機動戦士ガンダムRS 第24話 平和の国へ
まあ力無くばその意志を押し通すことも出来ずだからといって力を持てばそれもまた狙われる。
軍人である君等には、要らぬ話だろうがな」
ウズミ前代表は、Xナンバーとアークエンジェルを開発したことがヘリオポリス崩壊の最大原因だと考えていた。
「ウズミ様のお言葉も分かります。
ですが我々は」
ラミアス艦長は、そこまで言ったが不意にハルバートン准将の言葉を思い出しそれ以上いえなかった。
「ともあれこちらも貴艦を沈めなかった最大の訳をお話せねばならん。
ストライクのこれまでの戦闘データとパイロットでスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトのモルゲンレーテへの技術協力を我が国は、希望している」
ウズミ前代表が取引内容を説明した。
それには、4人とも驚いた。
「叶えばこちらもかなりの便宜を貴艦に図れることとなろう」
ウズミ前代表は、そのためならできる限り何でもやろうと考えていた。
「ウズミ様、それは」
ラミアス艦長は、思わず立ち上がり抗議しようとしたがウズミ前代表の鋭いまなざしにその気が消えた。
※
アークエンジェルは、早速修理が行われていた。
※
サオトメは、トリントン基地司令官のグレーデン・アレル准将と司令室でオーブの状況を聞いていた。
「オーブは、こちらの圧力にまったく屈しないよ。
外交に関しては、2枚も3枚もこちらを上回っているからな」
グレーデン准将がオーブという国の扱い方の難しさを言った。
「ガンダムサイガーで撮った映像についてどう説明したのですか?
あの映像には、地球軍艦には1発の命中弾がなかったにもかかわらず戦闘ヘリコプターはこちらに命中弾を当てましたが」
サオトメが自分が撮った映像について説明を求めた。
「戦闘ヘリコプターのパイロットの腕がよかったからだと。
当時のジャマー濃度だとあの距離での艦船への命中弾は、かなり難しいとの事だ」
グレーデン准将は、サオトメに説明した。
2人とも嘘だとわかっていた。
しかしここで騒いでも何も始まらない。
「潜入のため準備をします」
サオトメは、敬礼し司令室を出た。
※
潜入部隊は、目立たない私服と潜水器具を身につけステルス揚陸艇に乗った。
そして深夜オーブに向けて出発した。
※
アークエンジェルに戻った4人は、艦長室で今後について話し合っていた。
「私は、反対です。
この国は、危険だ」
バジルール副艦長は、反対した。
「そう言われたって。
じゃどうする?
ここで船を降りてみんなでアラスカまで泳ぐ?」
フラガ少佐が冗談交じりで質問した。
「そう言うことを言っているのでは、ありません。
修理に関しては、代価をと」
バジルール副艦長は、代価を支払おうと考えていた。
「中尉の言いたいことは、分かる」
クルーゼ大佐が言そういった。
「それで済むものかしら。
何も言わなかったけどコロニー軍からの圧力ももう当然あるはずよ?
それでも庇ってくれている理由は、分かるでしょ?」
ラミアス艦長がウズミ前代表の考えを察するように言った。
「艦長がそう仰るなら私には、反対する権限はありませんがこの件に関しましてはアラスカに着きました折りに問題にさせていただきます」
バジルール副艦長は、敬礼して艦長室を出た。
クルーゼ大佐も敬礼し出た。
「この件もだろ」
フラガ少佐がそういった。
「そうね」
それは、ラミアス艦長もわかっていた。
「またボウズには、悪いけどな」
フラガ少佐がそういった。
「ええ」
ラミアス艦長は、ため息混じりに机に伏せた。
フラガ少佐は、苦労続きのラミアス艦長に手を伸ばしねぎらった。
「止めて下さい少佐。
セクハラです」
ラミアス艦長がびしっと言った。
「そう?」
フラガ少佐は、自分の手を見てセクハラか自問自答した。
※
朝もやがかかる公道をキラ少尉は、自動車に誘導されストライクガンダムで進んでいた。
そして断崖絶壁に着くと巨大なドアが開いた。
※
揚陸艇は、無事オーブの近くに着いた。
彼らは、潜水でオーブに上陸しようとした。
無事上陸した場所には、1人の工作員がいた。
「η艦隊所属のものだ」
サオトメは、マスクを取って自己紹介した。
「ようこそ、平和の国へ」
2人は、握手をした。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第24話 平和の国へ 作家名:久世秀一