物語にもならぬ物語
「それくらいの傷で血を流すようじゃ、まだまだ、訓練がたりないんじゃないか?副長官。」
そういえば、
「.................鉄を蹴り砕くあなたの蹴りいれられて、これくらいですんでるのも日々の訓練の賜物なんですが・・・」
ぶつぶつと何かしら呟いていたが、
はーと息を吐き立ち上がり、米神の血を拭う。
「あの術はしばらくはつかえませんよ。」
「かまわないよ。徒歩でいくから」
いい運動になるしね
そう返して、
歩き出した。
この時、数年後、少年から青年へと成長した『生き残り』に『再会』するとは
さすがの僕も思わなかったけれど。
僕と彼の出会いなんて物語よりもなお、希薄なものでしかなかった。
これは、そんなお話。
END