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桜色の告白

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「わー!空気が綺麗だなー!」
屋上に出ると教室の篭った空気とはまるで別次元の爽快感が得られた
下の桜並木から飛んできたのか床のコンクリートに桜色の装飾がされてある
「風も強くないしお昼にはピッタリだったみたいだね」
佐伯さんは未だに入口付近に立ち尽くしている
「シート持参だから座って座って!」
「これは・・・どうも」
僕はこの為に持ってきた青色のレジャーシートを広げた
「高波くんって・・・いつもコンビニ弁当だよね」
なんとも以外な事に彼女から話しかけてきた
「うん、ウチの人が朝弱くてね」
「・・・・・・なんで私に話しかけてくるの?」
急な話題転換に場の空気が一瞬凍りついた
「うーん何でだろうね、僕もよくわからないんだけど、なんてゆーか気になるんだ」
「私なんかのどこにそんな要素が・・・特に可愛くもないし」
そう言ってまた俯いてしまう
「可愛いかどうかは分からないな、まだ佐伯さんの素顔見たことないし」
「素顔?」
「眼鏡取ってみてよ」
「それはちょっと・・・」
「なんでさ、視力が悪いわけじゃないんでしょ?」
「恥ずかしいし・・・」
何故彼女はこうも内気なんだろう、今まで出会ってきた人間の中で一番か弱く、繊細そうだ
だけど僕はあえて強引に押し切ろうと思った
「じゃあ僕が取ってあげるよ」
そう言い身を前に出し、佐伯さんの眼元の眼鏡に指をかけた
「ちょっはや・・・!」
身のこなしはドロワーズトップクラスの僕の動きには彼女はついてこれなかった
佐伯さんが気づいた時には眼鏡は僕の手中だった
「か・・・返して!!」
だがさらけ出された眼を伏せながら僕の手を掴んできた
「うわッ!」
僕はシートのど真ん中に置かれた食料を下敷きにしそうだったので反射的につま先で地面を弾いた
思ったよりも力が強かったらしく佐伯さんに馬乗りする形になってしまった
「ごめん!だい・・・・じょう・・・・・・・」
僕の言葉は最後まで紡がれなかった
目と鼻の先で地面に倒れた佐伯さんは、今までとは違う、異様なオーラを放っていた
涙が溜められた瞳は髪と同色、薄い桜色だった、倒れた衝撃で編まれたお下げが解かれ
サラサラの髪が風に吹かれている
僕には佐伯さんの姿が、まるで桜色の光に包まれた様に見えた
この光景を文字に綴るなら・・・
「・・・綺麗」
作品名:桜色の告白 作家名:世界観