真白物語
「ああ、もうそろそろ星野さんが警察から戻ってくる時間ですね。私はそろそろお暇させていただきます。ノゾミさん、今はとりあえずゆっくりとお休みください。時期に大岡さんも戻ってこられますから、そのときにはきっと事件は解決するかと思いますよ。それでは、また――」
と、立ち上がった東間さんに対して私は「ありがとうございました――」としか(おそらくあまり感情はこもっていなかったように思える)言えなかった。そのとき私は、いろいろなことが、激しく頭の中で渦を巻いていて、何が何やら訳が分からなくなっていたのである。
もし、星野さんがお金目当てでこんな殺人を起こしたのだとしたら――恐らく、コーディネーターという職業の名前は地に落ちることだろう。様々な人たちに後ろ指を指されて今後、私たちがコンテストを行っていくにあたって非常にやりにくくなることは目に見えるようであった。
ああ、私は、私は如何したら良いのだろうか!!