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サオトメとサウス中尉は、オーブの街並みを歩いていた。
オーブの街は、平和そのものだった。
「見事に平穏ですね、街中は」
　サウス中尉は、オーブ国民の平和ボケにあきれ半分にいった。
「ああ。
昨日自国の領海であれだけの騒ぎがあったって言うのに」
　サオトメも自国の領海近くで戦闘があったにもかかわらずいまだ戦争を知らない人々にあきれていた。
「中立国だからですか？」
　サウス中尉がサオトメに質問した。
「いや、戦争そのものを知らないからだろう」
　サオトメは、オーブ連合首長国が中立宣言して以来戦争というものを完全に遮蔽してしまったためにこのような事態になったと考えていた。

　　　　　　　　　　　　　※

　4人は、集合場所の公園に集まっていた。
皆アーガマもどきの有無に関する情報は、まったく入手できなかった。
「軍港に堂々とあるとは、思っていないけどさ」
　クーパー中尉がぼやいた。
クーパー中尉とウォーレン中尉は、軍港近くを探したが有力な情報を得られなかった。
「あのクラスの船だ。
そう易々と隠せることは、できないさ」
　サオトメは、有機エレクトロルミネッセンス式タブレット地図を操作しながらぼやいたクーパー中尉をなだめた。
「そうおっしゃる隊長は、何か手がかりをつかめたのですか？」
　ウォーレン中尉がサオトメの発言に食いついた。
「先も言ったがあのクラスの船をそう易々と隠せることは、できない。
そこであの船を秘匿できる地形を探してみたんだ」
　サオトメは、オノゴロ島の地図を上方と両端から映した。
「このオノゴロ島は、がけも多いんだ。
そのがけの高さは、大体アーガマもどきの全高より高いんだ」
　その言葉にサウス中尉は、はっとなった。
「すなわちモルゲンレーテ社近くのがけに秘密ドックが存在しそこにアーガマもどきが入渠した可能性がある」
　サオトメは、3人に自分の推測を言った。
「じゃあ話は、簡単じゃないですか。
そこのがけに行って手がかりを見つけましょう」
　クーパー中尉とウォーレン中尉は、動こうとしたがサウス中尉とサオトメは動かなかった。
「ここは、獅子が統治する厄介な国だ。
そう簡単に手がかりを見つけられるとは、思わないが」
　サオトメは、実際行っても手がかりは見つけられないと思っていた。
「確かに厄介な国ですね、ここは」
　サウス中尉がそうぼやいた。
3人も心底それを感じている。

　　　　　　　　　　　　　※

　アークエンジェルには、続々と物資が搬入されていた。
マードック曹長は、そのリストをチェックしサインするだけで疲れていた。
フラガ少佐は、スカイグラスパーの整備作業を見守っていた。

　　　　　　　　　　　　　※

　ラミアス艦長は、通路でキラ以外のヘリオポリスの学生たちを集め重要な話をした。
「明日午後軍本部でご両親と面会が許可されました」
　その言葉にフレイ以外は、歓喜の声を上げた。
「状況が状況だから家にも帰してあげられないし短い時間だけど」
　ミリアリアは、うれしさのあまり涙を流してしまった。
フレイは、その場を去った。
サイは、掛けられる言葉もなく追いかけなかった。
「細かい予定は明日通達・・・・。
ちょっと、聞きなさい」
　皆は、うれしさのあまりラミアス艦長の言葉が聞こえてなかった。

　　　　　　　　　　　　　※

　η艦隊は、補給艦から補給物資を搬入していた。
η艦隊は、ここまで無補給で連戦をしていたため物資が減っていた。
そのため基地によれなくても勢力圏内にいられるため補給を行おうと結論を出した。
ミサキ中尉が下士官室に時間が空いているキグナン少尉、シーサー少尉、ニール少尉とチャールズ少尉を集めた。
「今コロンブス級補給艦から補給物資が着ています。
そこであなたたちは、マン・マシーンデッキとそれ以外の二手に分かれて物資の搬入を伝だってほしいの」
　ミサキ中尉が4人に命令を出した。
「了解」
　4人は、敬礼をした。
「じゃあ俺とシーサー少尉がマン・マシーンデッキに行こう。
ニール少尉とチャールズ少尉は、それ以外の運びを頼む」
　キグナン少尉の発言に誰も異を唱えなかった。

　　　　　　　　　　　　　※

　ニール少尉とチャールズ少尉は、指示を仰ぐためブリッジに入り敬礼した。
「失礼します。
ミサキ中尉より物資の運搬作業を手伝うようにいわれました」
　そこには、ブライアン艦長がいた。
「艦内においてある物資を所定の部屋においてくれないか？
どこにおくべきかは、包装容器に書かれている」
　ブライアン艦長は、2人にすべき内容を話した。
「わかりました。
包装容器は、どのあたりにおいてあるんですか？」
　ニール少尉は、包装容器がありそうなとこを聞いた。
「あまり作業を行わない場所や人が通るような場所においておけと命令しておいた。
だからそのあたりを探してくれ」
　ブライアン艦長が2人に包装容器がありそうな場所を教えた。
「了解」
　2人は、ブライアン艦長から指示を聞くと敬礼してブリッジを去った。

　　　　　　　　　　　　　※

　2人は、通路にいた。
「やっぱり『人が通るような場所』といったら通路だよな」
　ニール少尉は、チャールズ少尉に言った。
「あそこに荷物がある」
　チャールズ少尉が通路においてある荷物を見つけた。
「これは、医務室に持っていくものだな」
　2人は、荷物を持っていく先を確認した。
　2人は、医務室に運ぶべき荷物をすべて運んだ。

　　　　　　　　　　　　　※

　次に2人は、リクエーションルームに来た。
「ここにも荷物があるのか？」
　ニール少尉は、リクエーションルームには荷物がないと思った。
「さあな。
だから一応見るのさ」
　チャールズ少尉は、万遍なく見ることが重要だと感じていた。
「あそこに荷物があった」
　2人は、荷物に近づいた。
「ここの荷物は、リクエーションルームの荷物と別の部屋の荷物が一緒になってる」
　ニール少尉は、リクエーションルームの荷物と別の部屋の荷物が一緒になってるのに気づいた。
「本当だ。
まずは、リクエーションルームの荷物と別の部屋の荷物で分けよう」
　2人は、リクエーションルームの荷物と別の部屋の荷物で分けた後それぞれの荷物を適当な部屋に運んだ。


　　　　　　　　　　　　　※

　次に2人は、食堂に来た。
「食堂は、さすがにないだろう」
　ニール少尉は、ここには荷物がないと直感した。
「わからないぞ。
リクエーションルームの時みたいに食料を運ぶついでにほかの荷物もおいていった可能性は、十分にある。
厨房を見てみよう」
　2人は、厨房に行った。
「ほらここに荷物がある」
　チャールズ少尉が荷物を見つけた。
「やっぱり別の部屋の荷物が一緒になってる」
　荷物は、まとめて一緒になっていた。
「また荷物を分けてから運ぼう」
　2人は、荷物を分けた後それぞれの荷物を適当な部屋に運んだ。

　　　　　　　　　　　　　※

　2人は、結果を報告にブリッジに入って敬礼した。
「荷物を運び終えました」
　ニール少尉が報告した。
「万遍なく見たか？」
　ブライアン艦長が聞いてきた。