【腐女子向】パフェ【蛮銀】
「で?結局どうするんだ?パフェ」
少女達にいいようにからかわれている銀次をほったらかして波児が聞く。店主はアルバイトの女の子達にとても甘い。
「んー、蛮ちゃんが戻ってから頼みます。どうせそんなに手持ち無いからきっとすぐ来ると思うし」
「違い無い、あいつが当てて帰るなんてまず無いしな」
相棒が帰ってきたら渋い顔をするだろうが無理矢理頼んでしまおう。レナのメニューを盾にすれば彼もきっと頷く他は無いはずだ。
レナちゃんが一生懸命作ったメニューなんだよ!これを見て頼まないなんてダメだよ!
そうですよ蛮さん、ハウスだって美味しいんですよ!
そんなに私のメニュー、気に入らなかったですか…?
頼む時のひと悶着も容易に想像がつく。
そして結局頼んだパフェを口にして言ってくれるはずだ
「まー、確かにハウスも悪か無ぇな」
だがイチゴの一番はまだ先だ!そこは譲らねえぞと言いながら。
恐ろしいほど頑なだけど、でも結局最後には自分の希望を聞いてくれる優しい相棒なのだ。
早く来ないかなあ蛮ちゃん。
そう呟いて銀次は店の入り口を見た。
きっと美味しいよ、二人で食べる三月のストロベリーパフェ。
作品名:【腐女子向】パフェ【蛮銀】 作家名:安倍津江