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華音の女王(アルエド+ハイウィン+オリキャラ)

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そして、若くして隠居を決め込んだ前の王『黄金の王』と、その弟『琥珀の王弟』は。
譲位後は政の表舞台から姿を消し、従兄弟であるハイデリヒ侯爵の治める領内に邸を構え、お気に入りの女官を一人連れて。
当人達の言う、『遅ればせながらの新婚生活』を密かに満喫していたという。











「───おはよう、兄さん」
「……はよ」
柔らかく差し込む朝陽の中、甘く囁かれる低い声。
「よく眠れた?」
「…ん」
小さく頷けば、良かった、という声と共に額にキスが落とされる。
「外はいい天気だよ。何をして過ごそっか?」
「そうだなぁ…」
長く伸ばした髪を梳かれる感触に、うっとりと目を閉じる。
「ロゼさんにはお休みを出してるから、今日は一日二人きりだよ」
「ああそっか、そうだったっけ」
ぐうっと一つ伸びをして、エドワードは自分を見下ろすアルフォンスを見上げる。
ふわりと微笑む弟の背にある窓からは、澄んだ青空が見える。
まるで、初めて彼の腕の中で迎えた朝のような、とても晴れた日で。
「…じゃあ起き抜けだけど、もっかいするか?」
首を傾げて言えば、弟はきょとんとした顔をして。
「───兄さんも大概元気だよねぇ…」
くすんと一つ、笑う。
「まあボクも、人のことは言えないんだけどさ」
両手を繋いで、指を絡めて。
何も身に纏わない肌を、ぴったりと寄せ合う。
「…いいよ。なんなら一日中シテるってのも、悪くないかもね」
ちゅ、と可愛らしい音を立てて、唇を啄む。
どうする?と尋ねてくる視線に、エドワードが迷ったのはごく数秒。
繋いだ指を解いて、アルフォンスの背に腕を回す。
「……お手柔らかに、頼むぜ?」
「善処はするよ」
ただし、手加減はしないけどね。








程なく寝室に響き始めたのは、エドワードの高い嬌声と、アルフォンスの艶めいた低い声。
「…アル、アルフォンス。───オマエが、すきだよ」
「ボクも。…あなたをあいしてるよ、兄さん」




いくつもの季節を越えて、時を重ね、歳を重ねても、それだけは決して変わらない。
二人しか知らない、お互いを煽るそれは。






何処までもどこまでも甘い、幸福な華音(カノン)。





<了>