The world make kaput <2章>
エリス3
エリス:
「やー、着いたよチャッキー」
チャッキー
「んきゃ♪」
着いたと言ってもただ森丘のキャンプに着いただけなのだが。
支給品ボックスから釣りミミズを取り出し、テントの裏にある池へ向かうと…
―ヒュン…ポチャン―
どうやら先客がいるようだ。
エリスはこっそりと池の方を覗いてみた。
そこには…髪は伸びきり、上半身は裸。
下半身はボロボロのクリーム色のジャージを履いた男が死にそうな…というよりは死んだ魚の様な目をして餌の付いてない竿をひたすら振っていた。
エリス:
「…へ、変態だ…チャッキー、変態さんだよ…」
チャッキー
「ンキャァ…」
二人はプルプルと震えながら後退りをする。
エリス:
「いーい?絶対見ちゃ駄目だよ?足音たてずに、ささーって出口まで行くよ」
キャンプでの釣りは諦め、別の釣り場を探すことにしたエリスは、キャンプの出口を指差す。
チャッキー:
「ンキャッ」
二人して中腰になり、そろりそろり、と歩きだす。
出口まであと半分くらいの所でエリスが足を止める。
視線を感じたからだ。
もちろんチャッキーではない。
見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ…
心の中で同じ言葉を反復させるが、二人は、振り向いてしまう…。
案の定、男はこちらを見ていて、エリスと目が合ってしまう。
???:
「……」
エリス:
「……」
チャッキー:
「……」
???
「何見てんだゴルァァアァ!!」
エリス:
「キャァァ変態だぁァァァァァァ!」
チャッキー:
「ンキャァァァァ!!」
???
「誰が変態だゴルァァアァァ!!」
男が立ち上がり、こちらに向き直る。
作品名:The world make kaput <2章> 作家名:ますたーど