Wizard//Magica Wish −11−
運命の時は近づいている。
懐中時計がそれを教えてくれる。
「私の時間は…もう残り少ない」
空を見上げる。三日月が綺麗に輝きその光が私に降り注がれた。
もうすぐ、この景色も見れなくなる。永遠の漆黒の世界が始まるからだ。
この世界の終わりへのカウントダウンが一刻一刻と刻まれている。
それで良い…この世界に「希望」なんてものはいらない。
「絶望」一色だけで良い。
希望があるからこそ、この世界に絶望が生まれてしまうんだ。
だったら…最初から希望なんてなければ…。
「ユウゴ…待ってて…もう少しでこの世界が終わるから…」
三日月に向かって腕を伸ばした…けど届かない。
その先にあるのは…彼の手…。
作品名:Wizard//Magica Wish −11− 作家名:a-o-w