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ストライクウィッチーズss集vol.3

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サーニャ「うん。まさか二人で30機も撃墜出来るなんて思わなかった」

エイラ「スコアが大幅アップだナ」

サーニャ「ふふ、そうね」

エイラ「帰ったらニパに自慢してやろう」

サーニャ「っ…待って、エイラ」

エイラ「どうした?」

サーニャ「そんな…またネウロイが接近してきてる。数は…さっきの倍」

エイラ「ナンダッテ!?」

サーニャ「距離3000。こんな近くに来るまで私のレーダーに反応しなかったなんて…」

エイラ「…サーニャは戻って応援を呼んできてくれ」

サーニャ「一人なんてダメよ!いくらエイラでも…」

エイラ「さっきも言ったダロ?二人とも退いたんじゃ、基地がネウロイに攻撃される。だからサーニャ、私が時間を稼ぐ間に…頼む」

サーニャ「…」

エイラ「行ってくれ、サーニャ!私なら予知でネウロイの行動を予測できる。囮になるなら私しかいないんダ!」

サーニャ「…わかった。行ってくるからエイラ、無事で」

エイラ「ああ、任せろ」

サーニャ、応援を呼びに基地へ。

エイラ「サーニャは私が守るんだ!」



エイラ「よし…何とか10機減らしたゾ」ハァハァ

ネウロイ、光線を撃つ。

エイラ「っ!?」

エイラに『直撃』。

エイラ(今、読めなかった。もう、魔力が限界だったってことカ…?)

エイラ「サー…ニャ…」

1948年11月22日、エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉、戦死。なお、遺体は発見されなかったという。
サーニャ、援軍を連れて到着。

サーニャ「エイラ…どこ?」

サーニャ「エイラ…嫌だよ。私を置いて行っちゃうなんて…!」

ニパ「サーニャ…」

サーニャ「見ててね、エイラ。ネウロイを必ず倒してみせるから」

二週間後。夜間哨戒中。

サーニャ「次で、最後…!」バシュバシュ!

フリーガーハマーからロケットを撃ち、ネウロイを撃墜。

サーニャ「やったわ、これで…」

消え行くネウロイが最後に、サーニャへ光線を撃つ。

サーニャ「っ!」

シールドを張るが、破られる。

サーニャ「悔しいな…。ネウロイを、倒しきれなかった…」

サーニャ「…エイラ、待ってて。もうすぐ…そっちに…行く、から…」

1948年12月6日。サーニャ・V・リトヴャク大尉、戦死。
程なく502JFW壊滅。オラーシャがネウロイに完全に掌握される。

1949年2月。カールスラント、503JFW。

エーリカ「毎日毎日とんぼ返りで出撃の繰り返し。嫌になっちゃうよねー」

バルクホルン「ぼやく暇は無いぞ、ハルトマン」

エーリカ「…トゥルーデ、少し休んだ方が良いよ。『上がり』を迎えたんだから」

バルクホルン「馬鹿を言うな。この危機的状況で戦える者が出ないでどうする」

エーリカ「でもシールドも無いじゃん。一発食らったら終わりなんだよ?」

バルクホルン「死が怖くて戦えるか。当たらなければどうということは無い」

エーリカ「…二年前みたいなのは、もう嫌だから」

バルクホルン「ミーナのことか。そうか、もう二年も経ってしまったんだな」

エーリカ「うん」

バルクホルン「月日が経つのは早いなミーナの死を悼む暇も無いほどに早く流れてしまうとは」

エーリカ「激戦続きだったからね」

バルクホルン「この戦いに決着がついたら、ちゃんとお参りに行きたいな」

エーリカ「だね」

整備士「準備完了、いつでも出られます!」

バルクホルン「行くぞ、ハルトマン」

エーリカ「うん!」



エーリカ「トゥルーデ、補給に戻ろう!」

しかし、応答がない。

エーリカ「トゥルーデ…?」

エーリカ「っ!」

エーリカ(トゥルーデ、どこ…!?)

エーリカ「トゥルーデ!!」

バルクホルン「ハル…トマン、か…」

エーリカ「トゥルーデ、しっかり!」

エーリカ(この出血量…これじゃあ、トゥルーデはもう…!)

バルクホルン「クリス…の、こと…よろしく…頼む…」

エーリカ「トゥルーデ!気をしっかり持って!トゥルーデが死んじゃったら、クリスだって悲しむんだよ!?」

バルクホルン「そう…だとしても、だ…。身体が…もう、言うこと…を、聞かない…。動かせ…ないんだ…。だから…お前に…頼む、より…ない」

エーリカ「らしくない、らしくないよ!いつものトゥルーデはどこに行ったのさ!ネウロイを絶対に倒してやるって意気込んでたトゥルーデはどこに行ったんだ!!」

バルクホルン「それは…心残り、だな…。ネウロイ…くそ、駆逐しきれないまま…倒れることに…なる、とは…」

バルクホルン「いかんな…。目の前…が、暗く…」

エーリカ「トゥルーデ!?トゥルーデ!!」ユサユサ

エーリカ「…っ」

1949年2月19日。ゲルトルート・バルクホルン少佐、戦死。

エーリカ「ネウロイ…」ギリッ

エーリカ「私の大切な仲間を…よくも…!」

2ヶ月後。

エーリカ「はぁ…はぁ…」

エーリカ(『上がり』を迎えるって、想像以上に辛いなぁ…。『疾風(シュトゥルム)』も連発出来ないし…。少佐…ああ、今は大佐だっけ。それにトゥルーデ。よく戦ってたなぁ)

ネウロイ、完全に無防備だったエーリカへ、アウトレンジから狙撃。

エーリカ「…えっ?」

シールドを張るも貫通、直撃。墜落。

エーリカ「…」コプッ

エーリカ(血だ…。ネウロイの攻撃を直に受けちゃったのかぁ…。トゥルーデ、ミーナ。ゴメン、仇は討てなかった…)

エーリカ「空、青いなあ…。平和な空、皆で飛び…たか…っ…た…」

1949年4月19日。エーリカ・ハルトマン大尉、戦死。そして503JFW壊滅。そして人類側のエースがほとんど失われたことで、ネウロイが一挙に畳み掛ける。
手始めにアフリカを壊滅させる。ここでマルセイユ少佐他が戦死。

1949年5月。ブリタニア。

リーネ「ネウロイが攻めてきた…。行かなくちゃ!」



リーネ「くっ…!」

ネウロイがリーネを取り囲み、一点へ光線を撃つ。

リーネ「っ、きゃあぁぁぁっ!!」

リーネ(ペリーヌさん…ごめんなさい。子供達のこと、守りきれなくて…。)

リーネ「芳佳…ちゃん…」

1949年5月15日。リネット・ビショップ上級曹長、戦死。同年6月にブリタニアが陥落。ネウロイに占領される。

1949年7月。扶桑。

芳佳「…」

芳佳(欧州陥落の報せは、扶桑でも日夜報じられていた)

芳佳(ロマーニャでの戦いで魔力を失ったままの私は、何も出来ない自分に憤りを感じていた)

芳佳(帝都女学院を卒業して実家で医師として働いているけれど、内心は501の皆のことで頭が一杯だった)

芳佳(坂本さんにも、静夏ちゃんにも、しばらく会っていない)

芳佳(そんな日々が続いていたある日、ついに扶桑もネウロイの侵攻を受けた。12年前の扶桑海事変以来の直接の侵攻に、帝国陸海軍は苦戦を強いられつつもなんとかこれを退けていた)

芳佳(だけど、沖縄を占領されると状況が変わった。ネウロイは続いて九州を占領。扶桑陸海軍は中国・四国まで後退を余儀なくされた)