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FF7 -つかの間の休日-

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 ヴィンセントは一人静かに、ウイスキーをロックで飲んでいる。
「ヴィンセント、相変わらず物静かだな」
「ああ、クラウド。私はこういう人間だからな」
「羽目を外すことはないのか?」
「……ないな。ああ、飲みすぎると変身することがある」
それを聞いたみんなは、いきなりヴィンセントから離れ出す。
「ん、どうした? 冗談だ」
「なんや、ヴィンセントはんでも冗談言うんでっか」
「ああ、だがたまに記憶がなくなることがあるな。なぜか次の日に部屋が荒れ放題で、片づけるのが大変でな」
クラウドはヴィンセントのロックを水割りにした。

 部屋の片隅では、ティファとエアリスがガールズトークを繰り広げている。
「エアリスってお酒強い?」
「ううん、私はすぐ真っ赤になっちゃう」
「エアリス、色白だもんね」
「ティファはお酒どうなの?」
「セブンスヘブンやってたから少しは飲めるけど、強くはないなー」
「話変わるけど、ティファってどういう男の人がタイプ?」
「エアリス、話題変わりすぎー。ええとね、他の人にはぶっきらぼうでも、私にはやさしいの。でも鈍感。そして私が困ったときには、助けてくれるの」
「結構具体的けど、誰のことかなー?」
「べ、別に誰のことでもないわよっ。そう言うエアリスの好みは?」
「私はねー、ひ・み・つ」
「ずるーい! 白状しなさい!」
「うそうそ。私もやっぱり、私にはやさしい人がいいな。そして私のことをわかってくれる人」
「何か、もしかしてちょっと好み似てる?」
「みたいね。これから危ないかも。それは置いといて、これからも仲よくしてね」
「もちろんよ」

 部屋の真ん中では、酔っぱらったシドとバレットが立ち上がり、肩を組んで調子はずれな歌を歌っている。
「シエラー、早えとこセフィロス倒して村に帰るぞー」
「まだオレには帰れるところがあるんだ。わかってくれるよな。ミーナにはいつでも会いに行けるぜ」

 やがて、ある者は酔いつぶれていき、ある者は三三五五部屋に帰っていった。
そして次の朝。
「クラウドおはよー」
「ああ、エアリス。おはよう」
「昨日は、あれからどうだったの?」
「バレットとシドが暴れて大変だった。おかげで寝不足だ」
「ふふ、ヴィンセントが暴れたんじゃなかったのね」
「あーおはよー、クラウド」
「ティファ、昨日はよく眠れたか?」
「うん。お酒飲んだから、朝までグーグー寝ちゃた」

 朝食は丸パンとポテトサラダ、カリカリベーコンに目玉焼きである。
目玉焼きはみんなが注文をつける。
「オレのは半熟にしてくれ」
「オレ様のは固焼きで頼む」
「オイラも固い方がいいな」
「私のはターンオーバーにしてくれないか」
「あ、アタシスクランブルエッグがいい!」
「注文の多い人たちね」
みんなそれぞれ、塩コショウやケチャップで食べている。
「クラウドは?」
「俺は生で飲む」
「えー!?」
みんなは驚いた。
玉子を生で食べる習慣がないのだ。
クラウドは玉子を割り、コップに入れて飲んだ。
「うえー!!」
「よくそんなモン飲めるぜ」
「慣れれば結構うまいぞ」

 一同は食事を終え、お茶を飲んでいる。
そのときケット・シーが慌ててやってきた。
「大変や! 神羅の大軍がこっちに向こうてるって! 早う逃げなあかん!」
「みんな! 早く荷物をまとめてハイウインドへ行こう!」
「クラウド! オレ様は先に行って用意してっから早く来いよ!」
「ああ、わかった」
全員が避難した後、クラウドはふと立ちどまり海を見つめる。
「何してるの?」
ティファがクラウドの左腕を抱きしめる。
「クラウド、また来ようね」
同じくエアリスが右腕を取る。
「アタシも一緒だよ!」
ユフィはクラウドの背中に飛びつく。
「ああ。またみんなで来よう」
そして四人はみんなの下へ駆けていった。
作品名:FF7 -つかの間の休日- 作家名:malta