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destin ③

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名前を呼ばれている気がして、新一はゆっくりと目を開けた。


「工藤。工藤、着いたで?」
「…あぁ、悪い。寝ちまってた」
「気にすな。眠そうやったしな」

目を擦ると、いかにも道場を構えていそうな和風建築の家が目に飛び込んできた。
これほど見事なまでに手入れされた日本庭園を、新一はかつて見たことがない。

思わず息を漏らした。


「すげぇな」
「やろ?師匠が毎日欠かさず手入れしとるんやて」
「へぇー。…あれ?なんか若い人が多いな」

ふと家の方へ目を向けると、厳つい顔の男性がたくさん集まっていた。
おそらく刑事なのだろう。
私服にも関わらず警察関係者だと判ってしまうあたり、まだまだ新米らしい。


「今日のは新人戦みたいなもんなんや。あんまお偉いさんがおらへんから、俺や先輩にも声がかかったっちゅーわけや」
「ふーん。そういや先輩はいつ来んだ?」

さっさと挨拶に行かない平次を見ると、その先輩はまだ来ていないようだ。
新一がついてきた理由の大半は、平次が敬愛している先輩を見るためである。

新一としては、先輩に早く会いたいのだ。


「もうじきやと思うで?まだ来てへんけど」
「つかどういう人なんだ?」

新一が聞くと、平次は目を輝かせた。

「よう聞いてくれた!先輩はな、高校時代全国制覇したんや。そんで世界大会にも出場したんやで!惜しくも二位やったけど、ごっつい強いんや!」
「そりゃすげぇな」
「やろ?顔もホンマに整うとって、男の俺でもカッコいいと思うんや。あ、工藤ももちろんかなり綺麗やで?」
「俺は関係ないだろうが」
「とにかくや!」

顔を歪ませた新一の肩をがっしり掴み、平次は熱弁する。

「会うてみたら分かる!気迫から凡人とは違うからな!」
「…わかったから手ぇ離せ」
「おぅ、すまん」

大人しく手を離すと、先に師匠に挨拶しようや、と平次は車から降りた。
新一も軽く息をつきながら平次に続く。


自分以外のことではしゃぐ平次を見るのが、何だか苦々しく感じられた。








作品名:destin ③ 作家名:だんご