黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 9
「ここまでね…」
もうこれ以上戦いは続けられない、そう思っていた時だった。
「う…うう…」
地に伏していたロビンが起き上がった。
ヒナは驚いた。もはやもう立つことなどできないほどにロビンは傷だらけであった。それなのにまだ立ち上がろうとしている。
「うぐ!」
ロビンはすぐに膝を付いた。
「ロビン!」
ヒナは駆け寄ろうとした。しかし、すぐに足を止めた。
ロビンの体を紫色の妖しい光が包み込んでいた。
「胸が…熱い!」
光の中でロビンの傷は塞がっていく。同じだった。コロッセオの時、リョウカに完膚なきまでに叩きのめされたあの時と全く同じだった。
「ヒナ…さん、逃げるんだ…!ヒナさんが…殺…される…オレに…!」
「ロビン!」
うああああ、ロビンは叫び声と共にうずくまった。妖しい光の中でロビンの傷はみるみるうちに塞がっていく、それと同時にロビンからこれまでとは段違いの力を感じる。
――現れたわね…――
ロビンの傷は完全に塞がり、すっ、と立ち上がった。前髪に両目を隠し、ガイアの剣をだらりと持っている。
ヒナも構え直し、眉をひそめてロビンと向かい合った。
――あたしが感じた、ロビンの秘められた力――
作品名:黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 9 作家名:綾田宗