St. Valentine's day
昨日、彼女の自宅を出て自宅に帰る前に受験勉強への取り組みを再認識させられた結果、新たな参考書を求めて本屋に来ていた。
これが良さそうだな、参考書を手に取りレジに向かう途中でバカ女が専門学校用の参考書を真剣な眼差しで立ち読みしている。昨日、バカ女はいつも自分の周りにいる仲間達が将来の話を具体的に考えている事を話していて焦りを感じてる様子だったが、早速だ。
バカ女の後ろに回りチラッと見てみると看護学校のページだった。
『オイッ、お前何してんだよ?』
バカ女『あっ・・・・・』
『何?焦ってんの?昨日自分以外の仲間が具体的に将来を考えてたのにビビってんだろ?』
バカ女『・・・・そ、そうですよ!!悪いんですか?あんなに皆が考えてたなんて知らなかったんです!!仕方ないじゃないですか!!』
『まぁーな。普通考えてるだろうが・・・お前は看護師になりたいってわけかよ?』
バカ女『そんなこともないですけど、将来何がしたいとか考えたこともなかったけど小学生のころに入院した病院で看護師さんが色々面倒見てくれて憧れた事があったから・・・』
『いんじゃね?オレと雫は医者を目指してるし、お前がマジで看護師を目指してんなら将来オレの病院で雇ってやるよ』
バカ女『えっ?あ、ありがとうごいます!!』
『じゃ、勉強しろ。もう遊んでる時間は、はっきりいって全然ない。
看護師だってそう簡単に成れる仕事じゃないんだから、立派な看護師にならなきゃ雇うこともできねんだよ』
後日、彼女から最近学校でバカ女が休み時間も勉強していると聞いた。
看護の専門学校を目指す事も決まってバカ女なりに必死に勉強してるそうだ。
オレも頑張らなきゃ彼女に負けちまうな、と思い最近は家族が驚くほど自宅で勉強に精を出している。
作品名:St. Valentine's day 作家名:石井恵