機動戦士ガンダムRS 第25話 果てなき輪舞(ロンド)
オーブ領のオノゴロ島に上陸した潜入部隊は、上陸地点で潜水器具を取り工作員から偽装身分証明書を受け取った。
「そのIDで工場の第1エリアまでは、入れる。
だがその先は、完全な個人情報管理システムでね。
急には、どうしようもない。
だから無茶は、してくれるなよ。
騒ぎは、ごめんだ。
獅子は、眠らせておきたいってね」
サオトメは、工作員からの警告を聴くと森の中を進んだ。
森を抜けると丘から工場地区の様子を見た。
しかし朝もやがかかっており少々見にくかった。
サオトメは、バナディーヤでキラとアスランと楽しく過ごした思い出に浸っていたがすぐに払拭し2人に分かれて情報収集に当たった。
※
オノゴロ島の秘密ドックでは、アークエンジェルの修理が続けられていた。
「第6作業班は、13番デッキより作業を開始して下さい」
「機関区及び外装修理班は、第7ブースで待機」
アークエンジェルのブリッジでは、ノイマン少尉とバジルール副艦長が修理の様子を見ていた。
「驚きました。
もう作業に掛かってくれるとは」
ノイマン少尉は、オーブ整備班の作業の早さに驚いていた。
「ああ。
それは、本当にありがたいと思うが」
バジルール副艦長は、いまだオーブにストライクガンダムのこれまでの戦闘データとパイロットでスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトのモルゲンレーテへの技術協力が正しかったのか自問自答を繰り返していた。
「おはよう」
ラミアス艦長がブリッジに入った。
「おはようございます」
ロメロ軍曹、ノイマン少尉とバジルール副艦長も挨拶した。
「御苦労様です」
ラミアス艦長が部下たちをねぎらった。
「既にモルゲンレーテからの技師達が到着し修理作業に掛かっております」
バジルール副艦長は、ラミアス艦長に現状を報告した。
ラミアス艦長は、それを聞きながら艦長席に座った。
「わかりました。
ヤマト少尉は?」
ラミアス艦長がバジルール副艦長にキラ少尉について質問した。
「先刻迎えと共にストライクで工場の方へ行きました」
バジルール副艦長が答えた。
「ありがとう」
ラミアス艦長は、礼を言った。
「この際に内部システムの点検修理を徹底して行いたいと思っております」
バジルール副艦長は、そういうと敬礼しブリッジを去ろうとしていた。
バジルール副艦長は、アークエンジェルのオーバーオールを考えていた。
「お願いね」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長に一任した。
※
ドゴス・ギアの通路をナン准尉が歩いていた。
不意に食堂を通り過ぎようとしたとき食堂から話し声が聞こえた。
気になったナン准尉は、食堂に立ち寄った。
そこにはシグマン大尉、ニール少尉とミサキ中尉がいた。
「失礼します」
ナン准尉は、敬礼しそういって食堂に入った。
「ナ、ナン准尉か」
シグマン大尉は、声を掛けられて驚いていた。
「どうしたんですか?」
ナン准尉は、状況がまったくわからなかった。
「お前の登場は、タイミングがよすぎるぞ」
ニール少尉は、笑いながら言ったがナン准尉は何を言っているのかまったくわからなかった。
「実は、今大尉の恋愛相談を受けていたのよ」
ミサキ中尉がナン准尉に事情を説明した。
「ちゅ、中尉」
シグマン大尉は、恥ずかしそうに言った。
「大丈夫です。
きっとナン准尉は、協力します」
ニール少尉は、力強く言った。
「恋って好きな人がいるんですか?」
ナン准尉は、驚きながら聞いた。
「誰だと思う?」
ニール少尉が質問してきた。
「マーネリー軍曹?」
ナン准尉は、相手がパイロットかもしれないと思ったがブリッジの人物を答えた。
「よくわかったな」
ニール少尉は、ナン准尉に感心していた。
「本当ですか?」
ナン准尉は、本人に確認した。
「ま、まあな」
シグマン大尉は、照れながら認めた。
「それで私たちにうまく告白する手は、ないかと相談しに来たの」
ミサキ中尉がこれまでの経緯を話した。
「こういうのは、経験者に聞くのが一番だと思って」
ニール少尉とミサキ中尉には、恋人がいる。
そのためシグマン大尉こういうことを相談する相手にうってつけだと思った。
「がんばってください。
応援します」
ナン准尉は、シグマン大尉にエールを送った。
「お前にも手伝ってもらうから」
「どういうことですか?」
ナン准尉は、ニール少尉の言っている意味がわからなかった。
「マーネリー軍曹の性格上いきなり真正面から行くのは、かなり難しいと思うの。
それで色々と作戦を立てようと思って」
ミサキ中尉が説明するとナン准尉は、納得した。
マーネリー軍曹は、人見知りの部分がありあまり他人と積極的に話す性格ではなかった。
「どんなことをするのですか?」
ナン准尉は、ニール少尉に質問した。
「内容は、内緒だ。
ちょっと使い古した手だけど数をこなせばうまくいくと思う」
ニール少尉は、大まかなことだけを教えた。
「『恋愛は、大きな勘違いから始まる』って言うしね」
ミサキ中尉が恋愛の始まりを語った。
「これから食堂、通路、ブリッジ、リクリエーションルームに担当者がスタンバイする。
ナン准尉は、協力者とともにシグマン大尉を引き立つように振舞ってくれ。
いいか。
いつもの『いい人』では、だめだ」
ニール少尉は、ナン准尉に命令した。
「了解しました」
ナン准尉は、うまくできるか自信が持てなかった。
「4ヶ所全部こなせ。
1ヶ所でも失敗したらすべてだいなしだからな」
ニール少尉は、ナン准尉にノルマを課した。
「なんだか生き生きしてますね、少尉」
ナン准尉は、こんなにも生き生きしたニール少尉を見たことなかった。
「こういう悩み事は、任せておけ」
ニール少尉は、胸を張っていった。
※
準備が整ったのでナン准尉は、まず食堂に行った。
(ニール少尉とミサキ中尉がカードで何かしている。
何をしているのだろう)
ナン准尉は、内容がわからないにもかかわらずうまくやれるか不安だった。
「いいじゃなない、マーネリー軍曹」
ミサキ中尉がマーネリー軍曹を誘っていた。
ミサキ中尉がナン准尉に気づいた。
「ナン准尉も来て。
タロット占いをするところなの」
どうやらミサキ中尉は、タロット占いをはじめるらしい。
「でもタロット占いって死神カードがあるじゃないですか。
それが出そうで怖いです」
マーネリー軍曹は、死神カードが出るかもしれないと不安だった。
「大丈夫よ。
死神カードなんて出やしないわ」
ミサキ中尉は、何とかマーネリー軍曹を説得した。
「じゃ、じゃあ一度だけなら」
マーネリー軍曹は、しぶしぶ占ってもらった。
「じゃあ占いテーマは、『恋愛』にしましょう。
心の中で『恋人は、できるか?』と思い浮かべて直感で何回カットするか指定して」
マーネリー軍曹は、指定しミサキ中尉がその回数だけタロットカード独特のカットの仕方でカットした。
そして占い結果を見た。
「これは」
ミサキ中尉は、結果を見て驚いた。
「そのIDで工場の第1エリアまでは、入れる。
だがその先は、完全な個人情報管理システムでね。
急には、どうしようもない。
だから無茶は、してくれるなよ。
騒ぎは、ごめんだ。
獅子は、眠らせておきたいってね」
サオトメは、工作員からの警告を聴くと森の中を進んだ。
森を抜けると丘から工場地区の様子を見た。
しかし朝もやがかかっており少々見にくかった。
サオトメは、バナディーヤでキラとアスランと楽しく過ごした思い出に浸っていたがすぐに払拭し2人に分かれて情報収集に当たった。
※
オノゴロ島の秘密ドックでは、アークエンジェルの修理が続けられていた。
「第6作業班は、13番デッキより作業を開始して下さい」
「機関区及び外装修理班は、第7ブースで待機」
アークエンジェルのブリッジでは、ノイマン少尉とバジルール副艦長が修理の様子を見ていた。
「驚きました。
もう作業に掛かってくれるとは」
ノイマン少尉は、オーブ整備班の作業の早さに驚いていた。
「ああ。
それは、本当にありがたいと思うが」
バジルール副艦長は、いまだオーブにストライクガンダムのこれまでの戦闘データとパイロットでスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトのモルゲンレーテへの技術協力が正しかったのか自問自答を繰り返していた。
「おはよう」
ラミアス艦長がブリッジに入った。
「おはようございます」
ロメロ軍曹、ノイマン少尉とバジルール副艦長も挨拶した。
「御苦労様です」
ラミアス艦長が部下たちをねぎらった。
「既にモルゲンレーテからの技師達が到着し修理作業に掛かっております」
バジルール副艦長は、ラミアス艦長に現状を報告した。
ラミアス艦長は、それを聞きながら艦長席に座った。
「わかりました。
ヤマト少尉は?」
ラミアス艦長がバジルール副艦長にキラ少尉について質問した。
「先刻迎えと共にストライクで工場の方へ行きました」
バジルール副艦長が答えた。
「ありがとう」
ラミアス艦長は、礼を言った。
「この際に内部システムの点検修理を徹底して行いたいと思っております」
バジルール副艦長は、そういうと敬礼しブリッジを去ろうとしていた。
バジルール副艦長は、アークエンジェルのオーバーオールを考えていた。
「お願いね」
ラミアス艦長は、バジルール副艦長に一任した。
※
ドゴス・ギアの通路をナン准尉が歩いていた。
不意に食堂を通り過ぎようとしたとき食堂から話し声が聞こえた。
気になったナン准尉は、食堂に立ち寄った。
そこにはシグマン大尉、ニール少尉とミサキ中尉がいた。
「失礼します」
ナン准尉は、敬礼しそういって食堂に入った。
「ナ、ナン准尉か」
シグマン大尉は、声を掛けられて驚いていた。
「どうしたんですか?」
ナン准尉は、状況がまったくわからなかった。
「お前の登場は、タイミングがよすぎるぞ」
ニール少尉は、笑いながら言ったがナン准尉は何を言っているのかまったくわからなかった。
「実は、今大尉の恋愛相談を受けていたのよ」
ミサキ中尉がナン准尉に事情を説明した。
「ちゅ、中尉」
シグマン大尉は、恥ずかしそうに言った。
「大丈夫です。
きっとナン准尉は、協力します」
ニール少尉は、力強く言った。
「恋って好きな人がいるんですか?」
ナン准尉は、驚きながら聞いた。
「誰だと思う?」
ニール少尉が質問してきた。
「マーネリー軍曹?」
ナン准尉は、相手がパイロットかもしれないと思ったがブリッジの人物を答えた。
「よくわかったな」
ニール少尉は、ナン准尉に感心していた。
「本当ですか?」
ナン准尉は、本人に確認した。
「ま、まあな」
シグマン大尉は、照れながら認めた。
「それで私たちにうまく告白する手は、ないかと相談しに来たの」
ミサキ中尉がこれまでの経緯を話した。
「こういうのは、経験者に聞くのが一番だと思って」
ニール少尉とミサキ中尉には、恋人がいる。
そのためシグマン大尉こういうことを相談する相手にうってつけだと思った。
「がんばってください。
応援します」
ナン准尉は、シグマン大尉にエールを送った。
「お前にも手伝ってもらうから」
「どういうことですか?」
ナン准尉は、ニール少尉の言っている意味がわからなかった。
「マーネリー軍曹の性格上いきなり真正面から行くのは、かなり難しいと思うの。
それで色々と作戦を立てようと思って」
ミサキ中尉が説明するとナン准尉は、納得した。
マーネリー軍曹は、人見知りの部分がありあまり他人と積極的に話す性格ではなかった。
「どんなことをするのですか?」
ナン准尉は、ニール少尉に質問した。
「内容は、内緒だ。
ちょっと使い古した手だけど数をこなせばうまくいくと思う」
ニール少尉は、大まかなことだけを教えた。
「『恋愛は、大きな勘違いから始まる』って言うしね」
ミサキ中尉が恋愛の始まりを語った。
「これから食堂、通路、ブリッジ、リクリエーションルームに担当者がスタンバイする。
ナン准尉は、協力者とともにシグマン大尉を引き立つように振舞ってくれ。
いいか。
いつもの『いい人』では、だめだ」
ニール少尉は、ナン准尉に命令した。
「了解しました」
ナン准尉は、うまくできるか自信が持てなかった。
「4ヶ所全部こなせ。
1ヶ所でも失敗したらすべてだいなしだからな」
ニール少尉は、ナン准尉にノルマを課した。
「なんだか生き生きしてますね、少尉」
ナン准尉は、こんなにも生き生きしたニール少尉を見たことなかった。
「こういう悩み事は、任せておけ」
ニール少尉は、胸を張っていった。
※
準備が整ったのでナン准尉は、まず食堂に行った。
(ニール少尉とミサキ中尉がカードで何かしている。
何をしているのだろう)
ナン准尉は、内容がわからないにもかかわらずうまくやれるか不安だった。
「いいじゃなない、マーネリー軍曹」
ミサキ中尉がマーネリー軍曹を誘っていた。
ミサキ中尉がナン准尉に気づいた。
「ナン准尉も来て。
タロット占いをするところなの」
どうやらミサキ中尉は、タロット占いをはじめるらしい。
「でもタロット占いって死神カードがあるじゃないですか。
それが出そうで怖いです」
マーネリー軍曹は、死神カードが出るかもしれないと不安だった。
「大丈夫よ。
死神カードなんて出やしないわ」
ミサキ中尉は、何とかマーネリー軍曹を説得した。
「じゃ、じゃあ一度だけなら」
マーネリー軍曹は、しぶしぶ占ってもらった。
「じゃあ占いテーマは、『恋愛』にしましょう。
心の中で『恋人は、できるか?』と思い浮かべて直感で何回カットするか指定して」
マーネリー軍曹は、指定しミサキ中尉がその回数だけタロットカード独特のカットの仕方でカットした。
そして占い結果を見た。
「これは」
ミサキ中尉は、結果を見て驚いた。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第25話 果てなき輪舞(ロンド) 作家名:久世秀一