機動戦士ガンダムRS 第21話 砂塵の果て
そういわれてキラ少尉も納得したがそう簡単に忘れることができなかった。
そのとき大きな爆発音がした。
食堂にいたほかのクルーもどよめいた。
※
アークエンジェルでは、爆発した場所が特定できた。
「バルトフェルド大佐が仕掛けたという地雷原です」
バジルール副艦長がラミアス艦長に報告した。
ラミアス艦長は、驚いた。
※
そのどよめきは、レセップスとヘンリー・カーターでも同じだった。
「大佐」
ダコスタ少佐がバルトフェルド大佐を呼んだ
「狼狽えるな。
攻撃を受けた訳じゃない」
バルトフェルド大佐は、部下たちを落ち着かせた。
「しかしあれだけの地雷を一瞬で消すとは。
死神もとうとう本気というわけか」
バルトフェルド大佐は、死神が本気になったと悟った。
※
η艦隊は、着実にアーガマもどきとの距離を近づけていた。
「マン・マシーン隊発進。
遊撃艦隊は、どうなっている?」
ブライアン艦長は、マン・マシーン隊の発進命令と遊撃艦隊について質問した。
「所定の位置に向かっております。
敵に察知された兆候は、認められません」
ハルダ曹長が答えた。
マン・マシーンデッキでは、ガンダムサイガーがカタパルトに脚を固定した。
量産機は、ミノフスキーフライトもミノフスキークラフトも装備していないため空中戦ができない。
しかしガンダムタイプは、ミノフスキークラフトあるいはミノフスキードライブを標準装備しているため大気圏内もカタパルト射出をする。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガー出る」
サオトメは、出撃した。
その後方からベースジャバーに乗ったユーピテル部隊が続いた。
※
アークエンジェルは、タルパディア工場区跡地に向かっていた。
「そうだよ。
1号機にも2号機にもエールを装備するんだよ」
フラガ少佐が整備員に説明したが整備員は、フラガ少佐の意図がわからなかった。
「何でってストライクは、換装するだけですぐに前線に復帰できるからスカイグラスパーにエールを装備させてストライクの稼働時間を延長させるんだ」
フラガ少佐は、そこで通信を切った。
「大佐には、悪いがもう虎の戦力なんて当てにならない」
「はい」
フラガ少佐の説明にキラ少尉も覚悟を決めた。
「お前も踏ん張れよ。
最近のお前なら心配ないとは、思うけど」
フラガ少佐は、あまりキラ少尉のことを心配していなかった。
「ケーニヒ二等兵、敵を撃墜しようと思うな。
ストライクの支援だけでいい」
イザーク大尉がトール二等兵に命令した。
「了解」
トール二等兵の1つ1つから緊張の文字が見て取れた。
「パイロットは、搭乗機へ」
そのときミリアリア二等兵の声が流れた。
皆は、搭乗機に向かった。
※
アークエンジェルのレーダーが機影を捉えた。
「レーダーに敵機とおぼしき影。
撹乱が酷く数と機種の特定不能。
1時半の方向です」
カズイ二等兵が報告した。
「その後方に大型の熱量4。
敵戦艦と思われます」
今度は、ダリダ軍曹が報告した。
「対艦、対マン・マシーン戦闘。
迎撃開始」
ラミアス艦長が命令した。
「全機発進」
バジルール副艦長が発進命令を出した。
※
レセップも艦載機を発進させようとしていた。
「スコーピオン隊、全機発進。
ヘンリーカーターはどうか?」
ダコスタ少佐の命令で対MM戦闘ヘリコプター多数、グゥルに乗ったジンオーカーが6機、バクゥ6機が出撃した。
「所定の位置に向かっております。
敵に察知された兆候は、認められません」
ダコスタ少佐の質問に部下が答えた。
しかし既にこの戦術は、サオトメに読まれていた。
※
アークエンジェルでは、スカイグラスパーの発進準備が行われていた。
「スカイグラスパー1号、フラガ機。
発進位置へ」
ミリアリア二等兵の命令でスカイグラスパー1号機は、発進位置へ向かった。
「進路クリア。
フラガ機、どうぞ」
スカイグラスパー1号機が発進した。
「APU起動。
グゥル、接続。
ストライカーパックはストライカーパックはエールにソードのマイダスメッサーとパンツァーアイゼン、ランチャーのコンボウェポンポッドを装備します。
シュベルトゲベールは、後から射出します」
ストライクガンダムに武器が次々に装備された。
「システム、オールグリーン。
続いてストライク、どうぞ」
発進準備がすべて完了した。
「キラ・ヤマト、行きます」
ストライクガンダムは、出撃した。
※
シグマン大尉の目の前に対MM戦闘ヘリコプターが現れ20mmバルカン砲を撃ってきた。
それをシールドで防ぐとバルカン・ポッド・システムで迎撃し撃墜した。
その後も数機の対MM戦闘ヘリコプターが攻撃してきたがその攻撃すべてを回避した。
※
η艦隊は、敵艦を射程圏内に収めたかったが射程は敵のほうがありレセップスが砲撃してきた。
ドゴス・ギアは、数発の至近弾の後命中弾を受けた。
その衝撃は、ブリッジを襲った。
「やらせるか」
直掩任務に就いていたマックス中尉は、120mmマシンガンでドゴス・ギアに取り付こうとしていた3機の対MM戦闘ヘリコプターを撃墜した。
※
η艦隊はとうとうレセップス、駆逐艦とアーガマもどきを射程圏内に納めた。
「主砲、撃て」
ブライアン艦長の命令でドゴス・ギアから長砲身単装メガ粒子砲が発射された。
※
「右から回り込むぞ」
ジンオーカー部隊は、ユーピテル部隊を右から襲い掛かろうとしていた。
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サオトメは、敵機の数を確認した。
「バクゥとジンオーカーが6機ずつか」
サオトメは、対MM戦闘ヘリコプターを戦力外とみなしていた。
「シグマン小隊は、バクゥを頼む。
サウス小隊は、ジンオーカーを頼む。
それ以外は、アーガマもどきを頼む。
ロンバルディア隊とアル・ギザ隊は、レセップスと駆逐艦を頼む。
俺は、敵ガンダムをやる」
「了解」
サオトメの命令に部下が従った。
※
シグマン大尉は、バクゥのレールガンの攻撃を回避した。
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サオトメは、キラと戦闘を行った。
ガンダムサイガーは、けん制にメガビームライフルを撃った。
その後ガンダムサイガーは、白いガンダムに接近した。
白いガンダムは、肩部バルカン砲を撃ったがひるむことなく接近し続けた。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第21話 砂塵の果て 作家名:久世秀一