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こらぼでほすと ダンス5

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翌日、午前中は、フリーで午後から珊瑚礁クルーズに出かけた。これも希望者だけのはずだが、ほぼ全員が参加している。坊主も参加しているのだが、それは桃色猫が、「一緒に行こう。」 と、誘いに来たから、しょうがなく付き合っている。
 船で一時間ばかり沖に出たところに、珊瑚礁はあった。オーヴは大小の島が纏まっている国家なので、小さな島がいくつも点在して、そこいらに珊瑚礁もある。綺麗な環状になっていて、真ん中は、ずどんど落ち込んだ深い海の色になっている。トダカが、お勧めだと言ったのも納得の美しい場所だった。
「なあ、ママ。下に死ぬほど魚がいる。」
 ボートの下を覗き込んでいた悟空が興奮して教えてくれた。全員が、海中に目をやると、確かに大小様々な魚が群れているのが、肉眼でもわかる。
「ここは、魚を捕獲することが禁止されているから、逃げないし数も多いんだよ。」
 トダカの説明に、へぇーとニールたちも頷く。自然保護地区というもので、ここでは海を荒らす行為は違反であるとのことだ。
「俺、こんなとこ知らなかったなあ。」
「学校で習うはずだけどね? シン。」
「・・うっ、そんな子供の頃のことなんて覚えてないってか忘れてるんだって。」
「そうなのか? オーヴは、かなり環境保護には力を入れているはずなんだがなあ。」
 一時期、オーヴで暮らしていたアスランは知っているらしい。カガリの護衛として、その手の会議にも出ていたからだ。
「うちは技術が売りなんだぞ? シン。自国の環境をキープできるのも技術力が高いからだ。それぐらいは覚えておけ。」
「うっせぇーな、アスハ。」
「・・・うちは、どうなんだろう。まだ、世界遺産とか、そのまんま残ってるのかな。」
「アイルランドは、一部、戦争や災害で破壊されているものもありますが、概ね、現存してますよ、ママ。」
 レイは、世界遺産を巡る旅をしていたから、そこいらのチェックもしていた。その当時は、なんの縁も縁もなかった土地だったが、今はレイのママの故郷だから、もう一度、調べた。自然が豊かな緑の島と呼ばれるところが、レイのママの故郷だ。
「そうなのか、レイ? 一度、うちのやつらを案内したことはあるんだけど、有名どころをちょろっと廻っただけだったんだ。 いつか、ちゃんと観たいな。」
「もう少し、体調が落着いたら、一緒に行きましょう。俺も行ったことはないんです。」
「あたしもーーっっ。」
 フェルトも、ニールの腕を掴んで、行くと宣言している。緑の島は、過去、いろんな紛争が引き起こされた場所だ。自然は豊かだが、人間同士は、かなりやりあっている場所でもある。ほんと、人間同士が仲良くなるって大変だな、と、ニールは内心で呟く。
「私も行きたいな、娘さん。」
「ええ、いい酒がありますよ? トダカさん。」
「別に、私は酒だけに興味があるわけじゃないんだが。」
「でも、とーさん、酒好きじゃんか。」
「まあ、そうだけどね。・・・さて、次の場所に移動しよう。ここから、すぐのところに珊瑚の島があるんだ。」
 操船しているスタッフに、トダカが声をかけて船を移動させる。少し移動したところに、海の真ん中に、ぽっかりと白い島がある。真っ白で砂浜だと思ったら、それは全て、朽ちた珊瑚だった。海流の加減で、ここに蓄積して島のように盛り上がったのだそうだ。
「上陸するかい? 」
「「「「するーっっ。」」」」
 船を近づけると、小型のゴムボートが用意される。上陸組は、それに乗り込んで小さな島へ出て行った。小さくて、周囲百メーターもないから、ボートから降りても隠れる場所もない。ただのただっぴろい場所だ。
「干潮の時なら、もう少し広いんだけどね。」
「これ、他にもあるものなんですか? 」
「ああ、オーヴには、たくさんあるよ、娘さん。まあ、これだけ、はっきりと白い島は珍しいんだが。」
 島が多いので、海流が複雑な流れを作り出している。そのため、こういう場所もできるのだ。
「もう少し暑かったら、いい海水浴場になるなあ、トダカさん。」
「そうだね。さすがに、今は、ちょっと水温が低いかな。」
 と、悟浄とトダカが話していたら、悟空とシンが海に飛び込んで、ぷかぷかと浮いている。人外とかコーディネーターは、これぐらいなら泳いでも寒くはないらしい。
「あーあー、やっちまった。」
「大丈夫ですよ、ニール。バスタオルは用意してます。どうせ、こうなると思ってましたから。」
 『吉祥富貴』最強のおかんは、そんなことは想定内だ。さっきの場所で飛び込まなかったのが、あれ? と、思ったぐらいだ。ついで、キラとカガリも飛び込んだ。そうなってくると、フェルトやアスランも飛び込んでしまう。もう、わやくちゃ状態で遊んでいるから、スルーの方向だ。
「しばらく遊ばせておこう。あいつら、回収するまで、こっちはティーブレイクとしようか。」 
 と、虎がおっしゃったのだが、背後からアイシャとダコスタに抱きつかれて、そのまんま海中に落とされた。島から船までは、かなりの距離だが、虎は笑いながら、アイシャを背中に担いだまま、島へと泳いでいる。ダコスタのほうも単独で泳いでいる。
「あーあー、虎さんまで。」
 悟浄が、ゲラゲラと笑っていたら、坊主に蹴りを見舞われて叩き落された。
「ちょっと、三蔵。やりたいなら、ニールとやってくださいよ。」
「うちのは風邪をひく。おまえも飛び込め、八戒。」
「僕だって、風邪を引きます。・・・もう、本当に悪戯っ子なんだから。」
 はははは・・・と、イノブタさんは高らかに笑って、坊主に気功波をお見舞いして、かなり遠くの海に弾き飛ばした。浮かび上がって激怒している坊主に、優雅に笑顔で手を振っている。着衣で水泳は危ないとか、サメがいるだろうとか、そういう抗議はない。みんな、そんなことぐらい勝手に撃退できるメンバーだからだ。
「なーなー、トダカさん。ここは魚捕まえていいの? 」
 船の近くまで、悟空が泳いできて、そう尋ねる。別にいいけど、銛も網もないよ? と、トダカが言うと、ざっぷんと潜って、大きなウミガメと共に浮上してきた。
「これ、食える? 」
「食べられるけど、ここで調理はできないな。・・・それより、それ、フェルトちゃんにも触らせてあげてくれないか? 悟空くん。」
「オッケー。」
 ウミガメを掴んだまま、島の側でぷかぷかしているフェルトのほうへ悟空は泳いでいく。ぎゃあーーっっ、と、大騒ぎになっているが、気にしてはいけない。
「ここいらは、あまり魚はいないはずなんだが。」
「とーさん、これ、サメだよな? どうすりゃいい? 」
 次に、シンが2メーターぐらいのハンマーヘッドシャークと呼ばれるサメと浮上してきた。人間も食べるはずの獰猛なサメだ。
「放してやりなさい、シン。でも、少し遠いところへ。」
「りょーかいっっ。とぉーりぃやぁーーーーーっっ。」
 立ち泳ぎのまんまで、シンはサメを放り投げている。さすがに、遠くとはいかなかったので、怒ったサメが背びれを見せて戻って来る。
「シン、戻ってきたぞ。」
「元気だな、あいつ。」
作品名:こらぼでほすと ダンス5 作家名:篠義