紹介をし敬礼した。
「第357遊撃艦隊マン・マシーン中隊長のモーデル・ナウンマン准尉です」
「第357遊撃艦隊旗艦マゼラン艦長のランス・サインツ大尉です」
 2人も敬礼し自己紹介した。
「現在アーガマもどきは、ここから南東へ180kmの地点にあるキンバライト基地にいる。
できることならアーガマもどきを撃沈させ虎狩も行いたいものだ」
 サオトメは、戦いの抱負について語った。
「さあドゴス・ギアで作戦を話し合おう」
 サオトメは、2人を案内した。

                       ※

 キンバライト基地ではアークエンジェル、レセップス、ピートリーとヘンリー・カーターが発進準備を行っていた。
アークエンジェルは発進準備を終えていたがレセップス、ピートリーとヘンリー・カーターはまだ積み込み作業が終わっていなかった。
レセップス、ピートリーとヘンリー・カーターは勝っても負けてもキンバライト基地を捨てるため弾薬などの物資をすべて積み込んでいた。
兵士の中には、家族との別れを惜しむものもいた。
 アークエンジェル、レセップス、ピートリーとヘンリー・カーターが発進した。
レセップス、ピートリーとヘンリー・カーターの戦力は対MM戦闘ヘリコプター多数、ジンオーカーが6機、バクゥ6機にザウートが3機で戦力不足だった。
しかしこの戦力が今バルトフェルド大佐の持てる全戦力だった。

                       ※

 ドゴス・ギアの作戦会議室ではサオトメ、ブライアン艦長、モーデル准尉とランス艦長が作戦を練っていた。
「俺がやつらなら別働隊を動かすから遊撃艦隊は、その始末のためここにいてほしい」
 サオトメは、遊撃艦隊の役割を決めた。
「それは、いいがもし虎が全力で攻めてきたらどうする?」
 ブライアン艦長がサオトメに質問した。
「敵の目的は、あくまでアーガマもどきの死守であり俺たちの全滅ではない。
倒さなくてもいい。
撤退の時間さえ稼げればいいのだから」
 すなわち一見戦力の分散は、戦略ミスにつながる危険性はあるが個々の戦力を囮にできれば戦略目標の達成につながる。
サオトメは、虎がそういう戦略を行ってくると結論付けた。
そのとき作戦会議室のドアがノックされた。
「どうぞ」
 サオトメが言った。
入ってきた兵士が敬礼した。
「報告します。
偵察機によりますとアーガマもどきが北北西へ向かい進行中と報告がありました」
 その報告にサオトメ以外が驚いた。
「タルパディア工場区跡地に向かってるか。
おそらく地雷原があるのだろう。
俺が虎の立場であればそうするからな」
 サオトメは、予想される戦場に一体何があるのか推測した。
「η艦隊は、出られますか?」
 サオトメは、ブライアン艦長に質問した。
「いつでも」
 その質問にブライアン艦長が答えた。
「η艦隊発進。
2人も戻って遊撃艦隊を発進させろ」
 サオトメは、2人に命令した。

                       ※

 キラ少尉は、食堂で食事をしていたがフォークが動かなかった。
「なんだ遅いな。
早く食えよ。
ほら、これも」
 フラガ少佐は、そういうとキラ少尉のトレーにケバブをおいた。
キラ少尉は、戸惑っていた。
「やっぱ現地調達のものは、旨いね」
 そういってフラガ少佐は、戸惑っているキラを無視してケバブを味わった。
「少佐は、まだ食べるんですか?」
 キラ少尉は、フラガ少佐の食欲にあきれていた。
「俺達は、これから戦いに行くんだぜ?
食わなければ力がでない。
ほらソースは、ヨーグルトのほうが旨いぞ」
 フラガ少佐は、そういってキラ少尉にヨーグルトソースを見せた。
「死神は、ソースをつけずその店その店独特の味付けを楽しんでいました」
 キラ少尉は、バナディーヤでのサオトメの主張を思い出していた。
「なかなかグルメなやつだな」
 そういうとケバブをヨーグルトソースなしで食べてみた。
そういわれるとほのかに鼻に通る香辛料の香りなどがおいしく感じられた。
「だけど敵のことなんか知らない方がいいんだ。
早く忘れろ」
 フラガ少佐は、サオトメに会ったことを忘れろといった。
キラ少尉は、その真意がわからなかった。
「これから命のやり取りをしようとする相手のことなんか知ってたってやりにくいだけだろ」