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セテゥンタ
セテゥンタ
novelistID. 44095
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あいつがやってくる

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ある季節になると、私の家に訪れるものがいる。

そいつが訪れると、私は決まって鼻水をして、くしゃみをして、
目が真赤に腫れてしまうため、私はそいつが来るときは、常時マスクをしている。

そいつを追い出せばいいのだが、追い出すと、困ったことに訪れない季節がある。
だから、私はそいつにじっと耐えながら、家で鼻水のついたティッシュを眺めるのである。

ある時、そいつが、私の家にそいつの友人を連れて来た。
見ず知らずの人間なら、帰れと言いたいところだが、
その友人を追い出すと、そいつも一緒に追い出すことになるため、
私は仕方なくそいつとその友人を家に招き入れた。

その友人が着てから、私はさらに体調を崩した。
38℃を超える熱も出るし、鼻からは大量の鼻水が流れ出る。

次の季節なんて来なくていい。
そう考え、そいつとその友人を置いて、外に逃げ出そうとしたが、
膨大な鼻水と高熱が私を襲い、外にはもう出れなかった。

私は仕方なくベットに横になり、そいつとその友人が帰ってくれる日を
じっと耐えた。

私はあまりの苦痛で、寝ることもままならず、
寝ているのか、起きているのかわからなくなってしまった。

私が苦痛を訴え続けると、そいつとその友人がいつの間にか
私の家から居なくなっていた。

一体どこへ行ったのだろうと、
しばらく考えたが、考えても答えがでないため、考えるのをやめた。

しばらく外の様子を見ていなかったので、カーテンを空けて外をみると、
凍りつくような空と白のマスクで一面が覆われていた。

私はことの重大さに気づき、玄関のドアを開け、
彼らを招き入れる準備をしたが、既に手遅れだった。

私は悪くない。そう何度も何度も自分に言い聞かせるが、
心臓が割れるように痛み、私は必死に胸を押さえ、
もがいた。私がもがけば、もがくほど、辺りは凍りつき、
外はさらにマスクで埋め尽くされるのだった。

私はこれ以上、外に危害を加えてはいけないと考え、
最後の手段として、冷蔵庫に鍵をかけて、眠ることにした。

書き置きを残して。「昼寝中。戻ってきたら起こして」と。

こうして、春が訪れたのは有名な話である。

作品名:あいつがやってくる 作家名:セテゥンタ