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ますたーど
ますたーど
novelistID. 46067
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The world make kaput <1章>

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後の世の者は、この荒々しくも眩しかった数世紀を振り返り、こう語る。
大地が、空が、そしてなによりもそこに住まう人々が、最も生きる力に満ち溢れていた時代であった、と。
世界は今よりも単純にできていた。
すなわち、

狩るか、狩られるか。

明日の糧を得るため、己の力量を試すため、またあるいは富と名声を手にするため、人々はこの大地に集う。
彼らの一様に熱っぽい、そしていくばくかの憧憬を孕んだ視線の先にあるのは、決して手の届かぬ紺碧の空を自由に駆け巡る、力と生命の象徴――飛竜たち。
鋼鉄の剣の擦れる音、大砲に篭められた火薬のにおいに包まれながら、彼らはいつものように命を賭した戦いの場へと赴く――。








 目の前にそびえる巨大な黒い壁…いや、生き物

赤い大剣の男
 「左だ!」
 その声に気付いた男は左上から振り下ろされる腕を浅黒い大剣で受け止め、手を振って合図をする。

浅黒い大剣の男
 「ありがとう!」

赤い大剣の男
 「なぁに。次だ!来るぞ!!」

 もう1人も赤い大剣を軽々と振回し、目標に向ける。
 次々と吐き出される火球に2人の体力はじわじわと削られていく…

赤い大剣の男
 「くそっなんでこんなところに〝黒龍〟が…生き残ってるのは俺達だけかよ!?」
 辺りをかるく見渡すだけで視界に入る死体の山。
 死体に火球が当たるたびにブスブスと肉の焦げる臭いが鼻につく…

 黒龍を気にし過ぎたのか、赤い大剣の男が死体につまづき、前のめりに倒れてしまった。
 それに気付いた黒龍がその男に狙いを定め、今までよりも大きく息を吸い込んだ…

赤い大剣の男
 「もうダメか…」
 そう思った瞬間、黒龍の口の中で小さな爆発が起こった。

 ギャウ!

 黒龍は小さく唸ると男達よりも後方を睨付けた。
 男達もつられて後ろを向くと、少し離れた所にボウガンを構えたハンターが数人立っていた。

???
 「まだ生きてる~?少し遅れちゃったよ~」
 気の抜けた声ではあるが2人は少し安心したようだ。

浅黒い大剣の男
 「助かった!援護を頼む!!」

???
 「任せといて~♪」
 リーダーらしきハンターが手を振って合図をすると、それぞれより強力な弾を装填する。
 それを確認した2人は大剣を構え直し、黒龍に向けた。

 カヘッカヘッ

 口の中の異物を吐き出し、自分をこんな目に合わせた人間達を睨付け鼓膜が破ける程の鳴声をあげた。

 グォォォォォー・・・

 ――覚悟を決めた2人は大剣を振り上げ黒龍に向かって走り出した――