スターサインプリキュア☆
「んー…。」
「人間界は大変ねぇ。」
「私達は生まれつき役目が決まってますからね。」
「…でもそれも大変じゃないの?」
星羅さんがピーコちゃんとハルちゃんに向かって言う。
「どういうことですか?」
「役目が決まっているという事は一見聞くと楽かもしれないけど、自分の好きな事を自由にする事は出来ないんでしょ?それってちょっと不自由なんじゃないかしら?」
「…そうですね。でもボク達はその自分の役割に疑問を持つことなんてありません。
昔からずっと続いてる事ですし、いるか座はいるか座として、祖先の物語や力を受け継いでいく役目というのは誇らしい事なんです。」
「…そう。そういう世界もアリかもしれないわね。」
役目が決められている…か。いっその事なら私も決められていれば悩まないのに。
ロタ君達みんなを少しうらやましく思った。
「そっかー私はやっぱり科学館のプラネタリウムで働くか…NASAで働くか、どっちか!」
みのりは卵焼きを食べながら話す。
「大きな夢ね。うらやましいわ。」
「学芸員はともかくNASAで働くつもりなら英語は必須ね。」
みのりは基本的に何でも並みに出来るけど、英語もそんな感じ。嫌いなわけでも好きなわけでもない。
「…ど、どうにかなります!」
「ならないわね。」
「うぅ…あ、あの春菜さんと星羅さんは?進路もう決めてるんですか?」
「私は…小説家とか、何か本に関わる仕事がいいわ。」
「春菜のご両親も漫画家に絵本作家だしね。」
『へー!』
意外だったけど春菜さんって物知りだし大人っぽいし素直に頷ける夢だと思った。
「まぁね。やっぱりその影響はあるかも。」
「私は…そうね、父と同じくシェフとか…でもちょっと違うかしらね、決めかねているけど料理に関係する事かしら。」
「えぇっ!星羅さんこそ天体関連のお仕事じゃないんですか!?」
みのりが驚いた顔で星羅さんに話しかけるが星羅さんは至って冷静に答えた。
「あくまで趣味よ。」
「い、意外…。」
「結姫は?進学か就職かは決めてるの?」
春菜さんが私にそうたずねてきた。
「私は…まだよく分からなくて…。」
「そう、急ぐ必要はないわ。」
「はい…。」
「あ、結姫の家はお父さんが大学教授だから先生とか!あ、でも家庭科の先生とかも似合いそう!」
私の父はみのりの言う通り大学教授、母は専業主婦です。
でも父はいつも忙しそうで先生になりたいなんて思った事一度もありません。
家庭科は大好きだけど…星羅さんと同じく趣味の範囲かも…。
でもそうすると私がしたい事って何なの?
全然分からない…。
「うん…でも…あ、そうだ!ずっとみのりと一緒だったしこうなったらみのりと一緒に学芸員とか目指しちゃおうかな…!ね、どう?一緒にプラネタリウムの解説とか!」
まずい…よく分からないのに勢いで口走ってしまった…。
でも、みのりとずっと一緒にいると楽しいしこういうのもアリ…だよね。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆