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Wizard//Magica Wish −12−

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「本当はもう…私は死んでいた…けど、最初…ハルトが私を助けてくれたことが…始まりだったんだ…げほっ…ハルトは私に人間らしいことを…教えてくれた…うっ…あの時から、今までが…私がやり残したこと…そのために私は少しの間だけ…神様が私を生かせてくれたんだ…」

「杏子…ちゃん」

「ハルトが私を…助けてくれなかったら…全部気付けなかった…知りもしなかった…私は…私の希望は…最初から叶っていたんだ…」


気付けば、大量の涙がこぼれ落ちていた。
涙は頬を伝った後、杏子ちゃんの頬に落ちていた。

「なんだよ…泣くなよぉ…私も…悲しくなるだろぉ…」

「ごめん…本当に…ごめんっ…」

「私だって…もっと生きたかったよぉ…もっとハルトの傍に…一緒に居たかったよぉ…!!」

次第に杏子ちゃんの目からも大量の涙が流れ落ちた。

俺は、杏子ちゃんの希望をずっと探していた。

けど、違う。


杏子ちゃんの希望は既に叶っていたんだ。



「うっげほごほっ!!」
「杏子ちゃん!!」
「駄目だ…ハルト…これでも、私は神父の娘なんだ…私は本当ならもう死んでいた…だから、もうわがままは言わないさ……天に…帰るときが…」

「い、いやだ…もう、俺の目の前から居なくならないでくれっ!杏子ちゃん!…っ…杏子!!」

「へへっ…やっと ちゃん付けやめたのか?…おそいよ…」

「杏子!杏子はまだ生き続けるんだ!!安心しろ、俺が最後の…」
「いや、今度は私がハルトの希望になる番だ」


杏子は手を震えさせながら頭からソウルジェムを取り、ハルトの胸元に掲げた。既に黒く穢れきり、今にも魔女が生まれる寸前だった。

「ほら…これが欲しかったんだろ?やるよ…もう使わないから…さ」

「そんなものっもういらない!頼む杏子!」

「やめろよ…このまま魔女化して…ハルトを傷つけたくないんだよ…」


そっか…。

ゆま もこんな気持ちだったんだ。


「ハルト……これを使って…みんなの希望を見つけ出してくれ…」

「うっうぅ!!止めろ…そんなこと言わないでくれぇ…っ!!」





ふと、自分の唇に暖かいものが重なった。

突然の事で俺は一瞬頭が真っ白になる。

これは…以前も体験した。



気がつけば、俺と杏子のそれが重なった。



「……あ…」

「頼むよ…私の最後の希望……」

「…っ!!」


身体が自然と動く。

気がつけば指輪を装着して杏子のソウルジェムに掲げていた。


「『リボーン』プリーズ!」
「…う…っ!!…うぅ!!杏子ぉ…」





「ありがとう…ハル……ト……」


作品名:Wizard//Magica Wish −12− 作家名:a-o-w