Fate/fiction in library
思考は捜索する。動かない身体の代わりに、なにかの一手を、手探りで。
だが、不幸は連鎖する。
不意に校舎が激しく揺れた。その衝撃は建物のなかで反響し、増幅しながら上へと登り、屋上に居る弦技と少女を揺らす。
派手な破砕音が遅れて轟き、弦技はバランスを崩す。手探りをしていた手は金網をつかもうとして空を切る。
滑り、落ちる。逆さまになって見下ろす校庭には、戦っているはずのサーヴァントは居らず、剣槍の交わりは別の局面に位置していることを知った。
やがて、熱に思考を奪われ、意識も朦朧になり、感覚を忘れて、事切れた。
作品名:Fate/fiction in library 作家名:ROM勢