the second arrival
猫の集落9
エリスとアキは来た道を戻り森丘のエリア10まで戻ってきていた。
エリス:
「おー、ここがあの人の爆弾で出来た池だねー」
アキ:
「そうニャ。エリスもそれくらいの爆弾を作れる様になるのニャ♪ていうかさっきの爆弾ならこれくらいの池は作れそうだけどニャー…ホントに覚えてないニャ?」
エリス:
「うーん…あっ、雷光虫入れたよー。爆発する時に光ったら綺麗かなーって☆」
アキ:
「ニャー…そんな事でアレ程の威力になるのかニャー…今度調べてみるニャー!」
エリス:
「えへへーよろしくネ♪それはそうとッ今日の晩ごはんは何にするの?」
アキ:
「ニャッそうだニャー…じゃぁお祝いを含めて麻婆豆腐にするかニャッ」
エリス:
「おぉぉぉッさすがアキ!そうと決まれば早く帰ろッそれ一目散に帰ろう!!」
アキ:
「現金だニャー…」
エリス:
「ほら、早くー」
…その時、夕食の献立も決まり、帰ろうと踵を返した二人の間を一陣の風が通り抜けた。
ヒュォォォ…ン…
エリス、アキ:
『…ッ!?』
その風は二人の数m先で渦を巻き、次第に何かを形造っていった。
それは今まで見たこともないモンスターだった。
全身が黒い毛で覆われていて、猫の様な顔に嘴(クチバシ)があり、太く長い尻尾は鋭利な刃物を思わせるほどギラついていた。
パッと見では、リオレウスやリオレイアと違い四足歩行で翼の様な物も見当たらないので飛竜種には見えなかった。
グルルルルル…
アキ:
「な…なんニャあのモンスター…」
エリス:
「し…知らないよぅ…っていうかなんか猫っぽい顔してるよ?アキの親戚じゃないの?ほ、ほほほほほらッ、グルルって…アキが挨拶しないから怒ってるんじゃない!?」
アキ:
「ウ…ウチだって知らないのニャ!に、ニャー…ウチはアイルーのアキって言うのニャー…ぁ…あ貴方はどちら様なのニャー?」
アキは自分が知らないだけで、もしかしたら遠い親戚なのかもしれないと思い話しかけてみた…
が、特に反応は示さず二人に背を向け、少し体制を低くしたかと思うとそのモンスターはまた風となり木々の中へ消えていった。
アキ:
「な…なんだったのニャー…」
エリス:
「ぁー…怖かったぁ…」
アキ:
「ニャー、さっきのみたいなのが来ない内に早く帰るニャッ」
エリス:
「そうだね。帰ろ帰ろう♪」
だいぶ日が暮れてきて他のモンスターも出てきては面倒なので二人は足早にそのエリアを立ち去る事にした。
後には舞いあげられた木の葉がハラハラと元の場所に落ちていくのだった。
subA:終わり
作品名:the second arrival 作家名:ますたーど