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親友 あとがき

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ウソップはサンジに告白して、
サンジはそれに照れつつも同じ言葉をウソップに告げた。

ウソップは嬉しかった。
嬉しかったけど、分かっていた。
その言葉はあくまで『親友として』という前置きがあるって。

でも、それでも良かった。
以前よりまた少しサンジとの距離は縮まったし、
サンジは今は眩しいぐらいに輝いてるから。



この前はサンジがバレンタインのチョコをくれたし、
夏休みは初めておれの家に泊まりに来てくれたし、花火も二人で見に行った。
おれもサンジのアパートに前より呼ばれるようになったし時々泊まる。
今年のクリスマスは二人で過ごすか?って誘われたし、年越しも一緒にしようと言われた。

まるで恋人同士だよなぁなんて、勝手に妄想してるのが申し訳ない。
ゾロにも悪いなって思う。
サンジはゾロと付き合ってるのに、おればっかりサンジを独占しちゃって。
でも、おれが断るとサンジがふてくされるから、おれはそれに弱くて。
だから頷いちゃうんだ。悪いとは思うけど・・・。



「応援する気が失せたわ。」

「・・ははっ、だよな、おれ卑怯だよな。」

自嘲するように笑うウソップを見て、ナミはまた大きく溜息をついた。
どうしてこいつはこうも・・・

てか、どいつもこいつも。


「おばあちゃんになるっつの。」

「ごめん。」

「ばーか。」

「返す言葉がございません。」

「あぁもうほんと馬鹿みたい。」


屋上から下を見下ろしていると、
ちょうど校門からサンジとゾロが出てきた。
先ほどまでここで放課後のおやつを食べていたのだが、
サンジは店の手伝い、ゾロは道場へと向かい、ナミとウソップは委員会があるのだ。

ナミはふと横を伺うと、案の定ウソップは二人の並ぶ姿に眉を下げていた。
まったくもって『馬鹿』としか言いようがない。


すると屋上の二人に気付いたサンジがこちらに手を振ってきた。
ナミは頬杖をついたままひらひらと片手で返す。
ウソップは気持ちを懸命に切り替えて大きく手を振った。

そのウソップの大げさな振り方にサンジは吹き出し笑う。


どうしてあの顔の意味に気付けないのかしら。
この馬鹿は。




委員会が終わる頃には陽が傾いていた。
伸びる影を見ながらウソップは帰って行った。

その後ろ姿をナミは教室から眺めていた。


「この貸しは高いわよ。」


ナミは携帯を取り出した。


「あ、もしもしサンジ君?」





作品名:親友 あとがき 作家名:おこた