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スターサインプリキュア☆

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「プ、プリキュア?その伝説の戦士と一緒に国宝のスタージュエルってのを集めて、国を救う…と。何だかどこかの物語みたいね。」
私はやはりまだ夢を見ているんじゃないだろうか…。でもどう考えてもやはり現実に間違いなさそうだ。
「簡単には信じてもらえないだろうな。俺もまだプリキュア見たことないし。」
見た事ないって…根拠もないんだ…。少し落胆してしまった。
「ホントにいるの?」
「父さんが言うんだし、実際20年前にプリキュアの力によって救われたらしいぞ。」
「20年前…生まれてない。」
「失礼ですが、みのりさんはおいくつなのかしら?」ハルちゃんが聞いてきた。
「15だよ。もうすぐ高校1年生。」
「マジかよ、人間の15歳はもうこんなでかいのか!?」
アルカスがソーセージをかじりながら驚いて私を見上げる。
「私達が小さいだけよ、きっと。」
「えぇ、人間的には普通なのだと思うわ。」
「そりゃ大きいって事は知ってるけどよ、何というか…じゃぁ年取ったらもっとでかくなんのか!?」
一瞬おばあちゃん、おじいちゃんが身長2メートルくらいあったら…と想像してしまった。
なんか怖い…。
「…大きい大きいって言われたの初めてだよ。
人間は、多分この年くらいが成長期なはずだから高校卒業する頃にはもうあんまり大きくならないと思うよ。それに、私って同い年の子と比べたら小さい方なんだから。」
「へぇ〜。」みんなすごい感心そうに聞いてる。
「みんなは年、いくつくらいなの?」
「12!」
「えぇ、アルカスそんなに年いってんの!?」
「は!?どういう意味だよ。」
「だってこっちで12歳って言うと小学6年生とかだし、それにしてはちょっと幼すぎるというか…。」
「なんだとっ!?」
「アルカスは学校でもよく先生に怒られてるのよ。」
「そうねぇ。」
なるほど、納得。
「あ、それでその探してるプリキュアさん、どこに住んでるの?住所が分かるなら、連れて行ってあげる。」
「知るわけないだろ、探しに来たんだから。というかお前じゃねえのか?」
アルカスが少し不機嫌そうな感じで言う。
「私?ないない。そんなの聞いたこともないもん。
武道とかやってるわけじゃないから戦うとか出来ないし。」
話で聞いてるプリキュアさんって伝説の戦士らしいし。
そもそも私って昔から結構平凡に過ごして来たからこれと言った力もないし…。
自然や星の事が好き!って事は言えるかもしれないけどそれって正直プリキュアさんと全く関係ないよね…。
「そういうの関係ないと思うぜ、多分。スターウオッチがここに飛ばしてくれた以上、この辺にいるのは確かなはずだ。」
そ、そうなのかなぁ。でも私だったらそんな敵とかと戦うなんて出来ないし…。
うーん…アルカス達がプリキュアさんを見つけたら私も一目見て挨拶したいな。
「でもボク達もそこの辺り詳しく分からないし、あの宇宙船の暴走のせいで針路が狂ったって事も考えられる気がするんだけど。」
「確かに…。」
「でもとりあえず、みのりさん、プリキュアが見つかるまで私達をここに住まわせてくれませんか?」
とピーコちゃんが言ってきた。
「そうね、お願いしたいわ。ご迷惑だろうけど。」
「ボクも、お願いしたいです。」
「またちくわ食いたいしな。」
「は、はぁ…なんだかよく分からないけれど、あなた達を野放しにするのはかわいそうだし…わかった、いいよ。そうなれば私も協力するね、そのプリキュアさん達探すの!」
何だか分かんない事だらけだけどここまで来たらやれる事だけはやってあげないとね!
それに宇宙船の話してたけど、どんなのか私はよく分からない…けど、その宇宙船がちゃんとプログラムされていたのならこの辺にプリキュアさんがいるのかもしれないし。
「ありがとうございます!」
「でも何か早い方が良さそうだよね。早速お散歩がてらこの辺回ってみる?鞄の中に入ってぬいぐるみっぽくしてれば大丈夫なはず。」
「ボクは大丈夫でしょうか…。」
「水がこぼれないように端に鉢入れて何とかするよ。」
…よし、これでいいかな。
「ちょっとしばらくは顔出さないでね。」
「はーい。」私は鞄にお財布とアルカス達を詰めて、ハルちゃんとピーコちゃんが食べた昨日の残り物のタッパーを持って下に降りる。
そこそこあったのにみんなきれいに食べて…。そういえばこれからずっと一緒に住むんなら食費とかどうしよう。お小遣い絶対足りなくなるよ…はぁ。
「あ、みのり。おはよう、昨日の残り物なんだけど…あ、やっぱりあなたが取ってたのね。
もしかして全部食べたの?」
お母さんが冷蔵庫から私の方へ向かってくる。
きっとこれ探してたのかな。
「あ、うん。ちょっとお腹減っちゃって。」
私は頭を掻きながら空っぽになったタッパーをお母さんに渡した。
「朝食前にそんだけ食べるなんてどんだけ食い意地張ってんだよ、ねーちゃん。」
「う、うるさい!」私じゃないのに、もー。
「パンは?食べない?」
「あ、うん、ごめんなさい。ちょっと用事があるから今から出かけないといけないんだ。」
「分かったわ、気を付けて行ってくるのよ。」
私自身は何も食べてないんだけどアルカス達が食べてるの見たりとか色んな話を詰め込んだので頭もいっぱいいっぱいで特にお腹が減らなかった。
とりあえず何か手がかりを探せばどうにかなるよね。その手がかりが見つかるかどうか分かんないけど、何もしないよりはやってみないとね!アルカス達とこうやって出会ったのも何か縁があるわけだし、せっかくだから少しはお手伝いしてあげよう。
「はーい、行ってきます!」とりあえず町内をブラブラと歩くことにした。