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Wizard//Magica Wish −14− 最終回

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「ほむらちゃん、私達もっ…」
「ダメよ、今あの戦いに加勢すれば間違いなく返り討ちに合うだけ」
「でもっ!!」
「落ち着いて、まどか。操真ハルトはミサを倒すつもりじゃない…全く、どこまで彼は甘いの…っ…」
「それって…もしかして、ハルトくんはっ!!」


「えぇ…魔女ではなく、魔法少女であるミサを、指輪に変えるつもりよ」


まどかは衝撃を受けた。
そんなことをしてしまえば、間違いなくハルトは魔女化してしまう。既に限界を迎えている彼に再びそんな強力な魔法を使わせてしまえば、次は無いことぐらい、わかっている。

彼は覚悟しているんだ…。
自分が魔女化してしまうことを!

「駄目だよハルトくんっ!そんなことしちゃ!!」
「違うわ、彼は黙って魔女化する訳じゃないのよ…そうでしょ?操真ハルト」


(そのとおりだよ、ほむらちゃん)


「えっ…ハルトくん!!?」




目の前で自分達では手も足も出ない激しい戦闘の最中だというのに、思念通話で二人へ話しかけてきた。




「ハルトくんっ!!」
(ごめん まどかちゃん…やっぱりね、俺の運命は変えられないみたいなんだ)

「そんなことない!!きっと変えられるはずだよっ!!この世界にはね!?乗り越えられない壁なんてものはないのっ!!絶対にだよっ!!」

(でも…手遅れみたいなんだ…こうやって人間の個体を保っていられること事態が、奇跡なんだ)

「駄目だよっ!!お願いだからっ…う、うぅ…諦めないでぇ…」


いつの間にか、まどかの目からは大量の涙が流れ落ちていた。ほむら はそんな まどかを見てはいられず、地面に視線を落としてしまった。


(だからお願い。…ほむらちゃん、わかっているね?)


「…っ…え、えぇ…」
「ほむらちゃん?…何…なんなのっ!?教えてハルトくん!ほむらちゃんに何を望んでいるの!!?」


(俺がミサをウィザードリングに変えたと同時に、…俺を)



「っ!!」



(俺を、殺してくれ)



「…っ!!!?」

「わかったわ…あなたの願いを叶えてあげる」

「ちょっと待って!!そんなのってないよ!!あんまりだよっ!!!!」


(…っ…ありがとう、ほむらちゃん)


「そんな…そんなぁぁっ!!!!」


こんなの絶対おかしいよ。
なんで?なんでハルトくんは報われないの?

「嫌だぁぁ…こんなのって…こんなのってぇっ!!!!」

人間とか、ソウルジェムとか…そんなの関係ないじゃない。
ハルトくんはハルトくんなのにっ…

なんで…どうして…



(まどかちゃん、聞いて)

「うぅぅ…ひぐっ…」

(…ねぇ、まどかちゃんさ、覚えてるかい?)



−私がハルトくんの希望になるっ!!−


「っ!!!!」

自分の頭の中に、図書館で彼に言った言葉が浮き上がった。


「これでっ!!きゃあっ…くそぉぉ!!」
「ぐふっ…うあぁぁぁっ!!!!」

(あの時、俺は まどかちゃんから今後俺が歩むべき道を教えてくれた)




「あ、あぁ………あぁぁ…」



−じゃあ、あなたは今日から『仮面ライダー』だね−



「『ディフェンド』プリーズ!」
「はぁぁぁぁぁっ!!!!」


(仮面ライダー…人々に希望と明日を与える正義のヒーロー。まどかちゃん、君に出会ったお陰で、俺の生き方、俺がやらなければいけない事を教えてくれたんだ)



「ひぐっ…ハルトくん……」




「きゃぁぁぁぁっ!!!!」
「はぁっ…はぁっ…ウオォォォォォっ!!!!」




(あの時、まどかちゃんが教えてくれたから今の俺がいる。人々に『希望』を与える魔法使いになれたんだ。もし、まどかちゃんに出会えなかったら、今も気付かずに戦っていたかもしれない)




「……ぐすっ…」




(だからこうして戦うことができる。傷つけていることには変わりないけどさ、倒すために戦うんじゃなくて、相手を救うために戦うんだって)