二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Wizard//Magica Wish −11−

INDEX|9ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

「め、メデューサは!?」
「あそこっ!」
自分たちの目線の先にメデューサが波動を放っていた!俺はすかさず奴との距離を一気に詰める!

「『ウォーター』プリーズ!『スィースィースィースィースィー!!』」
「メデューサ!!!!」

「な、指輪の魔法使い!?ぐぅっ!!」

ウォータースタイルにスタイルチェンジし、メデューサの腹部を斬り付けた!それと同時にメデューサから放たれていた魔力が途切れ、なんとか一般人のファントム化の進行を阻止することができたみたいだ。

「ぐっうぅ…指輪の魔法使い!」
「やっと会えたな、メデューサ。答えろ、何故そこまでしてファントムを生み出そうとする!!」
「あなたには関係のない事よ!!くそっ…何度も私の邪魔ばかりして…」
メデューサが腹部を抑えながら槍を俺に突きつけた。何故だ…何故そこまでボロボロになりながらもファントムを生み出そうとするんだ。俺には全く理由がわからない。

「追い詰めたぞメデューサ!」
「これ以上、罪が無い人達をファントムにしないで!」

「罪が無い人達!?笑わせるな!!この世界に罪を持たない人間がどこにいる!!?」

「なっ…」
急にメデューサの態度が180度変わり、俺たちは後ろへ後ずさりしてしまった。なんだ…奴は一体何に怒っているんだ?

「え、なに…?」
「この世界には悪で満ち溢れている事を何故お前達は気付かない!?お前達にはわからないのか!?」
「メデューサ…一体何の事だ!?お前は何を言っているんだ!」

「指輪の魔法使い、希望しか求めないお前には絶対にわからない!この世界は、お前が思っているほど綺麗ではないのよ!!」

「お前…!!」

「これ以上私の邪魔をするというのなら…本当にこの場で殺してやるっ!!」

その時、メデューサはフェニックスの姿へと変わり、自分の身体の数倍以上の大きさがある大剣を取り出した!それを片手で軽々しく振り回し、一気に俺へと振り下ろす!!
「ぐっ!!あぁぁっ!!!!」
「もう容赦なんてしない!!殺してやる!!」
「ぐぅぅ…あぁぁぁ!!!!」
ウィザーソードガンで凌ぐがフェニックスの力が半端じゃない!!ガードするのが精一杯だ。奴の剣とぶつかり合うたびに身体中の筋肉が唸りを上げる!!

「ハルト!!くそぉぉ!!」
「お前は…引っ込んでいろ!!」
「うっ!きゃあぁぁ!!」

「きょ、杏子ちゃん!」

フェニックスから放たれた火炎弾が杏子ちゃんに直撃して吹き飛ばされた!まどかちゃんが杏子ちゃんの元へ向かい、俺も向かおうとするが目の前のフェニックスがそれを許さない。
「これで終わりよ!!指輪の魔法使い!!」
「く…くそっ!!」
フェニックスの背中に豪炎で出来た翼が開かれ、まるで山からマグマが吹き出すかのように俺めがけて解き放たれた!

「シューティングストライク!」
「これでっ…っ!!?ぐあぁぁぁぁ!!!!」
ウォーターシューティングストライクで相殺しようとしたが、ぶつかる瞬間に魔力弾は蒸発してしまい、直撃してしまった。身体中が焼かれるように熱い…まるで鉄板を身体に押し付けられたようだ。

「ぐ…あぁ……身体が、動かない…」

立つことさえ厳しくなり、地面に腰を下ろしてしまった。
だが、反対方向から赤い閃光がフェニックス目掛けて突っ込んでいった。まさか…杏子ちゃん!?
「メデューサぁぁぁ!!!!」
「またお前かっ!!」
杏子ちゃんの槍とフェニックスの大剣がぶつかりあい、火花が飛び散った。目に見えない速さで剣と槍が振り下ろされる…常人なら何が起こっているかわからないだろう。

駄目だ…強すぎる。

俺たちは…奴に勝てないのか?

「ハルトくん!」
「ま、まどかちゃん…ぐっ…」
「動いちゃ駄目だよ!どうしよう、何か手当できないかな…」



「ぬぅっはぁぁ!!!!」
「あなたも、いい加減目障りなのよっ!!いつも指輪の魔法使いの傍にいて、笑い合って!!見ていると腹が立つのよ!!!!」
「くぅぅっ!!…こ、答えろメデューサ!!お前は一体何が不服なんだ!!この世界に一体どんな恨みがあるんだっ!!」
「うるさいっ!!もうこれ以上、私の目の前に立つなぁぁぁぁぁ!!!!」
「っ!!?きゃぁぁぁぁぁ!!!!」



その時、俺の目の前に赤い液体が飛び散った。



「ひぃっ…杏子ちゃぁぁぁぁん!!!!」
「っ…きょ、杏子ちゃ…ん」

メデューサの大剣が杏子を切り刻んだ。肩から腹部まで大きく斜めに切り刻まれ、大量の血液が地面に飛び散った。

俺の頭が真っ白になる。

するとボロボロの筈の俺の身体が自然に動き始めた。

「…メ…メデューサァァァァァァァ!!!!」
「『フレイム』プリーズ!『ヒーヒー!ヒーヒーヒー!!』」

「っ!?」

右手にウィザーソードガンを持ち、がむしゃらに振り下ろした。ただ、目の前にいる怪物をズタズタにするため、身体の痛みすら忘れて奴を切り刻んでやる。

「スラッシュストライク!」
「はぁぁっ!!」
「ぐっ…指輪の魔法使い!!あなたはどこまでっ!!」

斬る…斬る!!

「スラッシュストライク!」
「あぁ…あぁぁぁぁぁ!!!!」
「ぐあぁぁっ!!」

斬る…斬る…斬る……っ!!

「スラッシュストライク!」
「げほっごほっぐ、あぁぁぁぁ!!!」

「ぐぅぅぅっ!!」



「ハルトくんもう止めて!!それ以上魔法使ったらハルトくんも!!」

まどかちゃんが何か言っている。
けど、頭まで言葉が届かなかった。

まだか…まだこいつは死なないのか…

一体何度切り刻めばこいつはくたばるんだ!!


「キャモナスラッシュシェイクハンズ!」
「はぁっ!はぁっ!…こ、これで…これでぇ!!…っ!」




「お……落ち着…け…ハルト…ぐふっ…」




右手が抑えられる…なんだ。すると俺はこの時気がついた。フェニックスはほぼ意識が無い状態で立っていた。攻撃の手を止めた瞬間、奴は仰向けに倒れてしまった。

俺は振り向いた…そこには、腹部を抑え口から吐血して弱りきっている杏子ちゃんだった。


「私は、大丈夫だ…へへっ…ソウルジェムも無事だし…ごほっ…ちょっと休めば…」
「きょ、杏子ちゃん…」
「なんだその弱々しい声…ぐっ…ガキじゃないんだからもっと…あっ…」
「杏子ちゃん…!!」


俺は杏子ちゃんを抱きしめた。

何度も何度も彼女の頭を撫でる…良かった…生きていた…。


こんなに嬉しい事はない。


彼女の笑顔を見た瞬間、俺の中に消えていた何かが蘇り、いてもたってもいられなくなった。



良かった…本当に良かった!!



「ばぁ~か…そんな簡単に私が死ぬか…」
「ごめん…俺が杏子ちゃんを守らなくちゃいけなかったのに…」
「あたしはハルトが思っているほど、弱くはないよ…」






「くだらない…」

「…っ!」
「杏子ちゃん?」


「何が守るよ…そんな約束したって、いつかは崩れ去るのよ…そんなもの!!」


「まさか…こいつまだ!!」
「フェニックス!!…っ…」
作品名:Wizard//Magica Wish −11− 作家名:a-o-w