声(仮面ライダーW SS)
01
「ハァ、ハァ、ハァ、」
私は今、追われている。
誰に追われているのか、何故追われているのか、どこに助けを求めればいいのかすらも分からない。
何も考えがまとまらないまま、とにかく私は走る。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、」
全力疾走なんて学生のとき以来だ。
走ることを忘れた私の足は、最初の10歩程度で軋みだした。
肺は体に充分な酸素を入れることができず。
喉は焼けるように熱い。
それでも、走る。
だって、もし私が歩みを止めてしまったら。
そこが私の人生の終着点になってしまうのだから。
作品名:声(仮面ライダーW SS) 作家名:ケイス