おれの親友
心地いい騒がしさの昼食が予鈴の音で終わりを告げる。
満腹になりウトウトしていたゾロとルフィをサンジは蹴り起こし、空き教室を後にした。
その後ろをナミも追った。
ナミが鍵を渡してはくれていたが、
さすがに午前はほとんどサボったので午後は出なくてはと立ち上がる。
開けた窓を閉めてしまう前にそっと顔を出す。
風が気持ちよかった。
「ウソップ。」
その声が誰かなんて振り返らなくても分かった。
「忘れ物したのか?」
「忘れ事。」
「ごと?」
サンジはまっすぐおれに近づいてきた。
おれが不思議に思ってると、サンジはそっとおれの手を取って握った。
「幸せだろ?」
「・・・うん・・すっげぇ幸せ。」
「単純な奴め。」
「うるせぇ。」
あぁほんとに――――
「サンジ、大好きだ。」
おれには自慢の親友が居る。
おれは自分で言うのもなんだが、結構いい奴だと思う。
だからもちろん親友も一人じゃない。
でも、一番の親友が居る。
いや、やっぱり親友は一人しかいない。
おれの親友はたった一人だけ。
唯一の親友。
そしてそいつの親友もおれだけ。
たった一人、唯一おれだけ。
おれだけがあいつの親友。
あいつだけがおれの親友。
おれの自慢の親友だ。
大好きで大好きでしかたないおれの親友。
完