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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 9

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 海原を進む一隻の船にも朝がやってきた。日の光が船に射し込むと船室から乗組員が出て来た。
「う〜ん、いやぁ、よく寝たなぁ…」
 大きく背伸びをし、間延びした声でロビンは言った。目映いばかりの朝日がロビンに照りつけた。
「今日もいい天気だ…」
 日差しを手で遮った。
 同じ朝日をジャスミン達も浴びているのだろうか、ロビンはふと思った。
 この海原のどこかで流されているのかもしれないジャスミンとスクレータ。彼らを探しながらロビン達はイズモ村を目指していた。
 ここまでくる途中に様々な小島に差し掛かった。それらに上陸してみると無人島かと思いきや人が住んでいた。しかし、住んでいるとは言っても村ほどの規模はなく、一世帯の家族が暮らしているのみだった。
 もしやこの者達は何か知っているのではないか、そう思い、ロビンは訊ねてみた。しかし、残念ながら、半ば予想はできていたが何も知らないとのことだった。
 やはり死んでしまったのだろうかという思いがよぎったが、ジャスミン達はきっと生きていると信じ、今後も情報を集め旅を続ける事にしたのだった。
――ジャスミン達は一体どこにいるんだろう…?――
「うーす…」
 ロビンの後ろから寝ぼけたような声が聞こえた。
 振り返ると寝癖で髪がぐちゃぐちゃのジェラルドがいた。寝癖だけでなく目脂まで酷い。
「おはようジェラルド、って、まだ眠そうだな…」
 ロビンは苦笑した。
「まあ、取りあえず寝癖なおしてこいよ…」
「おう…」
 気のない返事をしてジェラルドは船室へ戻っていった。彼と入れ替わりにイワンとメアリィが外に出て来た。
「おはようございます」
 二人そろって挨拶した。
「ああ、おはよう」
 ロビンも応じた。
「さっきジェラルドとすれ違いましたけど珍しいですね。彼が自分で起きるなんて」
 イワンは言った。
「まあ、酷い寝癖だったけどな…」
 ロビンは再び苦笑した。
「あれ、リョウカはまだ起きてないのですか?」
 メアリィはふと気がつき、訊ねた。
 いつもはロビンが起きるよりも前にリョウカは起きているようで、ロビンが起きるともうすでに甲板におり、剣を素振りしたり海を眺めて風を浴びたりしていた。
「ああ、何か夕べ眠れなさそうにしてたから多分まだ寝てるんだろう」
 事情を知るロビンは一先ずもっともらしい理由を取り繕っておいた。朝食ができる頃には起きてくるだろうし、もし起きてこなかったとしたらその時に起こせばいいとロビンは思った。
「そうですか、珍しいこもあるのですね」
 メアリィは言った。
「まあ、取りあえずリョウカはほっといて朝食の準備をしよう」
 ロビンはイワンとメアリィに手伝ってもらい、朝食の準備を始めた。
 航海途中に必要になるであろう食料は十分に船に蓄えておいた。竈などはないが、大体が火を通さなくても良い食料だった。時には煮炊きの必要なものもあったが、そういうときはジェラルドやリョウカの炎で湯を沸かしたりしていた。
 朝食の準備ができた頃、リョウカは起きてきた。
 食事を終えると、一同はこれまでのようにそれぞれ自由に過ごした。
 長い長い船旅はあまりやることもなく、だんだんと飽きを感じてきた。最初のうちは初めて見る海に心を躍らせていたものだったが、来る日も来る日も青い風景ばかりなのは意外にも苦痛なものだった。
 最初の方は常に舵を取らせろとうるさかったジェラルドも今ではほとんど昼寝をして過ごしている。リョウカは素振りしたり、技の研究をしたりと自らを鍛えることに専念し、イワンとメアリィは船内や甲板の掃除や食器洗いなど雑用をこなしていた。
 一方ロビンはただひたすらに舵を握っていた。自分の操舵によって船が進む航路を決められるというのは責任重大な一方面白さもあるように思えた。
 しかし、これが実際には果てしなく退屈だったりする。果てしなく広い大イースト海には岩礁などほとんど無く、舵を切る必要があることは全くといっていいほどになかった。舵を切ると言えばたまに進行方向を変えるときぐらいのものだった。
 今日も今日でロビンは退屈な舵取りをしていた。仲良く甲板の掃除をするイワンとメアリィに、端の方で寝そべってもう一眠りしているジェラルドを見て、羨ましく感じた。
 ふとロビンは横を向いた。リョウカが遠くを心配した面持ちで眺めている。ジパン島が近付くにつれて、彼女には不安が募っているようだった。
 イズモ村はどうなっているのか、村の者は無事でいるのか、気が気でない様子だった。
「やっぱり不安かい?」
 ロビンは訊ねた。リョウカははっとなってロビンに向く。
「不安って、何がだ?」
 リョウカはしらばっくれた。もちろんロビンには隠していることなどお見通しであった。
「イズモ村の事だよ」
 ロビン達の後ろが急に騒がしくなった。掃除をしていたメアリィのモップが甲板に寝そべっていたジェラルドの顔に当たってしまったのだ。
 メアリィは慌てて謝り、ジェラルドはぺっぺと唾を飛ばし、慌てて袖で顔を拭った。
 そんな騒ぎもものともせず二人はまっすぐ向き合う。
「そうだな、もう正直に言おう。不安でいっぱいさ、オロチが復活してみんなが無事でいるのか、考えていたら居ても立ってもいられないよ…」
 リョウカの表情が崩れた。やっぱりそうかという思いがロビンを包み込んだ。
「元気出せよ、きっと無事だよ。リョウカのイズモ村は…」
 ロビンがふと前方を見ると、驚いたように声を上げた。
「見ろよ、島だ!」
 そばにいるリョウカもはっとなってロビンの見る方向を見た。
「島ですって!?」
「ほんとかよロビン!?」
 ジェラルド達も慌てて駆けつけてきた。
「本当さ、ほら」
 ロビンは指差した。
 前方に大小三つの島がある。方向的にも、特徴的な列島である事からもあれがジパン島だと考えて間違いはなかった。
 ついにジパン島にたどり着いたのだ。
    ※※※
 久し振りに帰り着いた故郷は変わった様子はなかった。田は収穫が終わり、焦げ茶色の風景だが、川はせせらぎ、山は紅葉していた。
 見る者全てが美しいと思える景色が広がっていた。オロチが復活するなどとは村の様子からは到底想像できなかった。
「きれいな所だな…」
 ジェラルドは言った。
「本当、水も澄んでいていい所ですわ」
 メアリィは川に手を浸けた。とてもひんやりとした水である。
「どうやら何ともないみたいだ。オロチとかいうのが復活するなんて何かの間違いなんじゃないのか?」
 ロビンはリョウカに訊ねた。リョウカは信じられないといった様子である。
 予想ではオロチが復活し、村は襲われているはずだった。それが村が荒れるどころか、壊れたものが一つとして見当たらない。
 もしかして本当にオロチは復活していないのか、そんな微かな希望が湧いた時だった。
「ん、お前ら見ない顔だな?」
 一人の男がロビン達を覗き込んだ。順繰りに彼らを見ていくと深紅の髪を持つ少女を見て驚いた。
「お前、もしかしてリョウカか!?」
「その声は…」
 リョウカは男を向いた。
「エミシ!」
 エミシと呼ばれた大きな男は確信した。
「やっぱりリョウカか!お前いつ帰ったんだ?」