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Wizard//Magica Wish −12−

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………

「っ!!はぁっ!!はぁっ!!」

ふと目が覚めた。
またいつの間にか眠りに陥っていたみたいだ。悪夢を見ていた。
言葉じゃ表現しきれない…えげつない光景を。

「行くあてなんてないけど…ここにいても仕方ないよな…よっと…っ!!」

ハルトが立った瞬間、再び彼に眠気が押し寄せてきた。
ハルトは冷や汗をかきながらコンテナに手をつき身体を支える。
脳が掻き回されるように頭痛が押し寄せてきた。

「あっ…う…マジかよ…なんで…」


「もう限界なんだよ」

「っ…インキュベーター」

目線の先に全身が真っ白の生物、インキュベーターが尻尾を振りながらそこにいた。
コンテナから離れ、おぼつかない足取りでインキュベーターに近づいた。

「君の中の因果と穢れがもう暴発寸前の証拠さ。おそらく、千歳ゆま の穢れを一気に吸い取ったのが原因みたいだね」
「…う…うるさい…あっ…何が言いたい」
「第一、君のような存在がこの世界に存在していられる事、それ事態が奇跡なのさ。そんな完璧な人間の姿でね」
「こう見えても魔法使いってのはしぶとくってね。…うっく…まだやり残したことも…あるし」
「魔法使いね、その表現の仕方もどうかと思うけど。まるで君が人間になったみたいじゃないか」
「……っ…」

ハルトは片手で頭を抑えながらインキュベーターの横を通り過ぎようとした。だがインキュベーターは邪魔をするかのようにハルトに話し続けた。

「一つ聞かせてくれないかい?僕達にとっては一瞬のことだけど、この世界の人間にしてみれば7年に値するのかな。7年前、面影村での大火災で『コヨミ』が君の為に対して祈った願いは叶えられているのかな?僕にはそうとは思えないんだけど」

「…っ!!…お、お前…なんでそれを…」

「願いを叶えたのは僕自身だったからね。調べれば一瞬で元をたどることはできたよ。でも今だに彼女が祈った願いは理解に悩む。何故彼女は契約時に『彼女自身』に自分の祈りを託したのか…非常に希なケースだったから僕もよくわからなかったよ。彼女が最後に祈った君の『永遠』。でも君は自らその永遠を投げ捨てようとしている。どうしてだい?」

「お前が持っていない感情…そこに答えがある」

「そうか、僕達が持たないものに答えがあるのか。それともう一つ、ハルト。君に忠告がある。あと一回でも穢れと因果線を取り込んだとき…解っているね?一番理解しているのは君自身だと思うんだけど」

「あぁ…嫌ってほどね」

「もう君自身に時間は残されていない」


作品名:Wizard//Magica Wish −12− 作家名:a-o-w