鴉天狗と!!
「ホント…あの方は何がしたかったんでしょうね?」
「暇つぶしなんじゃないか?」
「…それでつかささん、空中にいましたけど空は飛べるんですか?」
射命丸が渡された紙を見ながら聞いてくる
「いや、さすがに飛べはしないな…浮くのがやっとってとこだよ」
「そうですか。うーん…仕方ないですね、書いてある場所まで距離もありますし…………はい」
そう言って手を差し出してきた
「え……えっと…」
俺にどうしろと?
「…何してるんですか?ほら、早く握ってくださいよ…歩いて行ったら夜まで間に合いませんよ?」
確かにもう、日が傾いている
「あ、ちょ……」
半ば強引に俺の手を取り、柔らかい手の感触が伝わってくる
……手、ちっちゃいな
「行きますよー…そこまでスピードは出しませんから………それっ!」
「うわっ…!」
感じる浮遊感
俺も能力を使い、浮遊だけはしておく
まぁ、念には念をってやつだ
徐々に離れていく森、遠くに見える人里
あまりスピードを出さないでいてくれたので、辺りを見渡す余裕がある
「あ、そういえば……」
それからしばらくして、何かを思い出したように呟いた
「…どうした?」
「まだ、言ってなかったですよね……ようこそ、幻想郷へ!」
夕陽と共に見た彼女の笑顔は、とても幻想的で美しかった