二次創作小説やBL小説が読める！投稿できる！二次小説投稿コミュニティ！

「これで…はぁっ…はぁっ…本当に終わりよ…」

「許さねぇ…てめぇだけは絶対に許さねぇぇぇぇぇ!!!!」



「そうよ…もっと憎め!!そして思い知りなさい!!この世界には憎悪と絶望しかないのよっ!!死ね!!はぁぁぁっ!!」





「『ハリケーン』プリーズ！『フーフー！フーフーフーフー!!』」
「………。」


「な、何…？指輪の魔法使い、その姿は!?」


「は…ハル……ト」


「ルパッチマジックタッチゴー！チョーイイネ！『ヒーリング』サイコー!!」
「これでもう大丈夫だよ、杏子ちゃん」

「傷が…!?」


俺は、先程手に入れた指輪を使って杏子ちゃんの傷を全て直してあげた。
そしてそのまま逆手にもったウィザーソードガンで押さえていたフェニックスの大剣を大きくなぎ払い、回転キックをお見舞した。

「ぐっ…お前は…一体!!」
「前も言った筈だ。俺はウィザード。絶望を希望に変える仮面ライダー、ウィザードだ」

「ぐっ…げほごほっ!!…もうこれ以上身体が……くそ、ここまでか…」


フェニックスはよろけながらビルから飛びだった。別に追う必要は無い。今は…の話しだが。全身緑色に変化したウィザードのハリケーンスタイルはどうやら風を操る魔法と治癒を駆使することができる姿みたいだ。

「大丈夫？杏子ちゃん」
「ハルト…お前…」

「ハルトくん…」
「…っ…」


杏子ちゃんの後ろに ゆまちゃんを抱えたまどかちゃんが立っていた。既に大火傷を負った ゆまちゃんは息をしていなかった。そう…いくらソウルジェムを指輪に変えても、本体が致死量のダメージを負っていれば意味がない…魔法少女では大丈夫な傷でも人間に戻った時に耐えられなくなり、その反動でショック死してしまうのだ。

俺は、ゆまちゃんのソウルジェムをウィザードリングに変えて杏子ちゃんを救った。



「なぁハルト…その姿。一体誰のソウルジェムを使ったんだ？」

「………。」

「杏子ちゃん、あのね？」
「まどかは黙ってろ…答えろ…なぁハルト!!」

「………。」


あぁ…なんて不思議なのだろうか。
先程まであんなに凄まじい戦闘が行われていたというのに、今は風の音すら大きく聞こえてくる。


「おい…聞こえてんのか…聞こえてんのかって言ってるだろっ!!!!おいっ!!ハルトォォォォ!!!!」
「…っ!!」
「てめぇ!!なんで ゆまのソウルジェムを使ってまで私を助けようとしたんだよ!!!ふっざけんじゃねぇ!!」

杏子ちゃんのこんな顔…初めてみた。
こんなにも感情を込めて…


涙を流すなんて…。



「くそっ…くそぉぉぉぉ!!!!」

「杏子ちゃん！」
「きょ、杏子ちゃ…」


杏子ちゃんはそのまま何処かへと去っていってしまった。
俺は手を伸ばした。けど…そこまでだった。

俺の手は、…彼女に届くことなく…止まってしまった。



「…操真 ハルト」

「ほむらちゃん？っ!!ほむらちゃん大丈夫!?」
「あっ…」


杏子ちゃんと入れ替わる形で今度は ほむらちゃんが現れた。ところどころ焼け焦げた後がある。きっと凄まじい戦闘があったのだろう。
「下にいたファントムは全て倒したわ。千歳ゆまは…間に合わなかったみたいね」
「ぐすっ…ほむらちゃん」
「あぁ…俺が指輪に変えた」

「そう…」

−ガチャっ−

「…っ…」

ふと、拳銃にマガジンを装填する音が聞こえてきた。
俺はその音の方向へと振り向く。
すると…


「ほむらちゃん…？」

「ほむらちゃん…何してるの？今すぐそれを下ろしてよ!!」


「ごめんなさい、まどか…あなたとの『契約』は、ここで『解約』させてもらうわ」



俺が見たのは、俺へと拳銃を突きつけていた ほむらちゃんの姿だった。




「時は来たわ…あなたは危険すぎる。危険すぎる存在になってしまったわ…これ以上の被害は出させない…そのために、私はあなたを殺す」