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こらぼでほすと ダンス2

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 世界は、かなり落着いているし、この調子なら、オーヴくらいは遠征できることはわかったから、ニールも出かける気になる。二、三日なら亭主も文句は言わないだろう。なんなら、一緒すればいいと考えている。
「ゴールデンウィークなら、どうにかなるだろう。うちのに日程を組ませておくよ、娘さん。リジェネくんも降りて来るんだろ? 」
「たぶん、ティエリアの素体の交換が終わったら、降りて来ると思います。・・・ほら、ティエリアが旅行に行くんで、あいつも行きたいって言ってたんですよ。」
 リジェネもティエリアもヴェーダとリンクしているから、ヴェーダ本体に居座っている必要はない。出来る限り、ママのところへ帰る、と、リジェネは宣言していたから、雑用が終われば降りて来るはずだ。
「ママニャン、せっかく親衛隊さんが用意してくれたんだ。こっちも飲め。」
 サイドテーブルに置かれているカクテルを手にしてハイネが差し出す。アルコール度数からすると、これを飲めば寝るだろうとの予想の上に差し出している。
 ああ、そうだな、と、ニールも口をつけた。レイも味見するか? と、飲ませて、しばらくすると、欠伸をしている。予想通りであるらしい。
「ちょっと昼寝しましょう。」
 レイがチェアから立ち上がり、ニールの身体を、そこに横にする。日差しが直接、当たらないようにトダカが親衛隊に命じて、パラソルを移動させた。その頃には、ニールはくーすか寝ているので、一同、笑っていたする。
「一時間くらいしたら起こすとしよう。」
「やっぱ、体力的にはオーヴが限界なんだろうな。レイ、夏にプラントに行くつもりなら、ママニャンに体力つけさせないとマズイぞ? 軌道エレベーターでも加速Gは、ジェット機の比じゃないからな。」
「徐々に、散歩を一緒にしてもらおうかな。・・・昼寝時間を取らなくていい体力は必要ですね、トダカさん。」
「まあ、そんなところだろうね。娘さんも、それは解っているから、適当に運動はするだろうさ、レイ。」
「俺、ちょっくら地下に行ってきます。後をお願いできますか? お父さん。」
「ああ、こっちは大丈夫だ。手のかかる亭主が居るから、ニールも気付かないだろう。」
「あんた、それは嫌味か? 」
「いや、事実だろ? 」
 『吉祥富貴』のスタッフ全員が、休暇というわけでもない。ラボのほうには鷹が留守番で残っているし、地下のファクトリーのほうで虎が、今後のMSの整備についての打ち合わせをしている。年少組も常時、休暇ではなく、適当に出入りはする予定だ。対肉弾戦組は休暇だから、ニールのほうは、そちらと行動を共にしてもらえば問題はない。カガリとラクスは、今回は、本気で仕事は外しているので、そちらがフェルトたちと騒ぐ予定だ。
「レイもシンたちのところへ合流しておいで。どうせ、娘さんは寝ているだけだ。」
「いや、俺はハイネと地下に行きます。明日の予定を確認しておかないと。MSのテストを頼まれているので。」
 レイたちは、主に新鋭機のテストパイロットを担当している。オーヴ本国の軍人を使うと、新型の情報が漏れてしまうので、秘密裏に行なう場合は借り出されている。明日の朝は、そちらの仕事が入っている。
「じゃあ、夕方に合流だな。行っておいで。」
 トダカは、今回は何も予定を入れていないので、のんびりとバカンスを楽しむつもりだ。前回、キサカに接触禁止を申し渡したので、キサカも押しかけて来る事はない。まあ、それでも何かしらの情報交換はあるから、適当に抜けるつもりはしているが、それも重要ではないので、フェルトたちと遊ぶほうが優先する。
「トダカさん、明日の予定は反故で? 」
「ああ、夜に変更しておいてくれ。どうせ、愚痴大会なんだから、飲んで聞くほうが楽だ。」
 ウヅミーズラブ一桁組と顔を合わせる予定だったが、それを変更することにした。今のところ、『吉祥富貴』を動かすほどの案件はないので、トダカも状況を確認するぐらいの緩い予定だ。
 周囲が、いろいろと手配しているのを横目にして、坊主のほうは新聞を広げている。本気でバカンスなので、これといって予定はない。
ちなみに、沙・猪家夫夫も到着しているが、部屋から出て来ないので、スルーされている。
作品名:こらぼでほすと ダンス2 作家名:篠義