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魔法少女リリカルウィッチーズvol.5

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それじゃあ、今日はもう行くね?と言って、リーネはペリーヌを連れて病室を後にした。
「…」
二人がいなくなったあと、芳佳は静かに、何度目になるか分からない涙を流した。

そして、それからまた数日が過ぎた。

「ん…?」
レーダーによる哨戒を担当していたオペレーターが、ある表示に反応する。
「これって…いや、まさか…な」
「どうした?」
同僚のオペレーターが声をかける。
「いや、このアイコンなんだけど…これって誤表示だよな?」
記されていたのは、ネウロイを示すアイコン。
「そうだろ。だってネウロイはあの時、全部いなくなったはずだし」
「だよなぁ…。まぁ、一応報告…」
その時だった。
ウーーーー!ウーーーー!と、施設内部にサイレンが鳴り響く。
「おいこれ…ネウロイ接近の警報じゃないか!」
「じゃあこれは、誤表示じゃなくて本当に…!」
「どうする。今、八神二佐やハラオウン執務官達は各所に出てる。高町一尉も、この間の無茶がたたって出られない」
「私達が出ます」
オペレーター二人に声がかかる。それはミーナだった。
「ヴィルケ中佐…お願いします!」
「ええ。敵の規模と位置は?」
「ここから西北西。D-104ポイントです。規模は一個小隊程度です」
「了解」
それを聞くとミーナは、何名かに通信を入れる。ただ、この施設周辺に現在残っているのはミーナ含め美緒、エーリカ、バルクホルン、エイラ、サーニャ、芳佳のみだった。

「久しぶりの出撃だ。気を抜くなよ、ハルトマン!」
「わかってるよー。トゥルーデこそ、出すぎないようにね」
エース二人とミーナ。元の世界で同郷出身の三人が、ストライカーを装着する。
「私達が先行して敵を引き付けるわ。二人とも、行くわよ!」
ミーナが発進し、二人もそれに続く。

「ミーナ、敵は小隊程度だったな?」
「そうよ。ただの残党だと思いたいけど」
嫌な予感を覚えながら、ミーナは飛ぶ。
「あ!見つけた」
エーリカが言う。
「けど、あれって…」
「馬鹿な!何故、奴がいる」
嫌な予感は的中した。確かに規模は小隊程度。だが、中身が問題だった。
「巨大人型…」
「何か、前より大きくなってない?」
「あの時確かに砕けたはず…どこで息を潜めていたんだ?」
三人の前にいたのは、最終決戦の時に彼女らを邪魔したあのネウロイだった。
「こっちに気付いたわ。二人とも、気を付けて!」
巨大人型ネウロイが光線を放ってくる。三人はこれを易々と避ける。
「的が大きいのは好都合だな。狙いを定める必要がない!」
バルクホルンが両手のMG42のトリガーを引く。弾丸は全て、人型ネウロイに命中する。
再びネウロイが光線を放つ。これを避けるバルクホルン。
しかし、
「!?」
咄嗟にシールドで防御する。
「大丈夫、トゥルーデ!?」
「あ、ああ」
「今の…曲がった?」
エーリカが呟く。そう、今まで直線的な光線しか撃ってこなかったネウロイの光線が「曲がった」のだ。
「こんなこと、今までなかったな」
「ええ。この世界に来てから、初めて見るタイプのネウロイが多すぎるわ」
「しかし、曲がるとなると厄介だな」
「どーにかして仕組みを見つけなきゃね」

ミーナから通信を受け、リーネとペリーヌは予定していた作業を切り上げて施設に戻ってきた。
「坂本少佐!状況は?」
「リーネ、ペリーヌ。お前たちもすぐに出撃準備にかかれ。どうやら、あの大型ネウロイが出現したらしい」
私もすぐに行くと美緒は言って、ミーナに通信を入れる。リーネとペリーヌはすぐさま格納庫へ向かい、ストライカーを装着して飛び立つ。

「トゥルーデ、フラウ。今、少佐達がこちらへ向かってるわ。それまでこの場を持たせるわよ」
「ああ、了解だ」
相変わらず光線が曲がる仕組みは見出だせないが、それでも防ぎながら三人は応戦していく。
やがてリーネとペリーヌが到着する。
「遅くなりました!」
「少佐は?」
「私達より後に出ているので、もう少しかかりますわ」
「了解。二人とも気を付けて。あのネウロイの光線…曲がるわ」
「え…?」
言っている傍から光線が放たれ、軌道を曲げながらリーネ達の方へ飛んでくる。それに気付いて三人はそれぞれ散る。
「ほ、本当に曲がってきましたわ…」
「皆、無事か!」
ここで美緒が到着。
「少佐。ええ、心配ないわ」
美緒は早速、眼帯の下に隠した魔眼でネウロイを見据える。
「あったぞ、奴の胴体の中心だ。そこにコアがある」
だが…と続ける。
「あの分厚い装甲をどうにかしないと、到底コアに辿り着けん」
「あれだけの巨大なネウロイなら当然だね」
美緒の言葉を聞いてそう言うのはエーリカ。
「私のシュトゥルムで削ってみようか?」
「ハルトマン、それは奴の懐に入るということだ。いくらお前でも危険すぎる」
エーリカの提案にバルクホルンが釘を刺す。
「なら…一点集中攻撃はどうでしょうか?」
リーネが提案する。
「なるほど…ネウロイのどこか一ヶ所のみに攻撃を集中させるのね」
「はい。ただ、再生しきる前に次々と攻撃しないといけないですけど…」
「かなりキツいが…ミーナ」
「そうね。それでいってみましょう」
全員で人型ネウロイに攻撃を仕掛ける。だが、装甲が硬く中々削れていかない。
「流石に硬いな…」
加えて、このネウロイが放つ光線にも翻弄され、彼女達に徐々に疲労の色が見え始めてきていた。

「…」
病室で芳佳は、皆が戦っている音を聞きながら考えこんでいた。出撃前、美緒が芳佳にインカムを渡していたのだ。
『坂本さん…何で私にこんなものを…。今の私には、何をどうすることも出来ないのに…』
それでも自然と、皆の声に耳を傾ける自分がいた。
『皆、頑張ってるなぁ…。巨大人型ネウロイって、あれ…だよね。あのときの』
『光線が曲がるって…この間の時は、そんなこと無かったのに』
そして、徐々に疲れていく皆。
『私にはこうして、祈ることしか出来ない』
「せっかく取り戻したこの街を…また侵略なんてさせるものですか!」
「待て、ペリーヌ!」
『えっ!?』
「きゃあぁぁぁっ!」
「ペリーヌさ…っ!」
思わず叫ぶも、自分の声は届かないんだと悟る芳佳。
『どうしよう。皆が危ない…!』
芳佳の心に焦りが出る。しかし、何も出来ないのは事実。
『皆を護りたい。この街も、世界も…もう一度!』
気付くと、芳佳は駆け出していた。格納庫へと自然に向かう。自分に何が出来るか。そんなことを考えている暇はなかった。
自らの愛機、震電の前に立つ芳佳。
「……お願い、震電。もう一度、私を飛ばせて。私を空へ、連れていって!」
意を決して芳佳はストライカーへ脚を滑り込ませる。すると…
「!」
巨大な魔方陣が展開され、芳佳は飛べることを確信する。
「ありがとう、震電。行こう、空へ!発進!」
轟音を轟かせ、芳佳は再び空へ舞う。

「ペリーヌ、しっかりしろ!」
美緒に抱えられたペリーヌは気を失っていた。脇腹から出血が見られる。
「ペリーヌさん、ペリーヌさん!」
リーネも必死に呼びかける。が、反応がない。
今現在はバルクホルン達三人がネウロイと交戦している。だが彼女達もかなり疲労していた。
「このままじゃじり貧だ。何か、決定的な打撃が欲しい」