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スターサインプリキュア☆

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「おい、落ち着いたか?」
「……。」
「フィラメント様が差し入れて下さったぞ。極上のブラックストーンだ。お前も食べろ、美味いぞ。」
バルジはそう言って黒く輝く石をガリガリと食べながらメシエにも分け与える。
「要らない。」
「でもお前少しは食べ…」
「お腹が減ってるからおかしくなってるわけじゃないの。あなたと一緒にしないで。」
「は、はぁ!?お前な…」
「あたしはお父様にとても強い力を…今お父様が持つ全ての…とは言わないけどかなりの力を頂いたの。
食べなくったって問題ないわ。」
「ブラック様に力を頂いた…?じゃあこれでプリキュアなんて敵じゃねぇじゃねぇか!人間界を滅ぼしてついに俺達の国が誕生するんだ!!」
「…嬉しい?」
「…当たり前だろ!?」
「あんたが好きな人間界の食べ物が全てブラックストーンになっても?」
「…そ、そりゃそうだろ?ブラックストーンだって美味いし。それに俺達の世界になればそれくらいまた生み出して…」
「無理よ。それは…出来ない。」
「は?」
「あたしが…お父様が許さない。」
「じゃ、じゃあいいさ、別に。人間界にあったからたまたま手付けただけだし。無かったら全て忘れる。」
「あたしは……出来ない。」
メシエは小さな声でそう呟いた。そして、一筋の涙を流す。それは黒く変わっていく彼女とは正反対の透明で美しい涙だった。
メシエはバルジに気付かれないようにそっと涙を拭う。
「おい、今なんて?」
「…あんたはあたしと違ってここにいる意味ないでしょ…あたしがお父様に言ってあんただけでも出してあげる…。だからさっさとここから消えな。そして見ているといいわ。あたしとお父様の力で人間界を治めるその姿を。」
「よ、よく分かんねぇけど、ここを出るのはお前の方だろ!?俺は、ここで罰を受けねぇと…。」
「あんた…そのうちあたしに殺されるかもしれないのよ。」
「はぁ?」
「バカのあんたに言っても分かんない…わね……ハハ…、でもあたしの方がバカか…大馬鹿者ね。」
メシエはそう言ってまた涙を流す。
「なっ、お前、おい!何泣いてんだよ…!」
「あたしは…あたし…は…あいつらと関わりすぎた……嫌いなのに、大っ嫌いなのに…人間なんか、人間界なんか…人間界にあるもの全部全部全部っ…大嫌いなのに…全てが消えてしまうのは…嫌…」
「…メシエ…」
「でもあたしは…お父様の娘だから。逆らえないから。ここにいて、お父様の指示を待って動くしかないの。あたしはもうすぐあたしじゃなくなる。だから、あんたの事本気で殺しにかかるかもしれない。
だからあんたはここを出な…。」
「……そういう理由なら尚更…ここを出る訳にはいかねぇ。俺は…ずっとブラックホールに閉じ込められたくない一心で忠誠を尽くしてきた。ブラックストーンでさえ必要のない極限の無の世界…。
でも…今までやってきたことは何となくだけど…間違ってた気がするんだ。
お前といて、人間界の物を食って…目が覚めたってか…。
よくわからない…自分でも。とにかく…お前一人、ここに残すわけにはいかねぇ。だからと言って見す見す殺される訳にもいかねぇけどな。でも俺はここにいる。お前がここにいる限り、俺はここを離れねぇ。
これが俺の今の…本当の気持ちだ。」
バルジはそう言ってメシエを見つめる。
その目はいつものお調子者でバカなバルジとは違い、真剣な目つきだった。
「…バカ。」
「まぁバカだからな!…見す見す殺されるの訳にはいかねぇって言ったけど…でも、ブラック様にブラックホールに閉じ込められて消えるんなら、メシエお嬢様にその手で消してもらった方がいいけどな?」
バルジはいたずらっぽく笑う。
「ほんと…バカね……。ねぇ、1つだけ聞いてもいい?」
「何だよ。」
「あなたは…ここの世界の全てを捨てる事って…出来る?」
「ここから出るって事か…!?気持ちの出来る出来ないの問題じゃねぇだろ…?物理的に無…」
「そうね…そうかもしれない…。けど、バルジ…あなたに頼みがあるの。私の、最後の頼みが。」
「え……」