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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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マジか!と思わず呻く翔太郎。
「ぬん!!」
洗練された棒術。息をつかすヒマも与えない打撃の嵐。
「よ! ほっ! あぁ、まぁスピードはジョーカーメモリの比じゃねーようだが、なっ!」
それを避けながら、そして反撃を織り交ぜながら翔太郎はフィリップの質問に答える。
「悔しいがサイクロンジョーカーでやっと互角って感じだ! でも、おおっと危ねぇ!! それが! 一体! どうしたよ!?」
まるで回転式の削岩機でも相手にしているような宮部の猛攻。あまりのプレッシャーにさすがの翔太郎にも冷や汗が流れる。
「ふむ。さっき宮部はこう言った、『メモリの発動によって、この世の全生物は進化する』、と」
対してどこまでも落ち着いたフィリップの声。ダブルの肉体のベースは翔太郎になっているので攻撃を捌いたり反撃したりするのはほとんど彼がやっている。その分戦略的な頭脳をフィリップが担っているのだが、この激化している戦闘中に限り、二人の間には温度差があった。
「しかし、この能力だけでは人類全てに何らかの影響を与えることは不可能と言えるだろう」
「この! アークって! メモリには! おわわ! 未だに隠された能力があるってのか!?」
危機一髪の手に汗握る格闘戦。
「Ark、箱舟伝承、生物の進化、銀の煙、・・・・・・ふむ。実に興味深いね」
しかし必死で闘っている翔太郎をよそにフィリップは好奇心を刺激されていた。
「これだけのキーワードが揃えば、『地球の本棚』で何かしら情報を得られるかもしれないが・・・・・・、」
「ぬんっ!」
アークドーパントの棍棒が振り下ろされる。
「おわっと!」
それをギリギリの体勢から何とか回避するダブル。
今はアークドーパントの激しい猛攻中。アークは『ダブルの最強形態』の存在は知っているようで検索はおろかそれにも変身する隙など微塵も与えてくれない。
「あとにして下さいお願いします!」
そしてそろそろ翔太郎は半泣きだった。
「・・・・・・ふむ。ダブルは只今交戦中。加えて実力が拮抗している。今ここで僕がトランス状態になるのはさすがにまずい、か」
がくっと肩を落とすフィリップ。
(何故そこでがっかりする!? 今はいいんだよ、それで!?)
翔太郎はこんな危機的状況でも知的好奇心を失わないフィリップに戦慄の冷や汗を流す。
「と、とにかく、どの道こいつを倒せばオールオッケーってこった。―――とっととやるぜ、フィリップ!」
「了解した」
なんとなくちぐはぐなテンションの二人だが、気持ちを切り替えて戦闘に専念する。