スターサインプリキュア☆
「…。」
「まぁ、焦らなくても大丈夫よ結姫。そのうちきっと何か見つかるわ。」
「ええ。」
「私は…絶対嫌だから!」
「…?」
「みのり?」
「結姫が学芸員目指すって?ダメダメ、絶対ダメ!ダメだからね!!結姫そんなの向いてないし!」
「みのり、急にどうしたのよ?」
春菜さんがみのりに問いかける。私もなんでみのりが怒っているのかよく分からない。
「どうして?私、小さい頃からずっとみのりと一緒だったし、その中で夢も同じだとしても別に構わないじゃない。」
「本当にやりたいなら…だよ。」
「え?」
「結姫、そんなのやりたくもないのに適当に言ってるの…分かる。
自分の夢が決まらないからって私の夢に便乗しないでよ!」
「そんなつもりは…」
「みのり、あなたちょっと言い過ぎよ。」
星羅さんがみのりに向かって言う。
「…。みのりは…いいよね。小さい頃から一途に夢を追いかけてる…。でも私は…私は…。
じゃあ…今のみのりの言い方だとプリキュアになったのもみのりがやってたからその便乗で…そういう事?」
半分は本音。みのりが小さい頃からずっと同じ夢に向かって着実に進んでる。
そのみのりを…私はずっと羨ましく思っていた。
「結姫…!」
「結姫さん!」
「おいおいおい…」
半分は余計な事を口走ってしまった…でも、後悔してももう遅い。
「…そうだね。あの時、待っててって言ったのに勝手についてきた結姫が悪いんだよ。」
そう言うみのりの目は私と同じだった。きっと言い過ぎたって後悔してる…。
けれどお互い今までこんな雰囲気になった事がなくてどう止めたらいいのか分からない。
「私はみのりが心配だったから…!」
「もういいよ!私だってもう子供じゃないんだよ?結姫は…自分の事も考えなよ!」
そう言ってみのりは出て行ってしまった。
「じゃあ私…プリキュアやめるから!!」
『結姫!』
みのりの足音が遠ざかっていく。
でも今の…聞こえてたよね。
プリキュアをやめる…私はなんて事言っちゃったんだろう。
でも続ける意味もよく分からない。
ハルちゃん達の国は助けてあげたい。でも、私よりみのりや春菜さん、星羅さんの方が何倍も強い。
私が戦ってもみんなの足手まといになるだけ…。
分からない、どうしたらいいのか分からないよ…。
「…珍しいわね、みのりがあんな事を言うなんて。」
「結姫、気にしなくていいわ。きっと虫の居所が悪かったのよ。」
「私が…悪いんです…。みのりを怒らせちゃった…。私が全部…」
急に涙が溢れてきた。
「え、ちょ、ちょっと結姫泣かないで!」
「うっ…うっ…」
「結姫さん…!」
「ちょっとどうしたのよ!」
「結姫さん…ボクまで悲しくなります…うう。」
「お前は泣くな!!」
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆