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FF7 -つかの間の休日-

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 三人は、下着を買いにランジェリーショップに来ていた。
初めは各自それぞれのお気に入りを探していたが、ある程度絞れてくるとまた三人とも集まってきた。
「エアリスいいのあったー?」
「うーん、これなんかどうかなーって、思うの」
「着てみたら?」
「うん、そうする」
エアリスは試着室に入る。
「…………エアリスどおー?」
「んー、ちょっとアンダー大きめかもー。ホックで調節してみるねー」
「うんしょと。どう? ティファ」
「わあ、いいじゃない。すっごくかわいい」
「そ~お?」
「エアリス細くてうらやましいなー」
「えー! ティファの大きな胸だって、うらやましいよー」
「でもねー、大きいサイズのブラは、かわいいのがないのよねー」

 そこでユフィが口を挟んだ。
「やい、おっぱい女! それはアタシに対する嫌味か!」
「誰がおっぱい女よ。ユフィはかわいいの着れるんだからいいじゃない」
「あ、じゃあお姉さんたちが選んであげる、ね」
「ア、アタシは安モンでいいんだー!」
「そんなこと言わないで、試着してみましょ」
二人は良さそうなものをユフィの胸にあててみる。
「これはどうかな」
「ちょっとユフィには派手かもー。それよりこっちは?」
「わー、フリフリー。こういうのもあるけど」
「ユフィ、どれか気に入ったのあった?」
「あれ……」
「え!?」
「あれがいい…… 」
「なーんだ、気に入ったのがあるなら先に言ってよね」

 エアリスがユフィを連れて試着室へ入る。
「じゃあフィッティングするね。下を向いて、周りのお肉をカップに入れてと。どうかな」
「あ、エアリスすごい! アタシ谷間がある!」
「こうやってちゃんとつければ、大きくなるの」
「じゃあティファは毎日こうやってて大きくなりすぎちゃったんだ」
「あのね、簡単に大きすぎるとか言うけど、大きければ大きいで苦労するの。重たいし、肩はこるし、走りにくいし、ブラだってサイズがなかなかないの。もう私『胸が小さく見えるブラ』着けようかな」
「それはそれで、何かもったいない気が……」
「いいの。もう決めたの。決めました。じゃあ買ってくるねー」

 みんなそれぞれお気に入りの下着を買い、食糧の買い出しへと向かった。
「ユフィ、さっきの持ってきてくれた?」
「うん、持ってきたよ」
「なあに、それ」
「アタシんちの地方の郷土料理。伽哩(カリー)っていうんだ」
「じゃあ、今日はそれを作るのね」
「そうしようかなと思って」
食糧を買い込み、三人は別荘へ帰っていった。
「お、重いー」
「やっぱり、クラウドに来てもらえばよかったかな」
「だって下着買ってるとこ見られたくないし」
「そうだよね」
みんなで手伝い合いながら、何とか別荘まで荷物を運んだ。

 少し休憩した後、夕食の準備に取り掛かる。
「エアリスー! ちょっと来てくれるー?」
エプロンを着けたティファが台所から呼ぶ。
「なあに。どうしたの? あっ、ティファのポニーテールかわいい! そのシュシュもいいね」
「ふふ、ありがと。実はさっきの伽哩、作り方がよくわからなくて。手伝ってくれる?」
「うん、今行こうと思ってたところ」
エアリスもエプロンを着て台所に立つ。
二人で作り方の解説を見るが、よくわからない。
「ところでそのユフィは、どこに行ったの?」
「それがどっかに行っちゃったのよ」

 そこへユフィがやってきた。
「ティファー、ハラ減ったー。さっきのできたー?」
「ユフィ、これ作り方よくわからないんだけど」
「裏に書いてなかったっけ」
「こんな大雑把じゃ、よくわからないよ」
「実はアタシもよく知らない! 自慢じゃないけど料理したことないし!」
「確かに、自慢にならないわね。いい機会だから、やってみましょ」

 エアリスはユフィにエプロンを着せてやる。
「ちょ、ちょっと。アタシ料理なんかできないって!」
「わあ! ユフィのエプロン姿いい! ね、ティファ!」
「うん、すごくかわいい! もうその格好だけで料理できそう!」
「ほ、ほんとに?」
「じゃあ、この人参切ってみましょ。指先は丸めて猫の手にして……」
ユフィはおだてられ、初めて持つ包丁で野菜を切り始めた。
ティファとエアリスは不親切な説明書きを見ながら、何とか料理を作る。

 ティファがジャガイモを切っていると、通りかかったヴィンセントがつぶやいた。
「大きすぎるジャガイモは食べにくいかもしれない」
「……え?」
ヴィンセントは去っていった。

 切った野菜と肉を鍋で炒めてから水を入れて煮込み、伽哩を入れる。
するといいにおいが漂ってくる。
早速ユフィが味見をする。
「あっ! ティファ、エアリスすごい! これこれ、この味!」
何とかできそうである。
においに釣られてシドがやってきた。
「おう、いいにおいじゃねーか」
そう言いながらシドは三人のお尻をポンとさわる。
「きゃっ」
「ちょ、ちょっとシド!」
「何すんだよセクハラオヤジ!」
「ん? オレ様の手が何かしたのか? ハラペコだから早く頼むぜ」
去っていくシドをみんなで睨む。
「いやよねえ」
「そうよねえ」

「でも料理って結構簡単だね。初めてのアタシでもできちゃうなんてさ」
(ほとんど私とエアリスで作ったんだけどね)
ティファはそう思ったが口には出さなかった。
そして三人は伽哩が出来上がるのを楽しそうに待つのであった。

「みんなー、ごはんできたわよー」
ティファに呼ばれてみんなが集まる。
そしてできあがった食事を並べて食べ始める。
「うまい! こりゃーうまいぜ! 辛いから伽哩ってえネーミングもいいよな。今度マリンにも食べさせてくれ」
「いいわよー」
「ここにもオヤジがいた」
「レッドXIIIはどう?」
「うん、おいしいよエアリス。オイラ辛いの大好きさ」

 食事が終わり、みんなで片付けをした後くつろいでお酒を飲んでいる。
「は-、おすわりしてると落ち着くなぁ。じっちゃん元気かな。ゴクゴク」
「レッドってお酒飲んでいいの?」
「オイラ、四十八歳だよ」
「でも人間でいうと十五,六って言ってたじゃん」
「いいの!」
「じゃあ、アタシも飲んじゃおっかなー」
「ユフィ、あなたはダメよ」
「マリン……ちゃんとメシ食ってるか? グビグビ、プハー」
「マリンちゃん元気でいるよね。私のお母さんも一緒にいるし」
「エアリス! オレはあんたに謝らなきゃならねえ! マリンの身代わりになってくれたし、おっ母さんはマリンを預かってくれてるし。何も出来ねえオレが情けねえ!」
「き、気にしなくていいのよ、バレット」
「エアリス、あんたは優しいなあ。ちきしょう、泣けてくるぜ」
「ちょ、ちょっとバレット! は、離してぇ!」
酔っ払ってエアリスに抱きついたバレットを、みんなで引き離した。
作品名:FF7 -つかの間の休日- 作家名:malta